縁(えにし)を招く門前町 ― まだ知らない街を探すZINEワークショップ 川崎大師編

川崎大師駅

春の風を感じ始めた3月のある土曜日、京急電鉄とhaletto編集部が企画した「まだ知らない街を探すZINEワークショップ 川崎大師編」が開催されました。このイベントでは、haletto読者と編集部がインスタントカメラ「写ルンです」を持って川崎大師エリアを歩き、まだ知らない街の魅力を撮影。その魅力をまとめた小冊子(ZINE)を作ります。

写ルンです

ワークショップの概要はこちら

【満員御礼】まだ知らない街を探すZINEワークショップ 川崎大師編|京急創立120周年

「写ルンです」をもって街を歩き、街の魅力が伝わるオリジナルZINEを作るワークショップを開催します。

2018-02-01 10:01

第1回「品川宿編」の様子はこちら

集合写真

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イベントの舞台となるのは、京急大師線「川崎大師」駅。関東厄よけ三大師のひとつとして知られる川崎大師を中心に広がるこの街には、いたるところに「開運」「合格」「福」などの縁起のいい文字が並び、さながら、街全体がパワースポットのよう。

仲見世通り

とんとこ飴

しかし、川崎大師という街の魅力はそれだけではありません。昔ながらの商店街、味のある佇まいの純喫茶でマスターとのおしゃべりに興じるお年寄り。最近では再開発に伴って子育て世帯も増え、住宅街の公園ではしゃぐ子どもたちの姿も見られます。

仲見世通り

大師公園

今回のワークショップ会場は、駅前の喫茶店「ティールーム 城亜(じょあ)」。レトロなインテリアが可愛らしく、深夜ドラマの撮影にも使われたことがあるのだとか。人懐っこいマスターと、花柄エプロンがお似合いのママ、そして気配り上手な娘さんの3人でお店を切り盛りしています。

城亜

城亜のママ

この日は、ほぼ全員が一人参加。中には、前回も参加したというリピーターも。近所にお住まいの方や、「子どもの頃に行ったきりの川崎大師が懐かしかった」という方、写ルンですでの撮影に興味があるという方もいます。

ワークショップの様子

まずはオリエンテーションを。haletto編集長の三宅さんから「街を編集する」というキーワードについての説明がありました。

三宅さん:「意識してほしいのは『この街のことをどう伝えたら、来たことのない人にも魅力が伝わるんだろう』という視点。街の魅力を誰かに伝えるためのツールが、これからつくるZINEです。自分が『いいな』と感じる、その感性を大切にして、素敵な風景を持ち帰ってきてください」

ワークショップの様子

オリエンテーションが終わり、いざ街歩きへ。時刻は10時半過ぎ、少し肌寒い曇天の中、編集部が用意したパンフレットや地図を片手に、商店街や住宅街、公園、多摩川方面など、それぞれが気になった場所へと向かいます。

城亜

今回は私も街歩きに参加。「ちょっと変わった神社」と紹介されていた金山神社が気になり、マスターに行き方を尋ねてみました。

マスター:「びっくりするだろうけど面白いよ。地元の人からは『かなまらさん』って呼ばれているね。毎年4月に商売繁盛や良縁を祈願する大きなお祭りがあって、うちでも『出会いソーダ』という特別メニューを出しているんだ」

出会いソーダ

どうやら、昔から街の人々に親しまれている神社のようです。

川崎大師駅を背に横断歩道を渡り、右手に進むと病院が見えてきます。病院を目印に左折すると、すぐに若宮八幡宮の鳥居が。その境内にあるのが金山神社です。

金山神社

子孫繁栄や夫婦円満の神として信仰を集め、御神体は男根型。絵馬やのぼりにも使用されているシルエットは、確かにインパクトがあります。

金山神社

※金山神社の許可を得て撮影しています

境内にある資料室では、御神体にまつわる全国各地の民芸品や人形などが展示されていて、膨大な収集量は圧巻の一言。いただいた御朱印にも、ユニークな御神体が描かれていました。

金山神社ご朱印

金山神社の次に向かったのが、駅正面からまっすぐ伸びる「川崎大師表参道商店街」。「厄よけ揚げまんじゅう」や「久寿(くず)餅」といった和菓子屋さんの看板が並ぶ一方で、かなり古くから営業していそうな花屋さんやスナックなど、どこか懐かしい風景も目に留まります。

喫茶店

看板

川崎大師に到着すると「ドンドン、ドン……」という重厚な太鼓の音が。大本堂で行われる厄除け祈願の迫力に驚いていると、あるおじいさんに声を掛けられました。「お姉さん、写真を撮ってくれませんか」。

川崎大師

親子三代でお宮参りにやってきたというご家族の記念写真をパシャリ。自分の幼少時代の思い出が重なり、心が暖かくなりました。

正午過ぎ、城亜に戻ってランチタイム。名物の「たまごサンド」をわくわくしながら頬張ります。出来たてホヤホヤ、卵焼きの柔らかな食感に「おいしい!」と感嘆の声を上げる参加者のみなさん。お腹も心も満たされたところで、午後の作業スタートです。

城亜のたまごサンド

参加者が作成するのは、午前中に撮影した写真の中で、それぞれが「これぞ!」と思うベストショットのキャッチコピー。そして、自由にテーマを設けたZINEのタイトルも考えます。どちらも20文字以内という制限の中で、どんな表現をするのかが腕の見せどころ。

ワークショップの様子

ワークショップの様子

おやつのダルマせんべいやとんとこ飴をつまみつつ、皆、真剣な表情で作業に取り組みます。原稿用紙に清書を終えたら、いよいよ、選んだベストショットについて一人ずつプレゼン。キャッチコピーとタイトルも発表します。

参加者が発表したキャッチコピーは、「おいでおいでと招かれる、縁がゆるりつながる」「私を呼ぶ、人懐っこい笑顔と活気の音」など。気さくな住民の方々との交流を楽しんだ様子が伝わってきます。

ワークショップの様子

また、生まれも育ちも川崎だからこそ、知らなかった街の一面を発見できたという方もいました。

参加者:「少し前まであまり治安のよくないイメージもあったけど、公園や住宅街ではお孫さんと一緒に過ごすおじいちゃん、おばあちゃんの姿もたくさん見かけて、なんだか嬉しくなりました」

参加者:「普段は目的地に向かうために歩いていたり、乗りたい電車の時刻が決まっていたりしますが、ルートも時間も決めず自由に歩いてみると、いつもなら見えていないものも見えてくるのかな、と思いました」

ワークショップの様子

昭和の面影が漂う建物を見つけて、懐かしい雰囲気に心惹かれたという方も。大師線に乗って工業地帯まで足を運んだ参加者は、ZINEのタイトルを「にぎわいと余白」と発表していました。

街のところどころに残された昭和の風景を「余白」と表現したことに「余白から何かが生まれそうでいいですね」と、三宅さんがニコリ。

ワークショップの様子

私は、ZINEのタイトルに「お参りとお祭りのあとには、おかえり。」とつけました。賑やかな街を歩いた後、「おかえり」と迎えてくれたマスターの笑顔。ホームのような安心感のある城亜が、この街の居心地のよさを象徴していると感じました。

ワークショップの様子

最後に、参加者の発表を聞いていたマスターからもひと言。

マスター:「感服して言葉が出ないな。俺たちが当たり前だと思っている街の姿も、こうして新鮮な視点で表現してもらうと、普段からもっとよく見てみなくちゃなぁって思うね。でも、昔から住んでいる地元を褒めてもらうのって照れるけど嬉しいよ」

城亜のマスター

マスターの素直な言葉に、ふと「私は、どれだけ地元のことを知っているのだろうか」と考えました。身近な街の、まだ発見できていない魅力。それもまた「まだ知らない街の魅力」と言えるのかもしれません。

ワークショップで撮影した27枚の写真に、ベストショットのキャッチコピーとタイトルを加えれば、参加者一人ひとりのオリジナルZINEが完成。さらに編集部では、参加者全員の写真をまとめた京急オリジナルZINEも作成します。

ワークショップの様子

今回は参加者の一人として、仕上がりが本当に楽しみなこのZINE。手元に届いたら、大好きな喫茶店でゆっくり眺めよう。城亜に持っていったら、マスターとの会話にも花が咲きそうです。

〔提供:京急電鉄〕

■参加者が撮影した「わたしの川崎大師」はこちら

ワークショップの様子

梅

京急電鉄

(写真:土田凌 )

川崎大師の街の様子は、こちらでも詳しくご紹介しています。

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ティールーム 城亜

神奈川県川崎市川崎区大師駅前1-5-7
営業時間:7:00-19:00 ※季節により変動します
TEL:044-299-5389
定休日:なし
取材記事はこちら

金山神社・金山神社資料室

神奈川県川崎市大師駅前2-13-16(若宮八幡宮内)
TEL: 044-222-320

川崎大師

神奈川県川崎市川崎区大師町4-48
TEL:044-266-3420
開扉時間:5:30-18:00(2-9月)、6:00-17:30(10-3月/21日は5:30から開扉)
※毎月20日は21:00まで開扉
※正月期間の開扉時間についてはお問い合わせください
http://www.kawasakidaishi.com

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