Mucchi’s Caféの【おとなの絵本教室】Vol.17

ルピナスさん

自分がどう生きるのか、目標を持って取り組む姿に共感する女性続出の1冊です。

あらすじ・・・

ルピナスさんと呼ばれた、アリスという女性の生涯を描いた絵本です。ルピナスさんは幼い頃、おじいさんと3つの約束を交わします。一つ目は世界を自分自身の目で見て回ること、二つ目は自分が好きな場所を見つけること、三つ目は世界を美しくするために自分にできることをすること。簡単なようで、難しい約束。ルピナスさんはどのような人生を歩むのでしょうか。

「世の中をもっと美しくしてほしい」という言葉だけをおじいさんはルピナスさんに残し、そのために具体的に何をどうするかとは言いませんでした。ルピナスさんは普通の人と同じように働き、世界を旅し、自分が好きな土地に住み、自分の人生を歩む中で、自分にできることで世の中を美しくする方法を見つけ出していきます。

おじいさんが言った「世の中を美しくするために、何かをしてもらいたい」ってどんなこと、「何か」ってなんだろう、自分だったらどんなことを想像しますか。ルピナスさんがおじいさんに言われた「何か」を生涯通して考え続ける姿勢に共感し、大好きな1冊になっている大人の女性の方も多いのではないでしょうか。

この絵本を通して私が感じたのは、一人の女性がたくましく生きる姿です。自分のなすべきこと、目標を持って取り組む姿にとても感銘を受けました。自分ひとりでできることは限られている中で、どんなことができるか自分の信念を貫き通したルピナスさん。私が一言で感想を述べると「ルピナスさん、その人生観カッコイイっす!」

当店で働いている20代のスタッフがこの絵本を読んだとき、「この絵本は一体何が言いたかったのでしょうか」と私に問いかけてきました(このコラムを書くことは許可済みです)。私とは10歳以上離れている年齢です。このスタッフは就職活動中で、自分の本当にやりたいことは何か探し続けています。きっと、この絵本を読んで何か感じたものがあったのかもしれません。自分にあった仕事ってなんだろう、自分の納得する仕事を探したい、自分がやりたいことって何だろうそう自問自答しているのだと思います。きっとこのスタッフが就職し、将来結婚してお子さんが生まれたときこの絵本を読み返すと、受けとるものもかわってくるかもしれません。

信念を貫いて生き続ける、そのためにはたくさんの世界を見て、経験していく中で見つけることができるのだと思います。私の場合、絵本に囲まれている中で仕事がしたいという気持ちから、保育士を辞めて絵本カフェを開業しました。保育士を辞めると言ったときには、周囲は無謀な事だと反対しました。でも一度しかない人生だから、悔いのないように生きよう、それが成功しても、失敗しても自分の人生です。「なにをすればいいか、いまはまだわかりませんが、きっといつか、わかる日がくるでしょう。」という、最後の一文が強く印象に残り、まさしく今の私の気持ちを表しているように感じました。

素敵な絵本は人の心に、「なにか」を訴えてくれます。はっきりと「なにか」は言い切れませんがその「なにか」を感じさせてくれる、そんな絵本だと思います。

ルピナスは、綺麗な花びらが天に向かい、すっとまっすぐな姿で生えている花です。ルピナスさんの生き方も花と同様、凛とした美しいものだったと思います。

私はこの先どうしたいのだろう、自分に問いかけています。自分にとって「こうしたい」「こうなりたい」と思うことを小さな1歩でよいので、歩みを止めないで続けていくそれが大事だと感じます。自分のできる事ってなんだろう、自分がやりたいことってなんだろう自分が人生で大切にしたいことを軸に、生き方、働きかた、住む場所を選ぶ、そんな生き方をしていけたらいいなと思います。まだ答えは出ていませんが、いつか私なりの答えを見つけルピナスさんのようにそれを実現できたら幸せだなと思いました。

ルピナスさん―小さなおばあさんのお話―

作:バーバラ・クーニ―

訳:かけがわやすこ

出版:ほるぷ出版

福島出身。元保育士、夢の国の住人を経て、現在「絵本カフェ ムッチーズカフェ」の店長として、オーナーむっちと共同経営中。最近の口癖「ご縁って大事よね」。 ゆでたまごが好き。お店のTwitter の中の人。

このコラムについて

Mucchi’s Caféの【おとなの絵本教室】

絵本にはいろいろな魅力があります。よく考えてみると怖い話から、ほんとに人生に役立つ良い話まで。忘れた気持ちを思い出さしてくれる、おとなのための絵本を紹介します。

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