Mucchi’s Caféの【おとなの絵本教室】Vol.19

好きなものがあって何が悪いの?! 流されないアナタに捧げる一冊

あらすじ・・・
いつも草の上に座って静かに花のにおいをかいでいるのが好きな牛、名前は「フェルジナンド」。母牛は他の子牛たちが駆け回って遊んでいるのに「一人ぼっちでさびしくないかしら」と声を掛けますが、フェルジナンドは「こうして花のにおいをかいでいるほうがすきなんです」と思いを告げます。
成長したフェルジナンドは、とあるきっかけで闘牛の牛飼いの目にとまりました。連れていかれたフェルジナンドは果たしてどのような姿を闘牛場で見せるのでしょうか。

闘牛として闘うことよりもはながだいすきなフェルジナンドは始終マイペース。自分のすきなことを曲げないで、自分は自分という姿勢を貫いている様子に共感を受けました。

私の性格はよく言えば一つのことに夢中になれること。そのことが好きになると、その分野をとにかく追及したいといいますか、深く深くこだわってしまいます。(絵本が大好きで、集め始めたのがきっかけで「絵本カフェ」を経営しているお話は、以前このコラムでもお話させていただいております。)
絵本カフェを経営しているというと、お客さまに「出版関係のお仕事されていたんですか」「図書館のお仕事をされていたんですか」など質問を受けますが、「絵本が好きで!」という返事をすると「わぁ、私も絵本を集めているのでいつか開きたいと思っているんですよ」と喜ばれる方もいらっしゃいます。特別な資格がなくても、「そのことが好き!」という信念をもっていれば、決して不可能な事などないのだと感じてもらえたのだと思います。

でも、好きなことを極めるのには、「はなのすきなうし」のフェルジナンドのように強い意志を貫くことも必要です。それが仕事につながらなくてもいいのです。趣味の世界だっていいのです。他の人がなんと言おうとも、「私はこれが好きなんだから」とこだわりを持つことで、心が豊かになり、充実した幸せな生活を送ることができるのではないでしょうか。

他の人と違うことをするのって、よく言えば「個性的」、ネガティブに言えば「変わり者」です。私自身を振り返ると、保育士として働いていた頃は、周りと違うことや意見を言って決して「協調性がある」タイプではなかったと思います。そんな中で、アドバイスや指導をしてくださった先輩、同僚、後輩には感謝しています。自分らしく個性を持ちたいと葛藤する中で、他の人と同じだとやっぱりつい安心してしまうことがあります。特に日本人は「協調性」を大事にする文化がありますよね。その中でこそ、自分の好きなものを大切にすることで自分を表現できるのではないでしょうか。「何が好きでもいいじゃない! これがわたし!」自信を持って好きなものが言える、そんな自分でこれからもいられたらいいですよね。

フェルジナンドは、周りの反応を気にすることなく「自分が人と違うことをなにも恥じることはないよ」と教えてくれているような気がします。むしろ「変わってるね!」は最近では誉め言葉のように聞こえます。いつまでもフェルジナンドのように、周りがなんといっても「自分は自分」と強い志を持って、これからの人生を歩んでいけたらいいですよね。

はなのすきなうし

作:マンロー・リーフ
絵:ロバート・ローソン
訳:光吉夏弥
出版:岩波書店

福島県出身。元保育士、夢の国の住人を経て現在、高円寺にある「絵本カフェ ムッチーズカフェ」の店長として、オーナーむっちと共同経営中。絵本専門士として、店内に置く絵本を選書しています。口癖は「ご縁って大事よね~」。ゆでたまごが好き。お店のTwitter の中の人。

このコラムについて

Mucchi’s Caféの【おとなの絵本教室】

絵本にはいろいろな魅力があります。よく考えてみると怖い話から、ほんとに人生に役立つ良い話まで。忘れた気持ちを思い出さしてくれる、おとなのための絵本を紹介します。

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