アタシが選ぶ本と週末(2)「感情ことば選び辞典」編:学研辞典編集部

うれしい、さびしい、うつくしい、おこる、うたがう、こころ、あい……日常的に使うさまざまな“感情ことば”。そんな“感情ことば”に特化した小さな辞書をリュックに入れ、電車の中で暇つぶしにパラパラ眺めるようにしている。

先に挙げたような平易な言葉は伝わりやすいけれど、微妙なニュアンスの違いを表現することはできない(そういう意味では、伝わっていないのかもしれない)。そもそも、心のすべてを言葉でいい尽くすことはできない。それでも、自分の“心”に少しでも近づけるように、たくさんの“言葉”を隠しもっておきたいと思う。

端的に、この辞書は面白い。
例えば「怒る」にまつわる類語を引くと……

喝、鬱憤、赫怒、癇癪、義憤、逆上、激昂、激怒、激憤、剣幕、梗概、業腹、公憤、叱責、私憤、瞋恚、痛憤、怒気、悲憤、憮然、憤慨、憤激、憤死、憤然、憤怒、憤懣、噴門、勃然、憂墳、余墳、立腹、ヒステリック…

「好き」にまつわる類語を引くと……

愛顧、愛好、遺愛、好意、好感、好古、好尚、好色、好事家、嗜好、同好、贔屓、夢中、いとしい、意に適う、選り好み、お気に入り、お眼鏡にかなう、首ったけ、恋しい、焦がれる、心にかなう、心惹かれる、慕わしい、大好き、嗜む、熱を上げる、惚れる、まんざらでもない、身を焦がす、目がない、めろめろ……

日々使う「ムカつく」「うざい」だとか、「好きだよ」だとか。そういう言葉の頼りなさをそっと教えてくれる。

蛇足だけれど、私は自分の知らない言葉を知っている人が好きだ(横文字や専門用語を連呼する人のことではなく)。日々のやりとりの中で、聞いたことのない言葉を使われるとドキッとしてしまう。そういう人はきまって“本好き”だったりする。本を通して人は新たな言葉に出会い、豊かな言い回しを学ぶ。本を読まなくても、人は生きていけるけれど。なんだかんだ、読書の価値は計り知れない。

旅や週末のおでかけ、近所へのお散歩……まだ見ぬ風景、食べ物、人などに出会ったとき。「きれいだった」「感動した」「海が青かった」「おいしかった」「人が優しかった」とかではなく、なにか、もうひとひねり。まだ知らぬ言葉に出会うために、言葉の海に飛びこんでみませんか?

文と写真:三根かよこ、街の写真:ミネシンゴ

感情ことば選び辞典

編:学研辞典編集部
出版:学研出版
URL:
http://amzn.to/2DNIGGj

腰越・haletto houseを舞台にした5つのストーリー

2017年12月特集「そこへ、東京トランジット」では、5組それぞれのhaletto houseでの過ごし方をご紹介しています。あなたなら、どう過ごしますか。あなたらしいhouseを見つけてみてください。

https://haletto.jp/201712_halettohouse/

夫婦出版社『アタシ社』と申します。神奈川県・三浦市唯一の出版社であり、夫婦ふたりで本をつくっているのが特徴です。夫が編集者、妻がデザイナーという最小単位の布陣でせっせと本をつくっています。夫婦それぞれ編集長として雑誌も創刊しています。 言葉というのは不思議なもので、たった一節で人の人生を変える力を持っています。ですから、できる限り人の人生を、良い方に転がしていけるような本をつくれる生き方をしたいと思うのです。なんて、真面目な話はそこそこにして、ゆっくり本を眺めていってください。

このコラムについて

アタシが選ぶ本と週末〜三崎のちいさな出版社から〜

週末どんな本を読もう。何回も読んだあの本、まだ読んだことのないこの本、思い出の本、はじめての本、涙流した本。実に本との関係は人それぞれです。 では、1つ制約を決めるとすれば—— 「お出かけの時、どんな本を持って行きますか」 ...

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