青島でうれしいワインの逃避行 「ワイマラマのロゼワイン」

社会人になると、ゆっくり自分の時間をとって考える時間を持つなんてなかなかできず、贅沢なことです。ひょんなことをきっかけに、夏が残る9月のはじめ、宮崎県の青島へロゼワインを求めて訪れることになりました。小さな逃避行のはじまりです。

宮崎空港

青島。知っていますか? 父母世代には「鬼の洗濯板」が有名らしく、新婚旅行の定番だったそうです。現在では、サーフポイントとして有名であるとともに「青島ビーチパーク」という期間限定のスポットも開業し、再び、若い人に人気のエリアへと進化しています。今回はロゼワインの楽しみ方を提案するお店が青島ビーチパークに出店すると聞き、遅めの夏休みにと出かけました。

宮崎空港

宮崎ブーゲンビリア空港に着くと、空は青く、東京の空との違いに驚きます。目に飛び込む花の色。鮮やかな夏です。空港内で売られていたマンゴーソフトとスムージーに飛びつき、すっかり観光気分で青島へのタクシーに乗り込みました。

マンゴーソフト

車で20分、椰子が連なる広い道をまっすぐ進むと、青島の浜辺の入り口に到着です。写真館やおみやげ物が並ぶ小道の向こうに、海と青島が見えます。行き交う人の群れを抜けて、「青島ビーチパーク」に到着。

青島ビーチパーク

食べ物を売るコンテナが数台囲むようにつくられた広場には、椰子の木や日傘、テーブルにはたくさんの人。それぞれ食べ物やお酒をならべて会話を楽しみ、海を眺めています。

青島ビーチパーク

取材先のニュージーランドワインを醸造・販売する「ワイマラマジャパン」のポップアップショップは、青島を望む入り口の近くにありました。

青島ビーチパーク

 

カウンターに置かれた籐のかごにはボトルワインとバゲットがのぞいています。このかごが、販売しているロゼワインを楽しむ特別セット。

ワイマラマ「vin rose」

ロゼワインのためにセレクトしたサマートリュフを乗せたピペラード(ピリ辛の生ハム・サラミと夏野菜のトマト煮込み)、はちみつナッツとブリーチーズがついてきます。

なんとも「本場感」のある佇まい。さっそく1セットいただき、ベンチに中身を並べながらスタッフの沼本紗希さんにお話を聞きました。

 

青島ビーチパーク

編集部:「ワインいうとやっぱり赤・白のイメージです。ワイマラマが、ロゼワインをつくるようになったのはどうしてでしょう」

沼本さん:「ロゼワインの楽しみ方をもっと日本の人たちに紹介したいと思ったんです。ロゼって日本では“甘くてお酒に弱い人用の飲み物”、”乾杯向きでごはんには合わない”というイメージがついてしまっていて。実際はしっかりと楽しめるワインで、ヨーロッパでは食事のとき若い方からお年寄りまで幅広い人が楽しむものなんですよ」

ワイマラマ「vin rose」

さまざまな醸造の方法があるロゼワインですが、赤ワインや白ワインをつくるときにでた「中間」の部分を使用するものが多いとのこと。それであの薄いピンク色ができるんですね。度数は低めなものが一般的です。一方のワイマラマでは赤ワイン用のぶどうをロゼのために収穫し、毎年そのぶどうにあった製法でつくるそうで、度数もいわゆる赤・白と大きな違いはありません。

沼本さん:「時間がたって温度が上がってもむしろ香りがでておいしいので、食事を通して長い時間楽しめるんです」

青島ビーチパーク

アウトドアにも向いているロゼワイン。その特徴は、どんな料理にもあうこと。肉なら赤、魚なら白、くらいはイメージがあります。プロデューサーの松原その子さんに初心者におすすめの合わせ方を聞きました。

松原さん:「とにかく買ってみて、冷やして飲んでみることからはじめて欲しいですね。甘すぎるロゼワインはもうほとんど売られていません。“ジャケ買い”でもいいので、試してみたらいいと思います。和の出汁にもごま油にもあわせられるのがロゼのすごいところ。冷蔵庫に一本あればとても重宝すると思いますよ」

いろいろなものを飲んでいって、自分に合うものを見つけていくのがワインを知る醍醐味なのだとか。松原さんはそれを“旅”と表現します。

目の前には海と青島、広い空。そして、ロゼ。非日常の景色が広がります。束の間のバカンス。はじめて挑戦したロゼワイン、香りはしっかり、飲み心地はとてもさっぱり。甘いお酒という印象はありません。青島ビーチパークに出店していた「HAY HAY MAMBO」の「海鮮やきそば」とあわせてみます。

海鮮やきそば

やきそばの油っぽさをさらりと流して、海鮮やナンプラーとの相性も違和感がありません。これはすごい。中華とタイ料理ばかり食べているわたしには助かるお酒です。

ワイマラマ「vin rose」

夕暮れ時。浜辺に移ってロゼワインを楽しみます。海風はやわらかで、波の音が繰り返しきこえてきます。

「ああ、気持ちいいなあ」

それ以上のことばが浮かびませんでした。海があって、空があって、風が髪をなでます。おいしいお酒が手元にあって、これ以上何が必要なんでしょうか。ぼんやりと海をながめながらだんだんと暮れなずむ空の下でグラスを傾けていました。

青島ビーチ

ワイマラマ「vin rose」

夕焼けに似た色合いのこのお酒を、子供っぽい飲み物だと考えていたのは昔のこと。大人らしい贅沢な時間をとじこめたようなそのボトルを家に持ち帰ると、海辺の時間がよみがえるような気がします。すこしだけ背筋を伸ばしたい時。力を抜いてゆっくり考えたい時。またこのワインに助けてもらおうかなと東京への飛行機に乗り込むのでした。

 

 

青島石碑

鬼の洗濯板

青島

青島ビーチパーク

 

青島

 

ワイマラマ

ニュージーランドの北島、ホークスベイでワイン造りをしているワイナリー。“ワイマラマ”とは、ニュージーランドの先住民マオリ族の言葉で「水面に映る月光」を意味します。

vin rose 2016

アルコール度数:13.6%
生産地:ホークスベイ/ニュージーランド
品種:メルロー83.5%/カベルネ・ソーヴィニヨン16.5%
醸造:ワイマラマ・ジャパン株式会社
購入はこちらのサイトから:
https://www.winetable.jp/

編集/ライター

埼玉県生まれ。池袋偏愛の編集担当。名画座、着物、紹興酒が大好き。興味の基本はアート・デザイン・建築。好きな色は、とにかく赤。カラオケは、昭和歌謡が十八番。歩くのが異常に早い。よくいるところは純喫茶。