問屋街で出会ったヨーロッパのアンティークボタン ― 馬喰町「CO-」

隅田川と神田川に囲まれ水利の便もよかった馬喰町は、奥州街道の宿場町として栄えた場所です。江戸時代から問屋街として親しまれ、現在も繊維、タオル、文具、婦人・紳士服などの卸売店が集まります。中には一般消費者が立ち入れない小売不可のお店も見られ、問屋街らしさを残す街でもあります。

ユニフォーム

建物

そんな馬喰町で、ヨーロッパのアンティークボタンに出会えるお店「CO-(コー)」を訪れました。

概観

賑やかな問屋街から少し離れた東神田一丁目交差点近くにある、レンガ色の壁のお店が今回の目的地。こぢんまりとした店内に入ると、まず目に飛び込んできたのが、入口正面の棚を埋め尽くすボタンの箱、箱、箱。国内やヨーロッパから集められた、約2000種類のアンティークボタンが訪れる人の好奇心を刺激します。

内観1

ボタン

2010年からこの場所にお店を構える店長の小坂健次さんも、もちろんアンティーク好き。買い付けは主に奥さんが担当されていて、年に1〜2回イギリスやフランスの蚤の市、個人店の倉庫から素敵な品々を見つけてくるそうです。

店主

小坂さん:「土地柄、業者さんも多く来店しますが、手芸好きの個人のお客さんも多いです。アクセサリーに作り変えたり、手持ちの服のボタンを付け替えたり、思い思いの楽しみ方をしているようですね」

お店で取り扱っているのは、50〜100年以上前に作られたヴィンテージもしくはアンティークの品。新品にはない色ムラや個々の風合いの違いも魅力です。100円の安価なものから、10万円の高価なものまで、希少価値によって値段も幅広く設定されています。ガラス、プラスチック、メタル、木、革……素材もさまざまで、台紙に取り付けられたボタンを一つひとつ見ていると、想像力が掻き立てられ、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

高そうなボタン

金ぴかボタン

ツバメ

“Coworker(同僚)”や”Cooperate(協力)”などのように、何かの単語と組み合わせて使用する「CO-」という店名に込められているのは、「訪れる人と素敵な気持ちを共有する」という思い。このお店でお気に入りのボタンを見つけた時のワクワクした気持ちは、小坂さんたちが欧州のマーケットで素敵なボタンに出会えた時の感動と共通するものがあるのかもしれません。

Co-

春夏用のアクセサリーにしようかと、ひとしきり悩んでボタンを数種類購入しました。最初に手にとったのがフランスヴィンテージの青いボタン。波紋を描く水面のような模様が私の心をキャッチしました。模様の入り方も一つひとつ異なり、私の気に入った模様のボタンを台紙から外してもらいました。

青ボタン

かわいい

何十年も昔、遠い異国の地で誰かが身につけていた服のボタンが、新たな形として生まれ変わる……ボタンが旅してきた距離や時間と、一期一会の出会いとを思うと、より一層愛着が湧いてきます。

世界のあちこちからこの街へ集まってくる素材の中には、心をときめかせてくれる自分だけの掘り出し物が眠っているのかもしれません。既製品ももちろん素敵だけれど、ボタンや、レース、毛糸、刺繍糸……であった宝物から、自由に想像を膨らませる楽しさを知りました。歴史深い馬喰町の街並みが、色鮮やかに見えた帰り道でした。

夕方

 

CO-

東京都千代田区東神田1-8-11 森波ビル1F
TEL:03-5821-0170
営業時間:12:00〜19:00
定休日:日曜・祝日

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