冬に咲く花「冬桜」 — 埼玉県神川町「城峯公園」

春は東京都青梅市の吉野梅郷、夏は千葉県の銚子、秋には神奈川県箱根市の仙石原。なんとなくその季節になると、景色と旬の味を楽しみに行きたくなる場所があります。10年前は流行りや話題性のある場所を追いかけていたけれど、自分好みの場所や店を持つことに、心地よさを感じる年齢になってきました。

埼玉県神川町に冬に咲く桜が見られる公園があると聞き、11月初旬に出かけることにしました。その場所は「また来年も来たい」と思わせてくれる、穏やかで彩り溢れる自然公園でした。

城峯公園の冬桜

上野駅からJR高崎線で1時間半、本庄駅で下車しました。駅前のロータリーから1時間に1本ペースで発着しているバスで神川町にある「城峯公園」を目指します。

城峯公園に到着したのは午後2時前。駐車場には、埼玉以外にも東京や神奈川ナンバーの車が駐車しており、平日にも関わらず冬桜を見に遠方から足を運んでいる人たちが多く見られました。

城峯公園の冬桜

およそ5ヘクタールの公園内には約600本の冬桜が植樹され、毎年10月下旬から12月上旬にかけて八重の淡いピンク色の花を咲かせます。10月最終週の日曜日には「冬桜まつり」が開催され、たくさんのお客さんで賑わうそうです。

城峯公園

城峯公園に咲く桜は「10月桜」という品種を改良したもの。春に咲くソメイヨシノなどの品種と違い、一気に満開にならないのがここの桜の特徴で、6〜7分咲きの状態が2カ月ほど続きます。春の開花時には花が葉で隠れてしまうため、落葉後の11月から12月が花を見るのにベストなシーズン。

紅葉を背景に控えめに咲く桜は可憐で奥ゆかしい美しさを感じます。公園内には冬桜以外にもモミジやイチョウ、スギ、ヒノキなどが生えており、四季の草花も楽しむことができました。カサカサと落ち葉を踏む音や、山向こうでギッギッと鳴く野鳥の声、足元の虫の鳴き声など、五感が研ぎ澄まされていくよう。

園内を散策すると、「今年も来られてよかったね」と話す中高年の女性グループや、二十代前半のカップル、大きなカメラを片手にじっとレンズを覗く女性などさまざま。週末には海外からの観光客がツアーバスで立ち寄ることもあるそうです。

城峯公園

レストハウスでは名物の桜そば(600円)と甘酒(200円)をいただきました。本物の桜が練りこまれた桜そばはピンク色でほんのり桜の香りがしました。

城峯公園の冬桜

夕方4時を過ぎると、陽は山の向こう側へと傾き始め、あたりは夜の闇に包まれます。この時期、日没時間に合わせて冬桜のライトアップが始まります(ライトアップは12月3日まで)。オレンジ色のライトに照らされる冬桜は昼間見る可憐さとは一味違った幻想的な美しさです。

城峯公園の冬桜

冬桜のライトアップ以外にも駐車場近くの公園にはイルミネーションも現れ、この時間帯を選んで散策をしている人も多く見かけました。

初めて見る冬の桜は、想像していたよりも儚く可憐でした。城峯公園は秋が過ぎ去り、冬が近づく季節の足音を心静かに感じることのできる場所でした。来年またここに足を運ぶ時は、近くの温泉や金鑚神社などのパワースポットにも立ち寄ってみたいと思います。

城峯公園

埼玉県児玉郡神川町矢納1277

TEL:0495-77-0703 (神川町経済観光課)

アクセス:JR「本庄駅」からバス約45分

編集・ライター

茨城県生まれ。旅行、スイーツ、下町大好き。きっちり計画立てるより、無計画でのサバイバル感に惹かれます。日焼けしやすく戻りにくい。最近始めたランニングによるくつ下焼けがほんのり自慢。

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