最高のパフォーマンスを発揮してもらうために、海外の企業が力を入れる社員の健康管理法

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以前、「生産性の高い仕事をするために日本人が変えるべき朝と睡眠の時間(http://doda.jp/contents/mirai/worldnews/28.html)」という記事の中で、成功者の多くは朝の時間をエクササイズに使っていると言及しましたが、企業が従業員の健康管理に力を入れる事例も年々増えているようです。今回はその取り組みをいくつか取り上げます。 ベルギーやオランダをはじめとする欧州の国々では、企業が従業員の自転車通勤を推奨するための法律が制定されています。例えばベルギーにおいては、自転車通勤1キロあたり0.22ユーロ(約23円)が国から支払われるようになっています。 従業員数2万2,000人超を抱えるベルギーのディスカウントスーパー大手コルロイト社は、この自転車通勤奨励策に基づき、勤務地から最大7キロ圏内に住む従業員に対して自転車とそのメンテナンスを提供することに決めました。現在2,100人以上の従業員が自転車通勤を行っているそうです。コルロイト社の広報担当は「自転車通勤は、健康維持だけでなく環境保護やお客様向けの駐車スペースの確保にも貢献している」と言います。 食事については、菜食の導入を進める企業が増えているといいます。ドイツのスポーツブランドのPUMAは、2009年に「肉なし月曜日(ミート・フリー・マンデー)」を導入しました。これは、月曜日の社内食堂のメニューを全菜食にし、社員全員に菜食を奨励するというものです。もともとこの「肉なし月曜日」は、イギリスのミュージシャンであるポール・マッカートニーが中心になって展開した菜食キャンペーンだったのですが、今ではアメリカやイギリス、ドイツ、カナダといった多く国の企業や自治体で導入されています。 また、日本では健康機器などを販売するタニタが、おいしくて身体によい社食を提供していることで有名になりましたが、海外で社食にこだわりを持つ企業としては、Googleがあげられるでしょう。例えば狭いケージで飼育された鶏は卵が新鮮ではないという理由で社食では使用しないようにしています。また、新鮮な食材を入手するために、ローカル調達にも力を入れています。 一方アメリカでは、肥満や高血圧といった健康危険度の高い従業員に対して、ペナルティーを課す企業も現れ始めているようです。金融大手のウエスタン&サザン・ファイナンシャル・グループでは、従業員の太り過ぎの度合いに応じて給与を差し引く制度を導入しました。差し引かれる額としては、月15ドルから75ドル程度で大きなペナルティーではないものの、導入当初は反発も多く大きな話題となりました。ただ会社側も肥満を解消するための健康プログラムを用意しており、こうしたプログラムを利用し危険度を低下させれば、払い戻しを受けることができるといいます。 また、オハイオ州のスコッツ・ミラクル-グロ社は、健康危険度検査の数値がよくない従業員に対して、月45ドルのペナルティーを課すだけではなく、危険度を下げる努力をしない者には、さらに月65ドルが加算される制度を導入しています。 「国民健康保険制度」がないアメリカでは、民間の医療保険を活用しているため個人にとっての負担が大きくなっています。そのため、企業は人材確保のために「医療保険完備」や「質の高い医療保険に加入済み」などを掲げて雇用しています。しかし、現実は高額の保険料をなるべく低く抑えようと必死になっています。ペナルティー制度の導入の背景には、こうした事情もあるようです。 そして最後は、従業員の睡眠について気を配る企業の事例です。睡眠時間は仕事のパフォーマンスに大きな影響を与えると以前の記事でも紹介しましたが、最近では「パワーナップ」、つまり「昼寝」を推奨する企業が海外では増えています。業務時間に昼寝なんてとんでもないと思う方もいるかもしれませんが、アメリカのNASAの実験では、昼寝をした方が35%程度仕事の効率が上昇したという結果も出ているそうです。 パワーナップとは、コーネル大学の社会心理学者であるジェームス・マースが提唱した造語ですが、時間あたりに対する睡眠の効用を最大化する睡眠法といわれています。一般的に15分から30分程度の短い仮眠のことで、その時間を超えると、逆に疲労感が増してしまうこともあるそうで、睡眠時間には注意が必要です。 このパワーナップ、アメリカではかなり浸透しており、アメリカ海兵隊がパトロールをする前には必ずパワーナップを取ることを義務付けていたり、頭を使うエンジニアを抱える企業などでは仮眠専用ポッドを設けているところも多くあるそうです。 マーケティングやマネジメントの強化も大切ですが、従業員の健康に気遣うことで最高のパフォーマンスを発揮してもらう、こうした視点も必要になってくるのでしょう。

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