世界のクラウドソーシングと、そこから生まれる未来の働き方

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人がそれぞれの最も得意なことに注力して能力を発揮することで、ビジネスをより効率化し、みんながハッピーになる。そんな風に人の働き方を少しずつ変えつつあるのがクラウドソーシングです。雇用形態、場所、時間に捉われず、自分が持つスキルを活かすことができる。 The online staffing industry is a big market--and it's only getting bigger. According to research firm Staffing Industry Analysts, last year the market hit $1 billion and it's forecast to reach $5 billion by 2018.>>記事元 Incによると、米国の人材市場は5年後の2018年には50億ドル市場になることが見込まれています。また国内大手のクラウドソーシングである「クラウドワークス」でも、ここ半年の契約件数が600%で伸びており、クラウドソーシング市場の大きさを物語っています。 わたし自身はこれまでクラウドソーシングを活用したことがなく、どちらかというと自分のネットワークの中でお仕事をいただいてきました。でも、ひょんなことから、海外在住の日本人女性にテープ起こしの仕事を依頼することに。たまたま取材の本数が重なり、スケジュール的に難しかったことが利用を決めた理由です。受注してくださった方は海を隔てた国にお住まいですが、幸運なことに時差も1時間と短く、おかげで快適にお仕事をお願いできています。今回は国外にいらっしゃる日本人の方ですが、このような形で世界中から最適なリソースを見つけることが現実的な選択肢になっているのです。 「oDesk」というサービスは耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。2003年に創業したクラウドソーシングで、現在では世界160カ国、エンジニアやライター、デザイナーなど320万人以上のフリーランスが登録。例えば、”Japanese writing”で検索してみると、90件の仕事が出てきました。oDeskを実際に活用しているというユーザーのブログなどを見ると、ここからの仕事だけで生計を立てている方も多いようです。 ロゴデザインならお任せあれ、というロゴに特化したカナダ発のクラウドソーシング「LogoTournament」です。2007年に始まり、コンペ形式でロゴを募集できます。最低金額は275ドルでとてもリーズナブルで、500ドルくらいの案件もチラホラ。一回の募集に50~200件のロゴデザインが集まると言います。世界中のデザイナーがロゴをデザインしてくれる。より柔軟にフィードバックを反映できる初期段階のプロジェクトなら、幅広いアイディア集めにも活用できそうです。 「99designs」も、2008年にローンチしたかなり有名なクラウドソーシング。 TechCrunchの記事によると、そのユーザの90%が口コミで利用しています。仕組みはLogoTournamentと同じ。登録デザイナー数は20万人で、ロゴ一点を295ドルから募集することができます。また「48HoursLogo」といった、スピード重視のプロジェクトに親和性が高いサービスもあります。ものの数時間で、わずか29ドルからロゴが発注できます。 ロゴやウェブデザインのマーケットプレイスが、シカゴを拠点とする「CrowdSpring」です。ちょっと特徴的なのが、デザイン系の仕事に加えてネーミングと呼ばれるカテゴリがあること。企業が、新しく作った赤ちゃんモニターの名前や、安全性を歌うアパレルラインの名前などを募集しています。名付け親になる仕事の平均発注額は、200ドルから500ドル。日本のサービスで将来的には海外展開を考えている場合、また単純にちょっとおしゃれなサービス名にしたい場合などに使えそうです。 少し地味ですが一定のニーズがありそうなのが、「Amazon Mechanical Turk」です。同サービスは、人口知能を必要とする小規模タスクを発注できるマーケットプレイス。例えば、写真や動画に登場するモノを特定するなど、世の中にはコンピュータより人間の方がよっぽど効果的に実施できることが多々あるという考えのもと展開されています。例えば、リストにある個人のLinkedInのプロフィールURLを探す、レシートから購入アイテムのリストを作成するといった単純作業が並びます。特別なスキルがなくてもできるため、写真1枚につき0.05ドルなど報酬は微々たるものですが、国によっては十分な収入になるケースもあるのではないでしょうか。 「Rev」は、もともとoDeskの従業員だったメンバーが立ち上げたクラウドソーシングです。利用する企業には透明性を約束し、発注を受ける側にはサポートを提供する。特徴は、登録する受注者が使えるチャット機能などのSNS要素があること。自宅で仕事をする孤独を補う工夫がされています。また仕事の種類がテープ起こしと、翻訳の2つに特化していることも特徴的です。 クラウドソーシングの登場で、世界中のワークフォースを活用することができる時代に突入しました。ソーシャルメディアで英語を話せる人材を探している場合、場所に捉われず、英語圏の人材を直接探すことだって可能です。逆に言えば、日本にいながらにして世界にクライアントを持つこともできる。特にデザインなどは、言語以上に成果物のデザインがものを言うため、仕事の幅を広げやすいかもしれません。また最近は、HTML5など日本の方が技術力が進んでいる特定の言語に関して、中国から日本への逆オフショアの動きもあるそうです。エンジニアリングやデザインのスキルを持っている方は、自分の能力がどれだけ通用するかを試す場としても最適でしょう。 興味深かったのは、ある日本のスタートアップ企業の代表の方のお話。まだリリース前の段階で、敢えて海外のクラウドソーシングでデザインを発注していたと言います。日本のクラウドソーシングでロゴを募集すると動きが大々的になってしまいますが、海外のサービスならステルスで動きやすいと。海外クラウドソーシングの非常にユニークで賢い使い方ですね。oDeskの利用登録ありがとうのメールにあるように、 Welcome to the future of work. クラウドソーシングは、未来の働き方を切り開いてくれるのです。

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