100通りのおいしさを。街の日常を彩るパン屋さん―「鎌倉利々庵(りりあん)」

「鎌倉 利々庵」のスタッフがパンを並べるところ

四季を通して、多くの観光客でにぎわう街・鎌倉。
街歩きをしながら、こだわりのグルメやスイーツを楽しめるのも魅力のひとつ。実は、鎌倉にはおいしいパン屋さんもたくさんあるんです。

今回訪れたのは、鎌倉駅西口から徒歩3分、御成町にあるパン屋さん「鎌倉利々庵(かまくらりりあん)」。

「鎌倉 利々庵」の看板

「鎌倉に住む人と訪れる人の笑顔のために」、おいしさと栄養バランスを考えたパンをつくり続けているお店です。
職人の手作業でつくられるパンは、なんと100種類近く! ヘルシーかつ栄養満点、季節の野菜を取り入れつつ、小麦粉や油にもこだわりがあるのだとか。
鎌倉旅のおともにもぴったりな「鎌倉利々庵」のパンを紹介します!

鎌倉旅のより道に! 御成町のパン屋さん「鎌倉利々庵」

「鎌倉 利々庵」の外観

「鎌倉利々庵」へのアクセスは、鎌倉駅西口改札を出て正面の通りを直進し、市役所前の交差点を左折。すぐ左手に小径があるので道なりに進んでいくと、ガラス張りの窓と緑の屋根がある建物が見えてきます。

「鎌倉 利々庵」の外観

お店の周辺は、駅前の喧騒から離れて、住宅街に囲まれた静かな雰囲気。

ガラス越しにみえる「鎌倉 利々庵」の陳列されたパンたち

古都・鎌倉を思わせる深緑ののれんと「庵」とつく店名からついお茶屋さんをイメージしてしまいますが、ガラス越しに見えるのは焼きたてのパン。

外の日差しが差し込む明るい店内には、たくさんのパンがところせましと並んでいます。

食パンに菓子パン、カレーパンにサンドイッチ。約100種類のパンが並ぶ「鎌倉利々庵」の店内

菓子パンや食パンをはじめ、バターロールやレーズンパンなどの食事パン、サンドイッチやハンバーガー、カレーパンといった調理パン、焼菓子も含めると、100種類近くのパンが常時店頭に。

「鎌倉 利々庵」の陳列されたパンたち

調理パンのフィリング(中身)やソースはほとんどが自家製で、コロッケやハンバーグも仕入れではなく、一から店内でつくっているのだそう。

「鎌倉 利々庵」の贅沢クリームパン

「菓子パンや調理パンを担当する職人の中にはパティシエもいるので、お店でつくっているミルククリームやカスタードクリームはとってもおいしいんです」と、販売促進担当のスタッフの方は話します。

ヘルシーな素材にこだわった「鎌倉利々庵」のパンづくり

小麦粉の澄んだ味わいを感じられる一等粉

「鎌倉 利々庵」の惣菜パンたち

「常に安全でおいしいパンづくり」を心がけている「鎌倉利々庵」。
素材にもこだわりがあり、小麦粉は北米産の一等粉を使用しています。

スタッフ:「上質な小麦粉でつくられたパンは、雑味やクセがなくて香ばしく、小麦の澄んだ味わいにしあがっています。一等粉はポストハーベスト農薬(収穫後、輸送時に使用される農薬)の汚染の心配もないんですよ」

小麦自体の風味を味わってほしいとの思いから、パンの種類によっては、バターではなく、あえてショートニングやマーガリンを使用することも。ただし、どちらも乳化剤不使用で、バターよりも「トランス脂肪酸」の含有量が少ないものを選んでいるのだそう。

カレーパンやピロシキにはさっぱりした米油を使用

「鎌倉 利々庵」の甘口カレーパンとピロシキ

さらにカレーパンやピロシキの揚げ油には、酸化しづらい米油を使っています。米油自体に栄養素が多く含まれているので、身体にも良いとのこと。

スタッフ:「米油で揚げたパンはどれもさっぱりしていて、胃もたれもしにくいですし、パンを食べた時に口やお腹に残る感じがまったくしないんです」

「鎌倉 利々庵」の店内

ほかにも、ハード系パンの生地に自家製培養酵母を使用したものもあるのだそう。酵母独特の風味を生かし、パンの味に奥深さを出したい場合に使用します。

食べ歩きにちょうどいい! 「鎌倉利々庵」スタッフおすすめのパン

「鎌倉 利々庵」のスタッフ

「鎌倉利々庵」スタッフおすすめの定番商品や新作のパンをさっそくいただきます!

ザクザク、しっとり。異なる食感が楽しめるブリオッシュメロン

「鎌倉 利々庵」の「ブリオッシュメロン」

まずは、鎌倉の海水からつくられた“鎌倉の塩”とブラウンシュガーを合わせたサブレでブリオッシュを包んだ「ブリオッシュメロン」(190円)

スタッフ:「隠し味程度に塩を使うことで、サブレ生地の甘さをより引き立てています。サブレ部分のザクザクした食感が楽しめますよ」

しっとりと柔らかなブリオッシュ生地の食感とやさしい甘さには、思わずにっこり。

自家製のカスタードクリームがたっぷり入った贅沢クリームパン

「鎌倉 利々庵」の「贅沢クリームパン」

お次は通年人気の「贅沢クリームパン」(210円)。
ふわっとした生地の口あたりが、ひとくちめから幸せな気分にしてくれます。
まろやかな甘さのカスタードクリームがたっぷり入っているのもうれしいポイント。上に乗ったクランブルの香ばしさも加わって、リッチなおやつとして楽しめそう。

ヘルシー&さっぱりした後味のピロシキ

「鎌倉 利々庵」の「ピロシキ」

「米油を使ったパンならこれが1番好きです!」と語るスタッフの方いち押しの「ピロシキ」(180円)もいただきました。

「鎌倉 利々庵」の「ピロシキ」の中身

豚ひき肉や玉ねぎ、人参、春雨などが入ったトマト風味のフィリングは自家製。揚げたパンとは思えないほどの軽い食感とさっぱりした後味は、小腹が空いた時にぴったりの一品。

菓子パンのトラピーは、クリームチーズを使った大人の味わい

「鎌倉 利々庵」の「トラピー」

不定期に店頭に並ぶ商品としてスタッフの方がおすすめするのは、「トラピー」(190円)。クリームチーズとラムレーズン、くるみを挟んだフレンチトースト風のパンです。

「鎌倉 利々庵」の「トラピー」

レーズンの酸味とパンの甘みが絶妙にマッチして、くるみの食感がアクセントになっています。クリームチーズが合わさることで、より贅沢な味わいに。

お店のパンはピロシキをはじめ、片手にぴったりおさまるサイズ感がちょうどよく、持ち歩き用としても重宝しそうです。

季節の食材を使った、彩りあふれる惣菜パン

「鎌倉 利々庵」の春キャベツとアンチョビの「おやき」

「鎌倉利々庵では、旬の素材を使った月替わりのパンが楽しめます。なかには、筍や鎌倉産のひじきを使ったパンもあるのだとか。定番商品のおやきには、春キャベツやアスパラなど、その季節に合うものを取り入れています。

野菜をメインに使った新作の惣菜パン3種は、生地も新たに開発してつくったもの。

スタッフ:「フランスパンに近い生地に乳製品(牛乳)を加えて、食べ応えがありつつ、歯切れが良くなるようにしあげました」

「鎌倉 利々庵」の「季節野菜&バジル」

この日いただいたのは、「季節野菜&バジル」(270円)。バジルペーストを練り込んだ生地に、彩り鮮やかな野菜がふんだんに使われています。
玉ねぎや蓮根のシャキシャキした食感や、人参のしっかりとした歯ごたえ、トマトの酸味や、じゃがいものやさしい甘みなどを味わいつつ、食べごたえも十分。

そのまま食べるのがおすすめ「利々庵食パン」

「鎌倉 利々庵」の「利々庵食パン」

お店でつくっている食パンは全部で6種類。なかでも人気の「利々庵食パン」(一斤380円/半斤190円)には小麦粉のほかに米粉も入っていて、米粉を発酵させている甘い香りが特徴なのだそう。

スタッフ:「小麦とはまた少し違う、奥深くてやさしい甘さを感じられると思うので、トーストせずにそのまま食べるのがおすすめです」

「鎌倉 利々庵」の「食パン」

もっちりした食感に、ほんのり甘みのある食パンは、朝のお腹にやさしい一品。
お店にやってくるお客さんの多くが手に取っていた食パンは、お土産用に持ち帰るのにもよさそうです。

スタッフ全員のアイデアから生まれる「楽しい」パン

「鎌倉 利々庵」の月のメニュー黒板

「パンは毎日食べるものなので、値段はできるだけおさえています」とスタッフの方が話すように、店頭にならぶパンのほとんどが100~200円台と、お手頃価格。
新作のパンは、パン職人を中心に、販売スタッフの意見も反映しつつ、全員で試行錯誤を重ねながらアイデアを練っていくのだとか。

スタッフ:「一人の職人が考えているわけではなく、商品の開発に色々な人間が関わっているのが面白いところだと思います。さまざまな人のアイデアがつまっているからこそ、パンを見ていて『楽しい』と思えるのかもしれません」

「鎌倉 利々庵」の「貴婦人のラスク」

店内には、「癒しのカンパーニュ」「貴婦人のラスク」など、ユニークなネーミングのパンや焼き菓子があるのも印象的。これらは、「鎌倉利々庵」の社長みずからが発案したものもあれば、スタッフが名付け親になったパンもあるのだそう。

地元で愛されて7年、鎌倉の日常を彩る「鎌倉利々庵」のパン

2012年にオープンした「鎌倉利々庵」は、まもなく7周年をむかえます。

お店にやってくるのは、近所にお住まいの方や、オープン当初から通い続けてくれる常連の方も。最近では、子ども連れの若いお母さんや、20〜30代女性の姿も増えてきました。

「鎌倉 利々庵」の入り口

「この前買ったパン、おいしかったよ」「今日は急に暑くなったね」なんて、他愛のない世間話を交わしている様子がほほえましく、街になじんだパン屋さんならではの、日常の一コマが感じられました。

「鎌倉 利々庵」のレジのスタッフたち

スタッフ:「常連さんのお子さまが、どんどん大きくなっていくのを見ているのは感慨深いです。はじめはベビーカーに乗っていたのに、いつの間にかお話ができるようになっているなど、お客さまの成長を見守っているような気分で楽しいですね」

あたたかな空気が流れている店内は、観光で歩きまわって疲れた時に、ふらりと立ち寄りたい場所。

鎌倉市役所近くのベンチ

お店にイートインスペースはありませんが、市役所前の交差点を交番側に渡ると、ベンチに座ってひと休みできるスペースもありました。

選ぶ楽しみ・食べる楽しみ。どちらも味わえるのが魅力の「鎌倉利々庵」

「鎌倉 利々庵」の色とりどりのパンたち

色とりどりの「鎌倉利々庵」のパンをながめていると、自然と心がはずんできます。
街歩きのおともにするならこのパンかな、海を眺めながら食べるならあのパンかな。なんてことを考えながら、気になったパンをトレーに乗せていくと、あれもこれもと、つい止まらなくなりそう。

「鎌倉 利々庵」の「利々庵食パン」の特徴や焼き上がり時間などの案内板

取材中も次々と焼きあがってくるパンは、一つとして同じものはなく、食べる楽しみはもちろん、選ぶ楽しみも味わえるのが魅力的。

鎌倉の日常を彩る「鎌倉利々庵」のパンを旅のおともにすれば、この街の空気も、より身近に感じられそうです。

編集:夏梅有希

鎌倉利々庵(カマクラリリアン)

神奈川県鎌倉市御成町10-19
TEL:0467-61-3005
営業時間:10:00-18:00
定休日:不定休
※毎月日曜のうち1〜2日(※月初に店舗SNSで告知)、夏季休業・年末年始休業あり
https://kamakura-lilian.com/
Instagram / Facebook

WRITER

ライター

こっちもおもしろい

気になるコラム