世界で広まるクラウドファンディングというアイデアを形にする手段

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日本ではまだまだなじみのないクラウドファンディング(不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うこと)。スマホユーザーに特化したマーケティングリサーチ会社リビジェンが実施した調査(全国の10代から30代の一般男女500人を対象)によると、クラウドファンディングの認知度はわずか13%にとどまりました。一方、世界では、アクティブなクラウドファンディングプラットフォームは2012年に530件以上。2年前に比べて倍増する勢いで伸びています。これらのプラットフォームを通して調達された資金総額は、50億ドルを超えるといいます。(参照:Visual.lyのインフォグラフィック) 昨年、クラウドファンディングプラットフォームで目標の調達額を達成したプロジェクトの数は100万件。グローバルで見たプロジェクトのカテゴリーは、Social Cause(社会的大義)が最多数で30%、ビジネスや起業が約17%、映像や舞台芸術が約12%、音楽が7.5%、環境やエネルギーが約6%となっています。平均的なクラウドファンディングプロジェクトは、9週間の間に7,000ドル(約70万円)ほど調達するそうです。では、これまでに最も多額の資金調達に成功したプロジェクトは一体どんなものでしょうか。 自分たちのアイデアに賛同する多くのサポーターを見つけることに成功したプロジェクトの数々。起業家向けメディア「Entrepreneur」と「Crowdfunding Academy」が協同で発表した、「TOP 100 Crowdfunded Companies」から具体的なプロジェクトをご紹介します。 テレビ向け新コンソール「OUYA」 Androidをベースとしたオープンソースのゲームコンソール「OUYA」。時代がモバイルやウェブにシフトしている中、あえてテレビというメディアに特化していることが特徴です。ファンドの平均サポート額は136ドルで、63,000人を超えるサポーターから総額860万ドルを調達しました。コンソールはもちろんのこと、OUYAのプラットフォームで遊べるゲームもついてくるそうです。 RPGゲーム「Torment」 小説のように深みがあるRPGを開発するというミッションを掲げたinXile entertainmentのチームは、約400万ドルの調達に成功しました。サポーターの数は74,000人以上。Tormentを開発する同社は2002年の設立で、これまでにもさまざまなゲームをリリースしてきたようです。純粋に、自分たちが遊びたくなるゲームを作りたかったという思いがプロジェクトの発端でした。これまでにリリースしてきたゲームのファンなどから、次のヒットゲームを生むためのサポートを得た形です。 3Dプリンター「Formlabs」 ソフトウエアツールの開発は進化するものの、それはあくまでデザインするまでにとどまっていて、リアルな形(物)にするまでに至っていないのが現状です。低価格で高解像度の3Dプリンターが机に一台置いてある世界を思い描いて始動したのが、Formlabsの3Dプリンター。3Dプリンティングを、まるで紙を印刷するように身近にしてくれるツールだといいます。同プロジェクトは、Kickstarterで2,000人強のサポーターから約300万ドルを調達しました。 失くしたものが見つかる「tile」 Lost-and-foundのロケーションサービス「tile」。持ち物に小さなデバイスをつけておくと、それを紛失した際にスマホで場所を特定できます。Selfstarterというクラウドファンディングプラットフォームを活用して調達したのは268万ドル。Selfstarterは、クラウドファンディングのウェブサイトを構築できるオープンソースです。製品を製造するための資金調達であると同時に、今回のプロジェクトは自分たちのアイデアへの市場ニーズを再確認する意味もあったそうです。 集まった調達額で見るTOP 100では、新作ゲームの開発や、ゲームをさらに進化させるバーチャルヘッドセットの開発のようなものまでゲームの類いが目立ちます。ただ、プロジェクトの種類は多岐にわたり、エクササイズ中に鍛えられている筋肉をサーマルビジョンで見られるアスレチックウエア「Radiate Athletics」や、ハンドメイドのデニム「GUSTIN」などもランクインしています。クラウドファンディングプラットフォームの台頭について書いた記事の中で、Entrepreneurの編集長Amy Cosperがこんなふうに話しています。 Those who innovate find strength and power in experimentation, and they fail a lot more often than they succeed. But fear is never present, and the failures are not dwelled upon. It's sport. In taking risks, these companies uncover new, unimagined opportunities. イノベーションを起こす人たちは、エクスペリメンテーション(試してみること、実験)に強さとパワーを見いだす。そして、成功するより圧倒的に多く失敗する。でも、そこに恐怖は一切なく、そんな感情は存在すらしない。これはまるでスポーツのようなもの。リスクを取ることで、これらの企業は全く新しく、想像もしなかったような機会を手にする。 賛同者さえ集まれば、ちょっとしたアイデアを誰でも形にすることができる。彼女が言うように、クラウドファンディングプラットフォームは、チャレンジャーの背中を押す、そしてチャレンジ文化そのものを育む場だといえるでしょう。自らチャレンジするも良し、また誰かのチャレンジを支援することから始めることもできるのです。

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