旨みがぎゅっと詰まった「ドラフトティー」。わたし好みの茶葉と淹れ方に出会う ― 裏鎌倉の日本茶専門店「CHABAKKA TEA PARKS」

仕事の合間、暇さえあればアイスコーヒーに手が伸びて、コーヒーが手放せませんでした。
でもここ数年、コーヒーよりも日本茶がしみじみ美味しいなあ、と気になっているのです。
今回訪れたお店は、夏の渇いた体に沁みいる、日本茶の飲める場所でした。

産地、品種と淹れ方で数万通り。奥深い日本茶を自由に楽しんで

都心から約1時間半、電車に揺られているとどんどん広くなる空に胸がはずみます。今日は鎌倉駅西口の「裏鎌倉」と呼ばれる落ち着いた雰囲気のエリアが目的地です。駅のほど近くに「CHABAKKA TEA PARKS(以下CHABAKKA)」はありました。

CHABAKKA

CHABAKKA

CHABAKKAは2018年の4月にオープンした日本茶の専門店です。

三浦さん:「CHABAKKA(チャバッカ)という店名は『茶バカ』『茶葉』から取っているんです。日本茶というと、まだまだ年配の方が好んでいるイメージが強いですよね。日本茶を、20~30代の方に楽しんでいただきたいと思い、この店名をつけました」

CHABAKKA

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ずらりと並ぶ日本茶の缶。鼻を近づけてみると、ふわりと優しい香りが。

CHABAKKA

三浦さん:「そもそも日本茶は、茶葉の品種が約120種類あり、抹茶、煎茶、玉露、ほうじ茶、釜炒り茶など、約15種類の飲み方があります。そこに産地が掛け合わさると、数万にものぼります。僕自身、まだ300種類くらいしか飲んだことがないので、本当に奥の深い世界なんです」

CHABAKKA

数万種類と思うと気の遠くなるようなお話です。店内のお茶も茶葉の色、形は千差万別。ふと手に取った「つゆひかり」という茶葉は、よく見ると縮れています。日本茶というといわゆる「茶柱」のようにシャープペンの芯のような、直線的な形のイメージがありますが……。

CHABAKKA

三浦さん:「煎茶と呼ばれるまっすぐな茶葉のものは、整えられてあのような形になっているんです。『つゆひかり』は佐賀の釜炒り茶です。ぐりぐりとした見た目なので、ぐり茶とも呼ばれる製法で作られていて、お湯を注いで蒸らすと茶葉が広がって、とてもきれいなんですよ」

茶畑は見たことがあるものの、出荷の際に整えられて針のような形になっているとは想像もしたことがありませんでした。お茶を飲む前に、産地、品種、どうしてこの形状なのか、といったストーリーも知ることができ、実際に飲むのが楽しみになってきます。

好みの淹れ方で広がる、その品種ならではの味

CHABAKKAで提供しているお茶はすべて、三浦さんが農家さんと直接顔を会わせて交渉したもの。茶葉のこだわりは「シングルオリジン」と、「オーガニック」の二つです。「シングルオリジン」というのは単一品種のお茶のこと。そして、有機農法にこだわっている生産者に限定して取り扱っているそうです。

CHABAKKA

三浦さん:「実は、スーパーで売られているお茶はほとんどがブレンド茶。茶師さんが複数の品種を混ぜて、均等に美味しくなるように調整をしているんです。うちで取り扱う日本茶は、品種それぞれの個性も楽しんでいただきたい。だから混ぜずにその品種だけで淹れる『シングルオリジン』にこだわっています。」

茶葉のこだわりにくわえ、味に大きく影響するのはその淹れ方。CHABAKKAではオーダーセレクトという注文方法をとっています。先ほど飲ませていただいたハンドドリップ抽出に加え、プレス方式、シェイカー、ドラフトティーなど。

三浦さんおすすめの「あさつゆ」という茶葉を、ハンドドリップとドラフトティーで淹れていただきましょう。
まずは、底に出るお茶を効率よく淹れることができる特注の器具でのハンドドリップ。縮れていた茶葉は、中国茶のようにふっくらと広がって漂っています。

CHABAKKA

「最後の一滴は急須からの贈り物」とも言われるほど、急須の底にたまったお茶は美味しいと言われているのだそうです。自分で淹れるとどうしても底に茶葉がたまってしまい、苦味のもとになっているイメージでした。

CHABAKKA

CHABAKKA

ハンドドリップのお茶は、透明感が強く濁りのない色。一口含むと、スッキリとした甘みとまろやかさが口の中に広がります。
苦味、雑味がここまで無いお茶は初めてかもしれません。今の季節は、ホットで楽しんだあと氷を入れて楽しむ方もいるそうです。

続いて、ここでしか飲めないドラフトティー。
三浦さん:「最近コーヒーチェーンでも見かけるようになったドラフトコーヒーという飲み方がありますが、当店ではドラフトティーをお楽しみいただけます。日本初の飲み方になるのですが、窒素(ナイトロ)を含ませながら注ぐことで、ミルキーでフルーティーなお茶が楽しめます」

CHABAKKA

CHABAKKA

ビールサーバーのようだな、と思っていた機械は、なんとお茶を入れる機械。日本で1台しかない特注品だということにもびっくりしました。注ぐとまるでビールのように泡を含んだお茶が注がれていきます。見ていると、徐々にクリーミーな泡から緑茶へと変化していく様子はとても新鮮でした。

CHABAKKA

口にすると、上唇にビールのように泡がつきました。心地よく冷えたドラフトティーは、三浦さんの仰る通り、少し甘くてどこかフルーティーな味わい。窒素を含んだ優しい口当たりはとろりとしています。

今回は三浦さんに淹れていただきましたが、お客さんが自分で淹れることもでき、その体験自体も商品として提供されています。

プレス式は、コーヒーのフレンチプレスのように淹れる方法です。金属のフィルターでぎゅっと茶葉のエキスをプレスするので、苦味の出ないほうじ茶を提供するときに使われています。

シェイカーは、お茶をまろやかにしてくれるので、抹茶ラテを作る際に使われています。甘みとまろやかさを引き出すことができるそうです。

それぞれの茶葉にどんな淹れ方が合うか。三浦さんと会話しながら試していくことで日本茶の楽しみが広がります。

お店をオープンするにあたって、三浦さんはクラウドファンディングで支援を募りました。結果は目標金額を2倍以上上回り、大成功。日本茶の需要が減っている現状を打破し、業界全体を活性化させるのが三浦さんの願いです。

20~30代の人が飲みやすいように選ばれているお茶は、常時12~13品種。

CHABAKKA

2018年8月現在、STANDARD MENUで取り扱うシングルオリジンの茶葉 ※実際の店舗メニューとは異なる場合があります

また、気に入ったお茶はオンラインショップでも購入が可能なので、ご自宅で日常的に楽しめます。

CHABAKKAの日本茶はこれまで飲んでいたものよりも、苦味がなくすっきりとした味わいで夏にぴったり。家でお湯を沸かしてお茶を飲むのも素敵ですが、ていねいに淹れてもらったお茶を楽しむ、心がやすらぐ時間を見つけました。

CHABAKKA

少し贅沢にコーヒーの豆を選ぶように、わたし好みの茶葉と淹れ方を知る。日本茶との新しい関係を見つけた、裏鎌倉でのひとときでした。

CHABAKKA TEA PARKS

神奈川県鎌倉市御成町11−10
電話番号:0467-84-7598
営業時間:11:00-18:00
定休日:水曜日
HP:https://shop.chabakkateaparks.com/

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