秘密にしておきたい、路地裏のカフェ ― 池袋「café pause(カフェ ポーズ)」

池袋の路地裏

池袋駅東口から徒歩5分ほど。池袋のごちゃごちゃとした人ごみを抜けた路地に「café pause(カフェポーズ)」はあります。「池袋最初のカフェ」もいわれるこのお店は、一歩足を踏み入れるとどこか懐かしい感じがします。検索をしてもメニューはあまり出てこない、秘密めいた池袋のカフェを体験してきました。

café pauseの入口

カフェは、池袋の路地にある居心地の良い空間

池袋駅東口を出て、南のジュンク堂書店の方向へ。大学や立体駐車場、ビルが並ぶ路地裏を進んでいくと、頭上に「CAFE」という看板が。「café pause(カフェポーズ)」は、やわらかいイエローの外壁のビルの1階にあります。通りに面したガラス窓からは落ち着いた内装の店内が見えました。

café pauseの外観

お店に入ると手作りのアクセサリーなどが飾られていて、ショーケースにはケーキが数種類並んでいます。店内は懐かしい雰囲気で、木のテーブルとブルーの椅子のコントラストが気に入りました。大きな窓から光が差し込みます。

café pauseの店内

お話をうかがったのは、店長の高野翔さん。「池袋最初のカフェ」にバンドマン時代からアルバイトで働いていたという高野さんは、「café pause」の2代目の店長さんです。残念ながらお写真は非公開ですが、とても気さくで笑顔が素敵な方ですよ。

メニューもサイトも「ぜんぶはわからない」からわくわくする。

「café pause」では最近SNSも始めたそうですが、インターネット上にはお店の情報があまりありません。

高野さん:「来たときの楽しみがなくなってしまう気がして、メニューにもホームページにも必要最低限の情報しか載せていないんです」

café pauseのPOPや小物

おでかけ前にだいたいの情報は調べられる時代。あらかじめ把握できる良さもあるけれど、わくわく感が減っていることもあるのかな?

高野さん:「メニューにも、タコライスとかペペロンチーノとか、最小限の情報しか書きません。こういうものが出て来るだろうな、っていう予想を上回るものを出したいんですよ。その方が出てきたときに嬉しいでしょ?」

café pauseのメニューブック

高野さんはいたずらを仕掛ける子どもみたいに笑います。
普段のお店は事前調査派のわたしも、「どんなすてきなものがでてくるか」たのしみに待つのもいいのかも、と思えてきました。わからないことが面白い、ってちょっと豊かな感じがします。

カフェランチは、もちもち生パスタで心もお腹もいっぱいに

café pauseのメニュー看板

「café pause」のメニューは、モーニング・ランチ・ディナータイムと時間帯によって変わります。

日替わりランチは、限定10食のご飯ものと生パスタが数種類。メニューは数日ごとに変わるそうですが、この日はタコライスとナスのアラビアータ、サーモンとブロッコリーのクリームパスタ。ランチには、スープとサラダ、ドリンクがセットになっています。

café pauseの日替わりランチ

お願いしたのはナスのアラビアータ。生パスタはもちもちで、ソースはしっかりした味なのに優しい印象。ビジネスマンも多い池袋のカフェだからか、量もたっぷりで食べ応えも抜群です。おいしくてしっかり食事ができるカフェ、重宝しますよね。野菜は毎日、八百屋さんから新鮮なものを仕入れているんだそうです。

café pauseの生パスタ

デザートは人気のチーズケーキ。ラズベリーのぷちぷちとした食感が、こっくりとしたチーズのアクセントになっています。甘さは控えめ、しっかりとしているのに軽さもあってとてもバランスが良いから、ついついまた食べたくなる味です。

café pauseのチーズケーキ

夜カフェではお酒が楽しめます。
高野さん:「1杯だけ飲んで帰りたいってことあるでしょ? 僕もお酒が大好きなのでこだわっています。ハイボール1杯でも、きっと満足してもらえると思いますよ!」
こだわりのリキュールやスコッチで作ったカクテルを、仕事帰りにスイーツと楽しむのもいいかも。こういうとき、池袋って便利な立地です。

いつ来ても、いつ飲んでもおいしいコーヒー

食後はもちろんコーヒーを。セットになっているコーヒーは「pauseブレンド」。こだわりを聞こうかな、と思ったら「とりあえず飲んでみてください」と高野さん。飲んでみると、かなりあっさりしたコーヒーです。

高野さん:「ねらっているのは、その飲みやすさなんです。淹れたてのコーヒーがおいしいのは当たり前じゃないですか。うちはゆっくりすごすお客さんが多いんです。長時間作業をした後に、残っていたコーヒーも変わらずおいしい、というのを大事にしています。」

café pauseのpauseブレンド

電源もWi-Fiも完備なので、パソコンを持ち込んでゆっくり作業をする人も多いんだそう。「帰りに一口飲んだコーヒーがまずいとなんだか嫌じゃない?」と高野さん。
おしゃべりが盛り上がって、いつのまにか時間がすぎて。帰りしなに飲んだ、もう冷たいコーヒーがおいしいのってすごくいい。

次の季節が待ち遠しくなる季節限定メニュー

「café pause」では季節限定のメニューもあります。寒いこの時期は、ホットワインがおすすめ。シナモンやクローブなど数種類のスパイスをブレンドしたオレンジ風味で、からだの芯からあたたまりそう。
黒蜜ときな粉の和風ラテ、ハーブティーもありました。季節ごとに変わる限定メニューも、お店に来るまでのドキドキ感が楽しめていいものです。

 チャージフリーで音楽が楽しめる夜も

café pauseのスピーカー

ギャラリーカフェでもあり、ライブ会場になることもある「café pause」。毎月最後の日曜日には、高野さんのバンド仲間と一緒にジャズライブを行なっています。シンガーソングライターによるライブなど、不定期のイベントもちらほら。ライブを行う日もいわゆるミュージックチャージなどはなく、通常営業です。そこに居合わせたお客さんに「よかったら聞いてくださいね」という気持ちなんだそう。

café pauseのライブ

過去のイベント時

誰もが落ち着ける「おしゃれカフェ」

高野さんが働き始めたのは、この池袋に「café pause」がオープンして約1年後の14年前。当時この辺りには、カフェはもちろん飲食店もほとんどありませんでした。「池袋最初のカフェ」といわれるこのお店は、ギャラリーカフェとしてオープン。もともとのオーナーはおもちゃ屋さんだったので、店内のショーケースにはおもちゃがたくさん並べられていたんだそう。現在は、アクセサリーや絵など、作家さんの作品が展示販売されています。

café pauseの展示販売

おしゃれなカフェというと女性が多いのかと思いきや、お年寄りやビジネスマンも多いんだとか。

高野さん:「ホールスタッフは女性が中心だけど、僕も副店長も男だから、どなたにも入りやすい雰囲気がでてるんじゃないかな」。

café pauseの窓から外の眺め

窓からは店内がよく見えるから、入りやすいのも納得です。カウンター席で食事をしていると、道ゆく人をゆっくり観察するのも楽しそう(目が合っちゃうかもしれませんが笑)。

すべてがシンプルだから、居心地が良い

café pauseの窓際席

高野さんのお話を伺っていて感じたのは、カフェでの時間のすみずみまで気持ちがこもっていること。意識して感じるわけではないけれど、お店ですごして帰るまでの時間が、しっかり心地よいんです。

café pauseのデザートケース

BGMも、おだやかな音楽がちょうどいい音量でかかっています。おしゃべりもしやすいし、読書や作業にもほどよい空間です。

高野さん:「お店の名前もpauseだし、お客さんにとって“立ち止まれる場所”になっているといいのかな」
にぎやかな池袋にあって、ひとりでも誰かとでも、ほっと楽しめるお店です。

みんなにも教えたい、でも私だけの秘密にしておきたい

café pauseの看板と空

店名まではわからない、シンプルなCAFEの看板。行くまでは今日のメニューがわからなくても、「café pause」という空間が変わらずそこにある。ふしぎな安心感がこのお店を包んでいる気がしました。

みんなに教えてあげたいけれど、どこかで秘密にしておきたい。また来る理由を見つけたからか、なじみのなかった街も人混みも、なんだか心地よく感じた帰り道です。

池袋の道

 

café pause(カフェ ポーズ)

東京都豊島区南池袋2-14-12 山口ビル1F
TEL:03-6912-7711
営業時間:
[月~木]11:00~21:00(L.O.20:30)
[金]11:00~23:00(L.O.22:30)
[土・日]9:00~23:00(L.O.22:30)
[モーニング]9:00~11:00
[ランチ]平日・土曜、1日10食限定 11:00~15:00
https://cafepause.jp/

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