いいね!はしない、コメントも書かない、誰とも共有したくない人が増えている!?

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米国で人気のウェブサイトの一つに、「the ONION」があります。パロディ記事を面白おかしく、あたかも本当のニュースであるかのように伝えるウェブサイトです。普段なら、このサイトの記事を読んでも笑い飛ばすだけなのですが、あながち間違っていないかもと思う記事を見つけました。パロディですので、記事の内容はライターの想像力を使って誇張して書かれたものですが、ここに一握りの真実があるような気がします。 “Internet Users Demand Less Interactivity”(人々がオンラインでより少ないインタラクションを求めている)と題された記事。その中にこんな段落があります。 “Every time I type a web address into my browser, I don’t need to be taken to a fully immersive, cross-platform, interactive viewing experience,” said San Diego office manager Keith Boscone. “I don’t want to take a moment to provide my feedback, open a free account, become part of a growing online community, or see what related links are available at various content partners.” ブラウザーにURLを入力する都度、夢中になれるクロスプラットフォームにたどり着いて、そこでインタラクティブな体験なんてしたくありません。3分でフィードバックなんて提供したくないし、無料のアカウントも作りたくない、成長するコミュニティの一部にもなりたくない。コンテンツパートナーからの関連リンクも知りたいとは思わない。 ソーシャルメディアが台頭してしばらくすると、「常につながっている」ことへの疲れを懸念する声が聞かれるようになりました。現に、「Snapchat」や「Path」、家族専用の共有アプリなど、特定の人としかつながらない、プライベートなサービスが人気を帯びています。この流れはウェブサイト自体にも訪れるのかもしれません。いちいち自分の情報を入力することなく、単純にサイトを閲覧して、一方的に情報を取得したいと望む流れです。 最近は、どんなウェブサイトも、いいね!させたり、コメントを書かせたり、とにかく「参加」することを求めてきます。また、FacebookやTwitterに連携させたり、自分の過去の閲覧履歴をもとに情報を提示することへの許可を求められたりします。実際のところ、ユーザーによるこうしたアクションが減少していると示唆する記者がいます。 The New York Timesの著者であるNick Bilton氏は、自身がFacebookの投稿に関して行った実験を紹介しています。2012年の頭ごろ、Facebookがフィード購読の機能をリリースしました。彼の購読者数は一気に25,000人に増え、このコミュニティに対して情報を発信するようになったと言います。1年後、購読者数は40万人にまで増えていました。 ところが、購読者数が25,000人だったころ、一つの投稿に対して数百のいいね!やコメントが寄せられていたのに対して、現在は同様の投稿に対するリアクションは2桁台(いいね!が30件)にまで落ちたと言います。これは、この著者に限った話ではなく、The New York TimesやTechCrunchなどの記者の投稿へのレスポンスも同じように減少しています。やはり、人々の「シェア」に対する認識や姿勢が変わっているといえるでしょう。 こうして考えると、爆発的な人気を誇るシェア系サービスの中でも、Instagramは非常にうまく設計されているように思います。シンプルな使い勝手と写真という素材が相まって、Instagramは幅広いユーザーに愛用されています。にもかかわらず、「Instagramへの投稿疲れ」の声は、あまり聞きません。その理由は、Instagramの「適度な共有」にあるのかもしれません。TwitterのリツイートやTumblrのリブログなど、「広める」ための機能がInstagramには存在しないのです。あくまで自分が見たい写真の投稿者とつながる場所。特定の相手にだけ「いいね!」というリアクションを返せます。 新しくオンラインサービスを始める場合、いかにユーザー間における情報共有やインタラクションを簡単に行うかを考えてしまいがちです。でも今後は、ちょっと立ち返って、「そもそもユーザーは共有したいのか?」という質問から始める必要があるのかもしれません。

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