日本とフランス、つながる空の下でカヌレをひとつ ― 深大寺「ル・カナール」

階段

雪の解け残る1月末の週末、青空が広がる散策日和です。深大寺の街までは、調布駅からバスに乗り20分。バスを降りると、家族連れでにぎわう参道が目に入ります。寺の門前の通りには蕎麦や、おしるこなどののぼり。「和」の空気に満たされた街です。

外

そこから歩くこと10分ほど。野ヶ谷住宅団地のそばまで来ると、どこからかバターの香りが漂ってきます。小さな椅子に置かれた「ル・カナール」の看板を見つけました。今日のお目当ては、住宅街にたたずむ、フランス菓子のお店です。学生時代の旅行で、フランスのボルドーを訪れたことがあります。店内のしつらえは、その時訪れたお店を思い出させました。

散髪屋さん

看板

毎週金曜と土曜限定でオープンするカヌレ専門店「ル・カナール」の店主は、中谷優子さん。30代でフランスの南西部にある地方都市ボルドーへ留学し、ぶどう畑の広がる風景に心洗われたそうです。自分を癒してくれたボルドーへの恩返しになればと、帰国してからボルドー発祥のお菓子・カヌレを専門にするお店を開いたそうです。本場の型で作るのがこだわりで、1時間半かけて焼き上げるそうです。

カヌレ

その日並んでいたのは、プレーン、ショコラ、アールグレイ、パンプキン、抹茶、蕎麦の6種類のカヌレ。地元のお客さんが多く、20個以上も購入されることがあるそうです。

袋つめ

開店した当時は、久我山でカフェ併設のお店として営業深大寺に来てからは、平日はインターネットから注文を受けた分を作り、金曜・土曜にお店を開けるようになりました。忙しかった以前に比べ、カヌレ作りに専念できていると中谷さんは言います。

中谷さん:「深大寺は、住宅街のお客さんと、観光客が訪れてくれる立地が魅力です。固定客もでき、ゆったりしたペースで以前よりも地に足を付けて自分のペースで働けています。オリジナルの『蕎麦味』のカヌレは、ボルドーと深大寺を繋げる新作です」

「ル・カナール」から歩いて数十歩の所に、フランス菓子とパンのお店があると中谷さんに聞き、そちらにも立ち寄ることに。店主の多島清香さんが一人で切り盛りする、フランス菓子とパンのお店「ロントモン」です。

外観

多島さん:「お菓子やパン作りをずっと続けるために、自宅にお店を開きました。開店前夜はプレッシャーも感じましたが、始めてみればいつも通りの作業に集中できました」

小さな店内には、タルトやガトーオペラなどいろいろな種類のフランス菓子やパンが美しく飾られています。

ショーケース

2つのお店で購入したカヌレと、パンを持って、深大寺のとなりにある神代植物園へ向かいました。広大な敷地には噴水や植栽が並び、高い木々が木陰をつくっています。きちんと手入れが行き届いた、フランスの庭園を思い出しました。

森

池

売店でコーヒーを買いました。ベンチに座って、まずはアールグレイ(120円)と蕎麦(100円)のカヌレをいただきました。小さいのにずっしりとした存在感。硬い皮目の下は柔らかく、甘くてほろ苦い味が口に広がります。

カヌレ

次に、「ロントモン」のあんこの挟まったプチパン(178円)を頬張ります。ゆずジャムが挟まっていて、冬にうれしい和の風味を堪能しました。

あん

深大寺といえば、お寺に蕎麦、お団子、小江戸の街並み。和のイメージの強かったこの街に、偶然にもフランスの本場の空気を持った2つのお店がありました。真冬のカラッと晴れた青空を眺めながら、フランスまで続く空想の旅をしたおやつの時間。ちょっとした街歩きのつもりが、思ったより遠くまで出かけられたような気がしました。

梅

外2

 

ル・カナール

東京都調布市深大寺東町4丁目17-15
電話番号:080-6673-5721
営業時間:金曜日・土曜日10:30-18:00
アクセス:調布よりバス20分
深大寺より徒歩およそ10分
http://le-canard.biz/ 

ロントモン

東京都 調布市 深大寺東町 6丁目18-63
電話番号:042-444-3830
営業時間:11:00-17:30
定休日:日曜・月曜(不定休)
アクセス:調布よりバス20分
深大寺より徒歩およそ10分

 

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