vol.04 花を買って帰る、暮らしかた。

いつの頃からか、「部屋に花を飾る」ということが自分にとっての大事な習慣になっていることに気付きました。

そのきっかけはなぜだっけ、と記憶をさかのぼると、散歩をしていて見つけた素敵な花屋さんで、球根植物の「ヒヤシンス」を買ったことを思い出しました。

なかなか花が咲かず、毎日毎日観察していて、ようやく花が開いたとき。ちょうど仕事か何かで落ち込んでいたわたしに、とてつもなく大きな元気を与えてくれたのです。生き物が持つ力ってなんと偉大なのだ! と感銘を受けました。

このときから、定期的に花を買うこと、飾ることを習慣にしよう、と決意していた矢先。当時読んでいた松浦弥太郎さん著「あたらしいあたりまえ。」のとあるエッセイを読んで、1つのひらめきがわたしの中に生まれました。

その一節がこちら。

“雨の日には、花を買います。部屋をあかるくしてくれるから。
近所の一番近いお店で、花を買います。歩いて行って帰ってこられる距離なら、思いたったときに買えるから。(中略)
僕は男だけれど、花屋に行って「そのとき」のきれいな花を選ぶというのは、自分の美意識を刺激される行為だと実感します。
パーティのためでも、誰かへのプレゼントでもない。週に2回くらいの頻度で花屋に行く暮らしは、たいそうな贅沢。
「部屋の空気を変えたい、雰囲気の良い部屋にしたい」と願うなら、家具を変えるより、ポスターを貼るより、何か小物をあしらうより、花を飾るほうが、よほど効き目があるのです。
(「雨の日は 花を買う。」より抜粋)”

この一節を読んで、ハッとしました。

「花を飾る暮らしをしたい」と思ったら、自分の生活圏内にお気に入りの花屋がないと難しいなあと。

もちろん、遠いけれどお気に入りのお店に立ち寄って帰る、ということもできるでしょう。でもズボラなわたしが長続きできるとは思えません。最寄り駅にあったとしても、駅の反対側など自宅から遠く離れた場所にあっては、これまた習慣化することは難しいでしょう。

やっぱり「生活圏内に素敵な花屋があること」が、理想の暮らしに近づける一歩であると思うのです。それをきっかけに住む街を選んではどうでしょうか。自分の思い描く「理想の暮らし」から逆算して、「わたしの街」の具体的な条件を考えていく。

勤務地からの距離や時間ももちろん大事だけれど

「駅前にお気に入りの花屋がある」

というのも、なんとも素敵な条件の一つなのではないかと思います。

わたしにもあなたにも、花屋だけでなくさまざまな「理想の暮らし」があるはず。その小さな種をどんどん増やしていきたいと思う、今日この頃です。

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仙台生まれ。好奇心旺盛。週末、街歩きしながら外でビールを飲むことに至福を感じる。好きな街の種類はこじんまりした居酒屋がある場所。口癖は「なんとかなるさー」。最近、山ごはんに興味津々。

このコラムについて

【スナック あさこ】編集長の徒然日記

haletto三宅朝子編集長が日々思う、暮らし方や街歩きのための街の見方、住み方などをエッセイとして綴ります。よもやま話から人情話、噂や、偶然見つけた教えたくなるあんなことまで、世間を取り巻く事柄について、halettoな視点で読み解きま...

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