朝ごはんで世界を旅するモーニング ― 「WORLD BREAKFAST ALLDAY(ワールド・ブレックファスト・オールデイ)外苑前店」

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」の「イギリスの朝ごはん」

気取らない朝ごはんから、世界の文化に触れることができるお店があります。表参道駅から歩いて10分くらい、外苑前駅からは徒歩5分の場所です。「おいしかったね」だけで終わらせず、その国の文化まで味わえる。そんな「小旅行」ができるカフェ「WORLD BREAKFAST ALLDAY(ワールド・ブレックファスト・オールデイ)外苑前店」で、のんびりモーニングを過ごしてみませんか。

表参道でのんびりモーニングを過ごすなら。カフェ「WORLD BREAKFAST ALLDAY」へ

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」の外観

表参道から外苑前へ向かい、アンティークショップや雑貨屋が並ぶ通りを歩くと、気になる看板が見えました。

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」の看板

イギリスの朝ごはんがモチーフに

「WORLD BREAKFAST ALLDAY(ワールド・ブレックファスト・オールデイ)」は、『世界の朝ごはんを一日中出す』というのがお店のコンセプト。「朝ごはんを通して世界を知る」をキャッチフレーズにしている朝ごはん専門店です。今回は、1号店である外苑前店を訪れました。

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」のガラス窓にあるロゴ

「お店をオープンした5年間の中で、朝ごはんを外で食べるというのも一般的になってきました。早朝営業のカフェが増えてきたというのはありますけど、『朝ごはん屋』というのはなかなかないですよね」と話すのは、お店のオーナーの木村顕さん。

確かに、手頃なモーニングセットなどを提供するカフェは増えましたが、時期によってさまざまな世界の朝ごはんが食べられるお店はここだけなのでは、と感じます。
お店はアットホームな食堂スタイルの外苑前店と、2018年にオープンしたキャッシュオン形式で利用できる原宿店の2店舗展開となります。

まるで世界のどこかの国の「街の食堂」

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」の店内の細長いダイニングテーブル

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」の店内は、細長いダイニングテーブルをみんなで囲って座るスタイル。

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」のオープンキッチン

奥はオープンキッチンになっており、まさに食堂のような雰囲気です。

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」のキッチン周りの瓶に入った食材

キッチン周りのディスプレイも真似したくなるヒントが

棚にずらりと並んだ食料やお茶、ソースなど、海外のパッケージデザイン好きにはたまらないアイテムばかり。

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」の棚にずらりと並んだ食料やお茶、ソースなど

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」にあったメキシコのカラフルなお砂糖

メキシコのカラフルなお砂糖

どこかの街の食堂へ、ふらりと迷い込んでしまったかのような気分になります。

朝からボリュームたっぷり! イギリスの朝ごはん

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」の「イギリスの朝ごはん」

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」の看板メニューは「イギリスの朝ごはん」(1400円・税別)。オープンして5年間続く、定番の人気メニューです。

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」の「イギリスの朝ごはん」

どれから食べようか迷ってしまうほど!

とろとろ、ふわふわのスクランブルエッグをはじめ、揚げたてのハッシュブラウンや、ぎゅっとお肉が詰まったソーセージ、サクサクのフライドブレッド(揚げパン)、トマトの酸味が効きつつもやさしい味わいのベイクドビーンズ、焼きトマトとホワイトマッシュルームがワンプレートに。
いろいろな種類のものを少しずつ食べられるのはうれしいですね!

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」の「イギリスの朝ごはん」

木村さん:「ベイクドビーンズは、いんげん豆をトマトソースで煮込んだもの。脂っこいものが多いので、酸味があってバランスがいいものとして合わせています。付け合わせのパンには、フライドブレッド(揚げパン)を。フライドブレッドにソーセージや豆を載せてもおいしいですよ!」

朝から元気いっぱいになれそうな、ボリュームたっぷりの「イギリスの朝ごはん」。メニューのこだわりを木村さんへお伺いすると、イギリスの歴史的な背景のお話に発展しました。

現地の朝ごはんメニューを忠実に再現するこだわり

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」の黒板メニュー

木村さん:「メニューは忠実に再現するようにこだわっています。イギリスの朝食は、産業革命の頃から食べられているメニュー。当時、労働力が不足していて、仕事がいっぱいあるので、朝からみんな働いて、昼ごはんも抜いて働く人が多かったそうです。そのため、朝はボリュームのある朝ごはんになりました。

「WORLD BREAKFAST ALLDAY」公式サイトでイギリスのフルブレックファストついてのキャプチャ

「WORLD BREAKFAST ALLDAY」公式サイトでは各国の朝ごはんの歴史や文化について詳しく紹介しています!

木村さん:「もともとは貴族の人たちが食べていたメニューなのですが、農業に従事していた人たちの現金収入が増えて、ちょっとお金出しても『朝食は良いものを食べたい!』という需要が増えたそうなんですね。当時はペストなどの伝染病がすごく流行していたので、トマトとかマッシュルームなどの生ものは、殺菌のためにしっかり火を通すというのが伝統として残っています」

イギリスでは調理するときに調味料は使わず、よく焼くことが重視されているのだそう。味付けはテーブルでそれぞれ塩胡椒やソースで自分好みにしていくのだそうです。

「酸味がお好きなら、こちらもどうぞ」と出してくださったのが、イギリスで愛されている定番ソース。

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」で使っているイギリスの定番ソース

イギリスのレストランや家庭にも置いてあるソースなのだそう。こちらは、よく来る常連さんから、来るたびに「あのソースはないの?」と毎回聞かれるので、探して置くことになったのだそう。そんな風に、より現地の味わいに近づくのって良いですね。

木村さん:「ソーセージやハッシュブラウンにかけるのもおすすめですよ。酸っぱいブルドックソースみたいな味です」
実際にかけてみたところ、フルーティで少し酸味がある味わい。日本人の舌にも馴染みやすい味です。

2ヶ月ごとに変わる「世界の朝ごはん」にも注目

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」の定番メニューは、「イギリス」の朝ごはんのほかにも「台湾」と「スイス」の朝ごはんを提供しています。

「WORLD BREAKFAST ALLDAY」の「台湾の朝ごはん」

台湾の朝ごはんは、豆乳のスープ、台湾版の玉子焼き、もち米でにぎったおにぎりをワンプレートに
画像提供:WORLD BREAKFAST ALLDAY

「WORLD BREAKFAST ALLDAY」の「スイスの朝ごはん」

スイスの朝ごはんは、冷たいおかゆのような、ミューズリー。軽く朝食を取りたい日にぴったりとのこと
画像提供:WORLD BREAKFAST ALLDAY

原宿店では、イギリスの朝ごはん以外の定番メニューが異なるので、それぞれのお店で違う国の朝ごはんを楽しんてみるのもよさそうですね。

「WORLD BREAKFAST ALLDAY」の「ベトナムの朝ごはん」

画像提供:WORLD BREAKFAST ALLDAY

また、2ヶ月ごとに変わる限定の朝ごはんにも注目です。2019年6月からはベトナムの朝ごはんで、暑くなる季節にぴったりのメニューを。ソイガーという、もち米の上に鶏肉がのったご飯を予定しているとのことです。

ただ「おいしい」だけで終わるのではなく、その国を知ってほしい

「WORLD BREAKFAST ALLDAY(ワールド・ブレックファスト・オールデイ)」は、朝ごはんを提供するだけではなく、その国の文化や歴史を知ることができる工夫がなされています。

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」のフリーペーパーとコースター

たとえばテーブルには、そのときに特集されている国の文化を伝えるフリーペーパーを添えて、さりげなく興味を持ってもらえるきっかけつくりを。

「WORLD BREAKFAST ALLDAY」が主催するワークショップの様子

画像提供:WORLD BREAKFAST ALLDAY

また、特集する国でつくられる伝統的なメニューをつくるワークショップなども開催し、その国をより深く知る機会を提供しています。5月までの「韓国」をテーマにした際は、水キムチづくりなどのワークショップを開催したそうです。

韓国の「ティーセラピー」のお茶

韓国で人気の「ティーセラピー」のお茶の販売も

朝ごはんを通じて、立体的にその国を知れる仕掛けがいくつも用意されているのが新鮮ですね。

朝ごはんには、気取らない「その国らしさ」が表れる

「WORLD BREAKFAST ALLDAY(ワールド・ブレックファスト・オールデイ)」の木村さんにお話を聞きました。

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 」の運営の方

木村さん:「朝ごはんって素朴で、あまり日の当たらないメニューなんですけど、その分飾った部分もなく、日常的な生活感が出やすいものです。日替わりでメニューが変わるような昼ごはんと夜ごはんに比べると、時間もお金もかけられないから、毎日同じものを食べる人が多いと思います」

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」のスタッフたち

現地の味を再現するキッチンスタッフの鈴木さん(右)と、サービススタッフの尾関さん(左)

木村さん:「海外も同じで、朝ごはんは毎日同じようなものを食べる風習があるんですね。そこには、その国らしさが一番凝縮されているかなと思っていて。日本で言えば、お寿司や天ぷらの方が華やかですけど、朝ごはんというとご飯と味噌汁があって漬物があって。食文化として伝えやすい世界各国の朝ごはんを通して、その国のことをお客さんに伝えていけたら面白いなと思っています」

メニューを忠実に再現するために、東京に住む現地出身の方などに協力してもらっているのだそうです。

「世界の朝ごはん」を食べられるお店のはじまりは、旅行者との会話から

今年で5年目となる「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」、どんなきっかけからお店が誕生したのでしょうか。

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」のダイニングテーブル

木村さん:「以前、ゲストハウスを運営していた時、いろんな国からお客さんが来てくれて。珍しい国から来てくれる人も多かったんですよね。
『どんな国なんですか?』と聞いても、さらっとその国の文化を知るって難しい。たまたま『こういうもの食べてます』という話が出たときに、食べ物の話って文化を知るのに敷居が低くてわかりやすいと気づいたんです」

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」で飾られている雑貨たち

店内のそこかしこに、海外の雑貨が飾られているのも注目ポイント

木村さん:「“食べ物の話を通して文化を教えてもらう”っていうのは、初対面の人とも話がはずんでいいなとひらめきがあって。それから毎回、お客さんに『朝ごはんは何を食べていますか?』というのを趣味的に聞いてたんです。同じ国の人は同じことをだいたい言うし、朝ごはんっておもしろいなと思いました」

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」のショップカード

世界地図型のショップカードもかわいいです

「せっかくなら、教えてもらったことを『店』にして、いろんな人に楽しんでもらいたい。自分が楽しかったことを伝えていけるような場所をつくりたいという思いがあって、このお店が生まれました」と、目を輝かせながら、お店の始まりやメニューへのこだわり、歴史的背景を語る木村さん。
その思いの深さは、自分が体験した楽しさを共有したいというところが始まりだったようです。

ふだんの朝ごはんから、知らない国に興味を持つ

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」のダイニングテーブルに置かれたお花

わたしは学生の頃、歴史の授業に興味を持てませんでした。それは、現実味がわかなくて別次元の話だと感じていたから。けれど、現地の味がそのまま楽しめる朝ごはんをいただき、そのメニューに隠された歴史的背景を知ることで、その国がぐんと身近に感じられるようになりました。

おいしいものをそのまま「おいしい」だけでいただく。もちろんそれだけで充分満たされる体験ではあるけれど、現地の「気取らない朝ごはん」をきっかけに、知らない国への興味が広がるって素敵なことだと思います。

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」窓ガラスの案内

朝7時30分から営業。ブランチで利用する方も多いそう

メニューとして展開するだけではなく、フリーペーパーやホームページなどでも、その国のことを詳しく特集し、興味を持つきっかけを増やす仕掛けをふんだんに盛り込んだ「世界の朝ごはん専門店」。

「WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店」では、オープン以来、35カ国もの国の朝ごはんを提供してきたとのこと。今後もどんな朝ごはんが出てくるのか楽しみですね!

WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店
(ワールド・ブレックファスト・オールデイ 外苑前店)

東京都渋谷区神宮前3-1-23-1F
TEL:03-3401-0815
営業時間:7:30-20:00(19:30L.O)
定休日:不定休
https://www.world-breakfast-allday.com

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