パタゴニアやEtsyも取得する、企業の社会貢献の実態を評価する「B Corp」とは?

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近年、日本でも「ソーシャルグッド」という言葉がよく聞かれるようになりました。社会貢献を目的とする企業やサービスを指します。米国には、B Corps認証(Benefit corporations)という仕組みが存在します。経済的利益と社会的利益を同時に追求する新しいハイブリッド型の組織を認証するものです。社会貢献のために立ち上げられた組織、またCSR活動に積極的な企業などがありますが、それらの活動を客観的に評価するのがB Corps認証で、米国ペンシルベニア州を拠点にするB LabというNPOが運営しています。 B Corps認証は、2010年に初めてメリーランド州で法律化され、その後ハワイ、カリフォルニア、ニューヨークを含む12以上の州に広まっています。B Corpsとして認証されるためには、200点満点の評価テストで80点以上を取得すること、社会や環境改善のための活動を報告する報告書、財政レポートなどの提出が求められます。現在では、27カ国、60もの産業にまたがる830企業がB Corps認証を取得しています。 2012年6月に公開された「ReadWriteWeb」の記事で、B Corps認証を受ける企業側のメリットについて、以下のような説明があります。 The B Corporation creates a legal framework for businesses to remain true to their social goals. By doing so, customers [may be more] likely to gravitate toward the business, especially those customers who believe in similar social goals. This is an opportunity to [earn] support from customers, to differentiate the business from its competitors, and to make a difference in the process. B Corporationは、ビジネスがその社会的目的に忠実であることを後押しする法的仕組みである。B Corpsによって、顧客や、その社会的目的に賛同する人が事業に好意的になることが見込まれる。顧客のサポートを手にし、競合との差別化を図り、その一連のプロセスの中で社会に変化を起こすことが可能になる。 社会的貢献には、慈善活動の支援、地域コミュニティーへのサポート、従業員へのより良い待遇など幅広い活動が含まれます。B Corps認証を受けている企業については、同NPOの公式サイトで検索、閲覧することができます。各企業のページでは、同社の評価スコア(Patagoniaは200点満点中107点)や特筆すべきB Corpsの理念に沿った活動や基準が挙げられています。認証企業には、アイスクリームの「Ben & Jerry’s」、ハンドメイドのオンラインマーケットプレイスである「Etsy」、アイウェアの「Warby Parker」などが名を連ねます。 その中でも特に著名なのが、「Patagonia(パタゴニア)」でしょう。Patagoniaのページを見てみると、こんな活動が明記されています。 コミュニティや環境への配慮が見過ごされぬよう、役員に社外取締役を受け入れる 正社員の50%が専門家育成を目的とした活動に参加 社員の25%が地域の支援活動に参加 主要サプライヤーの100%をウェブサイト上で明示 2013年、とあるマーケティング会社が実施したアンケート調査によると、社会的責任の遂行を掲げる企業を必ずしも信用しないと回答した顧客が63%いました。そんな理由から、企業が自ら社会貢献をうたうのではなく、第三者的機関がそれを評価するB Corpsの存在が大きくなっているのです。 既に世界27カ国の800以上の企業が参加するB Corpsの流れですが、近い将来に日本国内にも認定を受ける企業が出てくるかもしれません。より多くの企業がB Corpsのような動きに参加することで、顧客はもちろんのこと、働き手が企業を評価する一つの基準にもなりそうです。

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