Mucchi’s Caféの【おとなの絵本教室】Vol.26

「おしえてもらう」って貴重な体験

あらすじは……
主人公の女の子が様々なものごとを、動物や人に教えてもらうお話です。

「あるきかたは ○○がおしえてくれました」
「わるものを やっつける たたかいかたは △△におしえてもらいました」

さて、誰に教えてもらったのでしょうか。

五味太郎さんのユーモアたっぷりの絵と、「××がおしえてくれました」の繰り返し。大人が読んでみても「そうくるか!」と思える発想が面白いのです。「〇〇がおしえてくれました」あなたなら、どう答えるでしょうか。頭を柔らかくして考えてみたくなる一冊です。

人は生まれたときには何も知らない状態だったのに、いつの間にかたくさんのことを覚え、できるようになっています。特に子どもの頃は、物事を覚えるのが早いですよね。
ちょうどこのコラムを書いていた時、小さい頃から家族同然に過ごしていた叔母の訃報が届きました。手先を使うことが好きだった叔母は、ちぎり絵、編み物……たくさんのことを教えてくれました。また、とても人付き合いのいい人で、ご近所とのコミュニケーションの取り方を自然に教えてくれ、地域の習わしを教えてくれたのも覚えています。
叔母の葬儀では、久々に親戚やご近所の方とお話しできました。幼い頃の自分を振り返りながら、周りの人に様々なことを「おしえてもらい」、今の自分があることを改めて感じました。

「〇〇がおしえてくれました」、それは大人になっても言えることです。学びたいという姿勢をもち興味を持つことと、いかに自分のものとして吸収するかで人は成長し、できることが増えていきます。
人に触れ、自然に触れ、色々な経験から「おしえてもらう」、その気持ちをこれからも持ち続けていきたいと思います。できなかったこと、知らなかったことへの知識が広がることはとても素敵な体験です。現状にとどまらず、「おしえてもらう」ことによってまた一歩成長できたら素晴らしいですよね。

このコラムを読んでくださっている、30代の方は後輩などに教える立場に立つことが、多くなっているかと思います。そんな時、この絵本を開いてみて「おしえてもらう」ことの大切さを振り返る、そんな一冊になればと思います。

みんながおしえてくれました

著:五味太郎
出版:絵本館

福島県出身。元保育士、夢の国の住人を経て現在、高円寺にある「絵本カフェ ムッチーズカフェ」の店長として、オーナーむっちと共同経営中。絵本専門士として、店内に置く絵本を選書しています。口癖は「ご縁って大事よね~」。ゆでたまごが好き。お店のTwitter の中の人。

このコラムについて

Mucchi’s Caféの【おとなの絵本教室】

絵本にはいろいろな魅力があります。よく考えてみると怖い話から、ほんとに人生に役立つ良い話まで。忘れた気持ちを思い出さしてくれる、おとなのための絵本を紹介します。

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