キャリアを台無しにしないために知っておきたい、転職で失敗する5つの理由

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転職(中途採用)市場の活況が続いています。「DODA 転職求人倍率レポート」によると、2013年8月の求人数は前月比+2.9%、前年比+24.3%と、3カ月連続で調査開始以来の最高記録を更新。転職希望者数も前年比+32.7%と高い水準を維持しているようです。 会社が雇用を守ってくれた時代から、自分のキャリアは自分で管理する時代に変わり、1社で職業人生を終わらせずに、「転職」を選択する日本人も増えてきています。 ただ優秀な人材が転職先でも高いパフォーマンスを発揮できるとは限りません。新しい企業文化や社内政治への順応など、変化に伴う代償がつきまといます。大切なキャリアの選択を誤ってしまわないためにどうしたらよいのか? 2010年、400人を超えるヘッドハンター、40カ国のビジネスリーダー500人、15社の人事責任者に対して、ハーバード・ビジネス・スクール准教授のボリス・グロイスバーグと研究員のロビン・エブライハムズは大規模な調査を行いました。 今回は、彼らが発表したコラム「キャリアを台無しにしないために知っておきたい、転職で失敗する理由」を元に、転職時に犯しやすい5つの過ちについてご紹介します。 Managing Yourself: Five Ways to Bungle a Job Change>>記事元 まず上記の対象に調査をした結果、転職時の過ちは以下の5つがどの対象からも挙げられたそうです。 ①下調べが不十分である ②お金に釣られて転職する ③「将来のため」でなく、「現状から逃げるため」に転職する ④自分を過大評価する ⑤目先のことしか考えていない そして、これらの過ちは、互いに影響し合っており、連鎖していくものだとボリス氏は語っています。では、それぞれの過ちがどのようなものかを見ていきましょう。 ①下調べが不十分である ヘッドハンターによれば、求職者たちは4つの重要な分野で事前の下調べを怠っているそうです。 1つ目は、自分が働く業界や職種における「再就職市場」の現状を知らないことです。十分な情報を持っていないために、非現実的な期待を抱いてしまいます。 2つ目は、転職先として考えている企業についての、財務基盤の安定性や業界内の地位について十分な注意を払っていないことです。「自分に声をかけたのだから経営基盤は安定しているはずだ」と思いがちですが、将来に暗雲が立ち込めているというのに上級職のポストを雇用する企業だってあるのです。十分に注意する必要があります。 3つ目は、企業文化に合っているかについて熟考しないことです。相性が悪くて苦労するのは転職者本人です。できるだけ慎重に考えるべき要素でしょう。 4つ目は、募集要件をうのみにしてしまうことです。求人情報に書かれている内容が、その仕事を正確に反映していると思い込みがちですが、優秀な人材を呼びこむために「見栄えの良い」肩書や仕事内容を明記していることがあることを気に留めておくべきです。 ②お金に釣られて転職する ヘッドハンターによると、転職活動の最初は、転職先を選ぶ重要な条件において「収入」は第4位か第5位ぐらいの順位なのですが、最終的に転職先を決める上での判断材料となると、「収入」は第1位に急上昇するといいます。あるコンサルタントは、「出世と高給が企業から提示されると、それ以外の肝心な情報を企業から確認することを忘れさせてしまう」と語っています。 ③「将来のため」でなく、「現状から逃げるため」に転職する 計画的にキャリアを変えるのではなく、現在の立場に満足できずに、とにかく会社を辞めたいと思い転職活動をすることです。隣の芝生どころか、ここ以外の芝生はすべて青いと思い込み、下調べの手を抜き、「いま勤めている会社にもチャンスがまだあるかもしれない」という視点を失ってしまうことに気を付けるべきでしょう。 ④自分を過大評価する あるヘッドハンターによると、求職者には実際よりも自分が会社に貢献していると思い込んでおり、支援してくれている組織の力を軽く見ている人も多いそうです。また現在の仕事で成功した理由、失敗した理由を特定できない人も多く、そうした人はいま勤めている会社こそが問題であり、自分がその問題の一部になっているとは認めません。自己評価が甘すぎると、幸運にも転職先で新たな地位を得ても、大変な苦労をすることになると、ボリス氏は指摘しています。 ⑤目先のことしか考えていない 短期的な思考は、前述した4つの過ちを助長することになります。「お金に釣られて転職する」や「現状から逃れるために転職する」という2つの過ちが起きるのは、いずれも目前の情報と理由に影響されすぎることに起因しています。ヘッドハンターの多くは「短期的思考」こそキャリアをつまずかせる深刻な原因の一つと位置づけており、他の4つの過ちの補足ではなく、切り離してこの項目を挙げています。 では、転職で過ちを犯さないために、私たちは日頃からどのようなことに気を配るべきでしょうか。ボリス氏は「自己認識力」を高める重要性を説いています。これはキャリアに関する自分の強みと弱みを理解することのみならず、自分はどのような種類の過ちを犯しやすいかに関する洞察までを含んでいます。そのために信頼できるメンターや人脈をつくっておくことは、客観的に自分を見つめ直すきっかけとなるでしょう。 もし皆さんがこれから転職を考るタイミング、もしくは転職活動中でしたら、今回の紹介した5つの過ちを犯していないか、一度立ち止まって考える時間をとってみてください。

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