【scene 04 新大久保「ワンチャコ」の夢 ― まわる東京、緑色の電車に乗って】

新大久保駅前から東西に伸びる大久保通りには、韓国料理や韓国コスメ、K-POPのアイドルグッズのお店などが並び、看板やメニュー表にハングル文字が多く見られます。コリアンタウンで有名な新大久保ですが、「実は多国籍な街だよ」と教えてくれたのは、この街に住んでいた友人でした。

とりあえず目的もなく、大久保通りから枝分かれする小さな道をずんずん進みます。海外だったら知らない道は警戒するところですが、ここは日本という安心感があってか、冒険気分で大人の迷子です。

路地裏にはタイ料理、ネパール料理、ベトナム料理の文字。イスラム教の戒律に準じたハラルフードのお店や、「アフリカの香辛料もございます」と書かれた食材店もありました。

そして、一層人通りの少ない小道に差し掛かったところに、「ペルー料理」と書かれた看板を見つけました。ここまで歩いてきて、一度も見かけなった国の名前に興味を惹かれて入ってみることに。木の壁が印象的な店内にエスニックなクロスがかけられたテーブルが並び、「ナスカの地上絵」のパネルもあって異国情緒を感じます。

日本語で「いらっしゃいませ!」と、カウンターの奥から、ペルー人のオーナーである国光フリオさんが笑顔で出迎えてくれました。流暢な日本語を話すフリオさんは日本在住歴14年。日本人女性と結婚をして、日本国籍を取得したそうです。日本人ですね。

フリオさん:「ペルー料理はスペイン植民地時代の影響で、ヨーロッパやアジア各国の食文化が混ざっているんです。だからどんな人が食べても、どこかで味わったことがあるような、懐かしい印象を持つと思いますよ」

たくさんあるメニューの中から、ペルー料理が初めてならまずこれを食べて欲しい、と勧められた「セビチェ ミクスト(1944円)」。どんな料理が出てくるのかドキドキしながら待つと、白い大皿が目の前に。

一口食べてみると、爽やかな酸味に混じるニンニクとセロリ、そしてコリアンダーの香りが口いっぱいに広がります。セビチェとは、ピリ辛酸っぱいソースに鮮魚とシーフードを漬け込んだカルパッチョのこと。レモンと唐辛子をメインにした味付けで日本人にもよく馴染む味でした。食べ進めると、じわじわと舌を刺激する唐辛子の辛さが体を温めてくれます。

フリオさん:「セビチェはペルーの代表料理。ランチやディナーはもちろん、二日酔いの朝や風邪気味のときにも好んで食べるんです」

確かにさっぱりとしていて食べやすく、さまざまな香辛料が効いていて元気になれそうな味でした。

初めてのペルー料理を美味しく堪能した後、「イスラム横丁」に向かいました。

新大久保駅向かいにあるドラッグストアを右折すれば、異国情緒満点のイスラム横丁に到着です。ハラル系のお店が3つ並んでいて、どのお店もスパイスや豆類が200から400円と激安価格。大量にスパイスを買い込む日本人の姿もありました。

インドとパキスタンの焼き菓子をお土産に購入してお店を出ると、香ばしい匂いに足が止まります。「ナスコフードコート」というレストランの店頭で、焼きたてのバーベキューチキンが100円で売られていたので、迷わず一本購入しました。

一日じゃ食べ足りないヨ! 次回は友人と多国籍料理店をはしごしようと考えながら、スパイスたっぷりの串焼きを頬張りました。

スパイスの香りにさそわれて。都心で旅行気分

ケバブアイキャッチ

【scene 04 ― 東京真夏のミステリー】そういえば、ケバブって食べたことなかった アメ横から始まるケバブという旅

「イラッシャイ、イラッシャイ〜」 「マチガイナイヨ、オイシイケバブダヨ!」

2017-07-19 08:00

【ペルー南米酒場「ワンチャコ」】

住所/東京都新宿区百人町1-24-8 新宿タウンプラザ地下1階

TEL/03-3368-2780

営業時間/火〜金:17:30-23:30、土日:11:30-15:00、17:30-23:30

定休日/月曜日

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この特集について

まわる東京、緑色の電車に乗って。 ― 2018年2月特集

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