老舗鮨屋が手がける 素材自慢の天ぷらとふぐ

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近年活況を呈する中野に、新たな名店が誕生した。北口の路地に佇む、白木と黒壁の重厚な店構え。店内にはすらりとカウンターが伸びる。それは上質な鮨屋を思わせる落ち着いた空間。それもそのはず、こちらの母体は昭和2年創業の『旭鮨総本店』。そんな老舗鮨屋のこだわりは、内装以外にも、随所に垣間見える。  その特徴は、なんといっても素材の質。とくに熟練の目利きが厳選する魚介は、薄衣をまとわせることで、いっそう旨みと甘みを増す。塩と天つゆだけではなく、椀仕立てやポン酢で素材を際立てるのも、江戸前鮨を彷彿とさせる職人技。強弱緩急をつけることで、幾つもの天ぷらがまるで別の料理のように個性を発揮するのだ。  もう一枚の看板料理であるふぐも上質だ。仕入れるのは天然とらふぐを中心とした一級品。さらに数日寝かせることで、弾力のなかに深い旨みを蓄える。利酒師が厳選した銘酒と合わせれば、その味わいもひとしおだ。  落ち着いた空間で味わう、鮨屋仕込みの天ぷらとふぐ。界隈では珍しい、大人が心から楽しめる一軒である。 (東京カレンダー2014年9月号)(お店:天?代 中野店)

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