Mucchi’s Caféの【おとなの絵本教室】Vol.14

パパのしごとはわるものです

自分の仕事に誇りをもっていますか。

あらすじは…

「お父さんの職業について調べる宿題」が出された、主人公の男の子。こっそり仕事場へ出かけるお父さんの車の後部座席に隠れて、ついて行ってみると、着いた先はプロレス会場。そこで主人公の男の子が目にした光景は……。悪役レスラーのポーズが見覚えのあるあの人にそっくり。その後、親子でどんな会話をするのかな。

パパが悪者レスラーという職業で、「どうして悪者なんだ」と責める子ども。でも、パパの一言「わるものがいないと、正義の味方が活躍できないだろう」

縁の下の力持ちとはまた違うけれど、誰かが頑張っているからこそ、スポットライトが当たる人がいる。自分の仕事は、誇れるものなのだと。

自分のやっている仕事がどんな人に影響を与えているかわからない、目に見えないかもしれない。自分のしていることを認めてくれる人は少ないかもしれない。今していることは決して人生において無駄に過ぎていることではなく、自分の人生の中の大切な肥やしとして確実に自分の実になっていると思う。だからこそ、今自分の仕事に自信を持つことが大切だと感じる。

絵本を選んでいる自分、絵本のコラムを書いている自分を「自分なんて、人に絵本をすすめる力なんてないんじゃないか」「文章を書く事をちゃんと勉強してないし、ただのカフェの経営者だし」「もっとふさわしい人がいるのではないか」「なんで自分なんだろう」コラムを書き始めていた頃は、そんなネガティブなことばかりを考えて自問自答していました。

書き進めていくうちに、編集さんよりお褒めの言葉をいただき自分に自信がついてきたこともあり、今の自分にしか言えない言葉、等身大の言葉で飾らない、ありのままに伝えて書いていけばいいんだと感じてきました。

「絵本カフェを経営している私」だからこその言葉、30代の半ばだからこそ、経験してきたことを言葉にすることの意味を感じています。

文章を書くことに限ったことではありません。様々な分野において自分の今している仕事がどんな意味を持っているのか、自分で意味付けしてみるとおもしろいかもしれません。

このコラムを目にしてくださっている方は、仕事・プライベートにおいてもきっと様々な経験をして現在があるはずです。自分にしかできないこと、自分にしか思いつかないような考えがきっとあるはずです。20代とは違った価値観で、自分の仕事に誇りをもって前に進むとまたひとつ成長した生き方ができるのではないでしょうか。

ずばり、この絵本は、「自分の仕事」に自信を持てる、自分の仕事の意味をもう一度考えさせてくれる1冊です。

パパのしごとはわるものです

文:板橋雅弘
絵:吉田尚令
出版:岩崎書店

福島県出身。元保育士、夢の国の住人を経て現在、高円寺にある「絵本カフェ ムッチーズカフェ」の店長として、オーナーむっちと共同経営中。絵本専門士として、店内に置く絵本を選書しています。口癖は「ご縁って大事よね~」。ゆでたまごが好き。お店のTwitter の中の人。

このコラムについて

Mucchi’s Caféの【おとなの絵本教室】

絵本にはいろいろな魅力があります。よく考えてみると怖い話から、ほんとに人生に役立つ良い話まで。忘れた気持ちを思い出さしてくれる、おとなのための絵本を紹介します。

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