東海道の一番宿 ― まだ知らない街を探すZINEワークショップ 品川宿編

かつて、弥次さん喜多さんが旅した東海道。

東京の日本橋から京都の三条大橋までをつなぐ東海道には、53の宿場町があったと言われています。

再開発が予定されている品川エリアは「品川宿」と呼ばれる東海道ひとつめの宿場町でした。

ZINEWS

オフィス街のイメージが強い品川ですが、巨大ターミナル駅である品川駅から少し離れると、旧東海道の面影を残した商店街など、どこか懐かしい風景が広がっています。

ZINEWS京急

今回、京急電鉄とhaletto編集部で企画した「まだ知らない街を探すZINEワークショップ 品川宿編」では、haletto読者と編集部が、北品川駅から新馬場駅、青物横丁駅と続く沿線エリア=品川宿エリアを歩きます。そして、再開発によって変わりゆく街の姿や、昔ながらの街の魅力を「写ルンです」で自由に撮影。後日、ZINE(文章や絵、写真をのせた冊子のこと)にまとめます。

ZINEWS店舗前

会場は、新馬場駅から徒歩1分の「レンタルスペース松本」。halettoワークショップではおなじみの、70年以上残る建物をリノベーションした施設です。

昭和の居酒屋だった時代のメニューや、旧北馬場駅の看板が飾られていたりと、レトロな雰囲気が漂っています。

きたばんば

この日の参加者は、全員が女性。自己紹介では「街歩きが好き」「写真を撮るのが好き」「ZINEに興味がある」などの言葉が続きます。

まずはじめに、halettoクリエイティブディレクターの市井さんから、撮影やZINEづくりについてアドバイス。

WS風景

市井さん:「自由な感性でつくる、世界でひとつだけのオリジナル冊子がZINEです。今日は、ZINEのための素材集めの日。自分だけの発見を探して、どんどん寄り道してください。のちほど、街を歩きながら撮った写真の中からベストショットを選び、タイトルをつけます。“この写真を、ひとことで言い表すとしたら?”そんなふうに考えながらシャッターを切ってみてください」

WS様子

朝10時半、いよいよ街歩きがスタート。配布された「まち歩きマップ」を参照しながら、北品川、新馬場、青物横丁、天王洲アイル、品川シーサイド方面など、各々が気になったエリアに向けて出発します。

この日は、三宅編集長も街歩きに参加。日曜日の午前中、ぽかぽかした陽気の中、北品川エリアを目指します。

ねこ

北品川本通り商店街に出ると、道端に石柱が立っていました。「四番 新宿お休み処」と記された石柱に「これ、なんだろう?」と首を傾げる三宅編集長。「なんだろうは持って帰ろう」と呟くと、写ルンですを取り出して、さっそく撮影。

新宿お休み処

品川宿は、かつて3つのエリアに分かれていました。 目黒川を境に、北を「北品川」、南を「南品川」、北品川よりさらに北側を「歩行新宿(かちしんしゅく)」と呼んでいました。 写真の石柱は、おそらく「歩行新宿」に該当する場所だったと考えられます。

WS散歩

朝の商店街は、まだシャッターを下ろしているお店が多く、通りゆく人もまばらです。「シャッター街」というと、なんだか物寂しい響きですが、この商店街のシャッターをいくつか見ていると、旧東海道にちなんだデザインであることに気がつきます。

江戸情緒たっぷりな浮世絵や、船頭さんのシルエット、波と松が意匠的に配置されているものなど。シャッターが下りているとき限定の、かつての「品川宿」らしい街並みが見えてきました。

WS北一食堂

品川WS壁紙

オシャレなカフェもあれば、洋風建築が特徴的な金物屋さんや、昔ながらのクリーニング屋さんなど、新しいお店と古いお店が並んでいるのも印象的です。

商店街のさらに奥へと足を運ぶと、静けさと同時に、耳に残る電車の走行音。

品川WS

銭湯「吹上湯」と赤い電車。京急線が、人々が暮らす街に溶け込んでいる象徴的な風景を撮影します。

小腹が空いたところで、見つけたのは街の和菓子屋さん。「桝翁軒(ますおうけん)」の暖簾をくぐると、店主の岩瀬さんが声をかけてくれました。

岩瀬さん:「うちの団子は最高だよ、食べたらわかるから。これと同じものはどこにもないからね。京都のみたらし団子とは違うよ、江戸は焼き団子って呼ぶんだ」

品川WSお団子

品川WSお団子アップ

その勢いに押されてオススメの焼き団子をいただきます。ふつうのお団子より大きめの、食べ応えのあるお団子です。甘辛のタレが絡んだふっくらしたお団子は、何個でも食べられそう。

東海道

北品川本通り商店街を抜けると、「一番 東海道八ツ山口」の石柱を発見。どうやらここが旧東海道の入り口で、ここから青物横丁の南端までが、品川宿と呼ばれるエリアだったようです。

昔ながらの街並みから一転、目の前には、都会的なビル群が。手前に見える八ツ山橋は、映画「シン・ゴジラ」で、ゴジラが初上陸した場所としても知られています。

京急

京急

2時間の街歩きも、あっという間に終了。参加者の皆さんと感想を話しつつ、ボリューム満点のお弁当をいただきます。

午後からは、いよいよZINEづくり。ひとり一人が選んだベストショットに20文字以内のタイトルをつけてから、ZINEのタイトルを考えます。

市井さん:「ZINEのタイトルは、街歩きを振り返って思い浮かぶイメージや、今の自分の気持ちでもOKですよ」

品川WSZINEつくり

品川WSZINEづくり

編集部の折戸さんが、商店街のおせんべい屋さんで購入してくれたお菓子をつまみつつ、推敲を重ねていきます。

ベストショットとZINEのタイトルが決まり、清書を終えたらプレゼンの時間です。机の上に大きな地図を広げ、印刷した写真と撮影場所を照らし合わせながら、選び抜いたベストショットについて説明します。

品川WSZINE作り

参加者:「寄木神社の狛犬は、頭の上にくぼみがあるんですけど、これは昔、神社の目の前が海で、くぼみの上にロウソクを立てて灯台がわりに使っていたというお話を神社のおばちゃんから聞きました」

参加者:「新馬場のホステルに馬のオブジェがあったんですが、駅名が新馬場なので、ここは昔、馬場だったのかな?と思いました」

参加者のプレゼンからも、住民の方に話を聞いたり、駅名の由来に興味を持ったりと、積極的に街を楽しんだ様子が伝わってきます。

参加者:「古い街並みと真新しいビル街との比較も面白かったですが、お年寄りが多いのかと思いきや、子供もたくさんいて、そういうところにも“昔と今”を感じました」

品川WSZINE作り

ベストショットのタイトル発表が終わる頃には、参加者の視点が見事に散らばっている様子が、地図からも伺えます。

ZINE作り発表

続いて、ZINEのタイトル発表。

「これも品川」「古今品宿」など、品川エリアの二面性に着目したキャッチーなフレーズが次々に飛び出します。「シン・ゴジラじゃなくてシン・バンバ」など、ゴジラを絡めたインパクトのあるタイトルも。

京急電鉄広報部の岩崎さんのタイトルは「本当の小江戸と都市の集約地」。江戸の原型が残る品川こそが、真の小江戸であるとアピールしたいのだそう。「大江戸じゃないんですか?」という参加者からの突っ込みには、「大江戸と言いたいところですが、大江戸の個人的なイメージは城! とか分かりやすい大きなシンボルがある感じで,そこまでの華やかさはないかも……都会感と古き良き江戸の姿が混ざり合っていて、あえて小さい感じをあらわすと、小江戸かな」と、笑いを誘う場面も。

ZINE作り

参加者からは「静かな時間 品川宿」や「古き良き景色が残る街 品川」などのタイトルが発表され、オフィス街のイメージが強い品川の、新たな一面を見つけることができました。

はじめて訪れた街を、はじめて出会う人たちと歩く。そうして見えてきたのは、観光マップやガイドブックには載っていない、一期一会の街の姿でした。お互いの足跡を伝え合うことで、誰かの発見を、自分の発見のように感じられる面白さ。ふと気づくと、はじめて歩いた品川宿という街を、なんだか身近な存在に感じていました。

今回のワークショップで撮影した27枚の写真に、ベストショットのタイトルとZINEのタイトルを加えれば、世界で1冊だけのオリジナルZINEが完成。また、編集部では、参加者全員のベストショットを、撮影場所を示したマップにまとめたZINEも作成します。

後日、郵送されるこの2冊を持って、再び品川宿を歩いてみるのも楽しそうですね。

〔協力:京急電鉄、わ!しながわ魅力発信事業

品川ZINEワークショップ

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2018年2月25日に京急創立120周年を迎える京急の特設Webサイトがオープン。

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イベントは終了しました。当日のレポートを公開しています。ぜひご覧ください。

日  時:2017年11月12日(日) 10:00-15:45  ※9:45より受付開始

場  所:レンタルスペース松本 (東京都品川区北品川2-19-4)

アクセス:京急線「新馬場」駅北口より徒歩1分

参  加 費:3,000円(「写ルンです」代、現像代、美味しい地元のお弁当代、飲み物代)

定  員:12名

持  ち 物:スマホ(「写ルンです」は当日配布いたします。)

◆タイムテーブル
10:00 ワークショップスタート
10:30 撮影開始
12:30 お昼休憩
13:30 編集作業
14:30 発表・まとめ
15:45 終了予定

※雨天時でも開催いたします。雨の日にしか見つけられない発見をしましょう。

※チケットキャンセルは受け付けませんのでご了承下さい。

【募集終了】ワークショップのお申込みはこちら

主催:株式会社CHINTAI haletto編集部

特別協賛:京浜急行電鉄株式会社

協力:わ!しながわ魅力発信事業

浅草生まれ、千葉県育ち。美術館めぐりと田舎旅が好き。国境や、街の端っこ、最近は灯台と海、馬のいる場所に夢中。京都でたまに、借りぐらし。日本酒が毎晩の相棒です。