生産性の高い仕事をするために日本人が変えるべき朝と睡眠の時間

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世界で最も長時間勤務をしている国はどこでしょうか? レンタルオフィス事業を手掛けるリージャスが2011年に世界のビジネスパーソン約1万2000人を対象に調査を実施したところ、長時間(1日あたり11時間以上)勤務するビジネスパーソンの割合が最も多い国はブラジル(17%)で、次いで日本、フランス、南アフリカ(いずれも14%)が並んだそうです。 長時間勤務の第1位がブラジルとは意外な結果ですが、日本では残業時間そのものを申告しない「サービス残業」があることを考えると、日本は他国と比較しても長時間勤務の国であることは間違いないでしょう。 しかし、同年の経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本は米・仏・英・独・伊といった国に比べて、労働時間1時間あたりの生産性が著しく低いというショッキングな結果が出ています。 長時間労働に伴う疲労の蓄積、そして生産性の低下という悪いスパイラルに陥っている日本の企業たち。そのスパラルを抜け出す一つの鍵は、「朝」時間の有効活用にあるようです。 「What the Most Successful People Do Before Breakfast」の著者Laura Vanderkam氏によると、俗にいう成功者の多くは一日の中で「朝」の時間を最も重要視しているようです。仕事をするのはもちろんのこと、メディテーション(黙想)やエクササイズなども朝に行うのが一般的になっているとVanderkam氏は言います。 成功者の多くが「朝が重要」だとしている大きな理由は、「何事も後回しにしない」という考えから来ているようです。緊急事態や妨害は、午後になってから起きる傾向があり、それによって人のモチベーションは下がってしまいがちです。よって妨害が少ない、やる気がある朝のうちにやるべきことを終わらせてしまえば、一日を気持ちよく過ごせるという考えです。 また「早朝起業」の著者である松山真之助さんは、仕事の達人といわれる方々へのインタビューを通じて、朝の時間を有効に使っているという共通項を見出し、その生産性の高さは通常の6倍はあると語っています。 ただし朝の時間を有効に活用にするためには、自分にとって必要な睡眠時間を確保することも大切です。日本人の平均睡眠時間は、1941年の調査から比較すると、年々短くなっています。睡眠時間を削って早起きすることで日中の眠気を誘ってしまい、かえって仕事の生産性が下がることもあります。日本精神科病院協会作成の「睡眠障害の社会生活に及ぼす影響と経済損失」によると、「日中の眠気」による国内の経済損失は年間3兆5000億円というデータも存在するほどです。 日中のパフォーマンスを下げない理想的な睡眠時間は7時間前後とされるのが一般的となっていますが、最近の睡眠研究では必要な睡眠の量には個人差があるようです。ショートスリーパーと呼ばれる、平均値よりも少ない睡眠時間で十分な休息を取れる人たちも少数ながらいます。彼らは日に4時間程度の睡眠でも日中元気に過ごすことができます。 睡眠の必要量には遺伝的な部分が大きく、後天的に睡眠時間を減らしてコンディションを維持することは不可能であるというのが多くの睡眠専門の医師による意見です。 この記事を読んでいる皆さんも、生産性の高い働き方を実現するために、朝の時間の有効活用と、睡眠時間の見直しを図ってみてはいかがでしょうか。 最後に、今年の10月から伊藤忠商事が「朝残業」制度をスタートさせるようです。その内容は、夜22時以降は完全消灯。早朝残業の残業代の割増を、従来は25%だったところを50%に増額し、朝8時前に就業している社員には軽食を無料で提供するそうです。 こうした長時間労働から脱却し、生産性向上を図る企業のチャレンジが、今後広がることも期待したいと思います。

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