【haletto talk report】今日から鎌倉に移ります。~鎌倉に移り住んだ3人の話~ 前編

2017年8月8日、東京・八重洲にあるシェアオフィス「Diagonal Run Tokyo」で「今日から鎌倉に移ります。~鎌倉に移り住んだ3人の話~」と題して、トークイベントを開催しました。

テーマは「鎌倉移住」。鎌倉へ移り住んだ3人のゲストを招いて、東京の都市での暮らし方との違いについて伺いました。なんとなく、鎌倉に住みたいなとか、東京が嫌だなと考えている人にこそ、「住む」とはなにか改めて考えるきっかけになりそうな気がしました。

ゲスト

ゲストの三人

■細井麗子さん(写真左)

愛知県出身の33歳。大学入学をきかっけに東京へ。卒業後は広告・マーケティング界隈の仕事を10年ほど経験。2017年2月、突然勤めていた会社の倒産が後押しとなり、憧れだった鎌倉へ移住&転職。移住後すぐに鎌倉のカレー屋で出会った人と4ヶ月で結婚。

■柴田麻衣さん(写真中央)

仙台市出身。33歳。大学進学を機に両親と上京。新卒~現在に至るまで、ITのマーケティングの仕事に携わる。 3年前に結婚し、家購入を機に逗子に移住。現在プライベートでアロマとハーブについて勉強中。(柴田麻衣さんのInstagramアカウントはこちら

■林彩子さん(写真右)

東京都出身の43歳。短大を卒業後、陶芸の道に進む。 吉祥寺の陶芸教室にて10年講師を務めたのち江ノ電「湘南海岸公園」にてアトリエAtHomeWorksを立ち上げ、独立。 ミュージシャンの夫、整体指導者の義母、3歳の娘と鎌倉材木座にて4人暮らし。(アトリエAt Home WorksのInstagramアカウントはこちら

モデレーター

モデレーターの二人

■「Diagonal Run Tokyo」コミュニティマネージャー 最所あさみさん(写真左)

大手百貨店入社後、ITベンチャーを経て独立。フリーランスとして、ファッション・小売業界を中心にWebメディアの運営やイベント開催を通したコミュニティ支援業務を行う。

■halettoプロデューサー 三宅朝子(写真右)

1986年宮城県生まれ。株式会社CHINTAI入社後に新規事業としてhalettoを立ち上げる。「自分に合った街で暮らすことが、人生を豊かにすること」をビジョンに掲げ、日々奮闘。街歩きとビールが大好き。

「移住をしたきっかけとタイミング」

移住をしたきっかけとタイミング

最所さん:「みなさん本日はご来場ありがとうございます。今回会場となっている、Diagonal Run Tokyoというコワーキングスペースで、コミュニティマネージャーを勤めております、最所と申します。今回はトークイベント自体の司会を担当させていただきます。よろしくおねがいします。

ではさっそくですが、今回主催であるWebマガジン『haletto』の媒体の説明と、今回のイベント開催にあたっての目的を、編集長の三宅さんからお願いします」

イベント開催の目的

三宅:「はじめまして、三宅です。わたしはCHINTAIという会社でhalettoというWebメディアを立ち上げて、もう4年になります。『アラウンドサーティーに贈る、まだ知らないTOKYOの新ガイドブック』というコンセプトで日々記事を配信しています。

4年間いろいろありましたが、変わらず思っていたのは、『自分のライフスタイルに合わせて、住む場所を変えていくというのは、その人の人生をもっと豊かにすることなんじゃないかな』ということです。

東京にはまだまだ知らない街自体がたくさんあると思いますので、halettoは『新しい街との出会い』のきっかけを届けたくて、メディアを運営しています。

今日はWebという世界から抜け出して、トークイベントという形で皆さんと一緒に『自分らしい暮らし方』について考えていけたらと思っています。よろしくお願いします。

ではみなさんも、自己紹介をお願いします」

細井さん:「由比ガ浜にある『株式会社エンジョイワークス(http://enjoystyles.jp)』という不動産とまちづくりの会社に勤めております、細井麗子と申します。最近では、「MEET LOCAL」というプロジェクトを立ち上げて、ローカルの魅力を伝えるような活動もしております」

三宅:「ありがとうございます。続いて柴田麻衣さんです。柴田さんは鎌倉方面、のなかでも逗子にお住まいなんですよね」

柴田さん:「はじめまして、柴田麻衣と申します。わたしは逗子と鎌倉の間のどちらかというと山沿いの方に住んでいます。東京駅近くのIT企業でマーケティングの仕事をしていて、片道1時間45分をかけて出勤しています。

今回登壇されている方々はみなさん鎌倉の方に仕事もお住まいもあるということだったので、東京と行き来する生活などを中心にお話ができればと思っています。
10ヶ月ほどこの生活をしていますが全然苦にならずにできています。今日はその楽しみ方とか、通勤時間を乗り越えられるほどの逗子や葉山の魅力をお伝えできればと」

三宅:「実は今日は麻衣さんがブレンドしてくださった、ハーブティーのプレゼントがみなさんにあるんです(会場配布)」

ハーブティー

柴田さん:「逗子で暮らすようになって、気持ちも心も穏やかになって。いつか、逗子や葉山で仕事をしていくことになったときのために、ITだけじゃない、手に職をなにかつけたいなと思ったんです。で、自然療法にすごく興味をもって、アロマセラピーの資格を取りました。アロマの延長でハーブの勉強もしています。

コンセプトは『女性のためのリラックスティー』。6種類くらいブレンドをしています」

三宅:「続いては鎌倉で陶芸家としてご活躍されております、林彩子さんです。お願いします」

林さん:「はじめまして。わたしは材木座という海があってそこの近くに住んでいます。陶芸のアトリエ At Home Works(http://athome-works.com/)は湘南海岸公園という無人駅が最寄になります。
7年前にアトリエをつくったんですが、古い平屋を改造して、庭に窯を置いています。独立と結婚をきっかけに、鎌倉の方へ来ました。

相手が鎌倉の方だったということと、現在のアトリエである古い古民家物件とのご縁があったことが移住のきっかけですね」

三宅:「今回は唯一お子様がいらっしゃるのが彩子さんなので、子育て関係についてはぜひ彩子さんにいろいろ教えていただけたら良いなぁと思っています。
お三方ともいろんなライフステージで、いろんなお仕事をされているので、ぜひご自身のおかれている環境に照らし合わせて、お話聞いていただければと思います」

「移住」のきっかけは、「何か変わる気がしたから」

移住のきっかけ

最所さん:「さっそく皆さんにお伺いしたいのですが、そもそも『移住をしたい』と思ったきっかけ、というか、『東京を離れようと思ったきっかけ』ってなんだったんですか?」

細井さん:「鎌倉に移住したのは、もともと勤めていた会社の倒産がきっかけでした。10年ほど広告業界に勤めていて、そこそこバリバリ働いていて。お給料も『バリバリ』。港区の青山一丁目に住んでいました。

いざ仕事がなくなってしまう、とわかったとき、東京だと『年収を下げる』っていう選択肢ってないんですよね。住む場所のランクを下げられない、という自分のプライドもあって。となると、また限られた『バリバリ』系の職業から選ぶしかなくなってしまって。でもそれもどうしようかなぁって。

鎌倉のカフェ

鎌倉だったら、家賃も下がるし、年収も下がる。けれど、また別の価値観で生きられるんじゃないかなって思ったんです。それで勢いで鎌倉に移住することになりました。

しかも、東京では婚活玉砕組だったんですけれど(笑)婚活パーティーや出会いの場にも足繁く通いましたが、本当にもう、全部空振りで。でも幸いにも今の旦那様に移住1ヶ月後で出会い、4ヶ月で結婚。移住してから半年ですがお家も買いまして。おなかに赤ちゃんもいる、と(会場拍手)」

最所さん:「人生が激変してる…!」

細井さん:「そうなんです。半年でこんなに詰め込む? みたいな。ドラマ2クール分でこんな展開ある? みたいな。そのくらい激変したんです。でも自分で人生やマインドを変えるぞ、と努力したわけではなくて、やった唯一のことは『移住』なので。そういう人生の変わり方もあるぞ、ということを今日はお伝えに参りました」

「とにかく好きだから」という強い気持ち。

最所さん:「柴田さんはいかがでしょう?」

柴田さん:「考え始めたのは26歳のころですかね。葉山がとにかくめちゃくちゃ大好きで。特に、音羽ノ森ホテルという場所が好きで。ここに足しげく通っていた20代でした。

音羽ノ森ホテルラウンジからの眺め

柴田麻衣さんのInstagramから

ここのラウンジから見える景色が最高なんです。東京都心ではありえない景色と空気感。本当は一人で乗り込もうと思っていたんですが、いい賃貸物件となかなかめぐり合えなくて。
タイミングを逃していたら、結婚が決まって、家を建てよう、と思ったとき、選択肢は葉山だけ、みたいな(笑)」

最所さん:「ご両親の反対などはなかったんですか?」

柴田さん:「最初は両親が現在住む船橋の実家の近くに住もうか、ということも検討したのですが、運よく幼少期にもともと住んでいた仙台の方に親が帰ることになり、千葉方面で考えなくても良くなりまして。もう、『よしっ!』と(笑)。唯一悩んだのはそのときくらいですね」

最所さん:「なるほど。林さんはどうでしょう?」

たまたま選んだ鎌倉、でもそれがよかった

たまたま選んだ鎌倉

林さん:「わたしは決して鎌倉に来たいと思っていたわけではなく、むしろ鎌倉は子供のころ来たきり、ほとんど足を踏み入れていませんでした。主人の実家が鎌倉だったのと、陶芸用の窯を置かなければいけなかったので、家賃の都合もあっていまの場所にしました。物件さえあれば埼玉の方でも、実家の下町の方でもよかったんです。

でも、なんですかね、言葉が正しいかはわかりませんが『鎌倉ブランド』ってやっぱりありますよね(笑)。よくワークショップをアトリエで開いているのですが、そこに来てくださる生徒さんたちからは喜ばれます。

江ノ電から見える風景を見て、そして無人駅で降りて…。なんか、『そこからもうはじまっているぞ、私は今日1日楽しむんだ』っていう空間を演出できているというか。そういうのは結果的にこの場所を選んでよかったと思えますね」

住み慣れた「東京」を離れるという選択について

会場の様子

最所さん:「東京から近いとはいえ、住居を鎌倉の方まで移す、というのは不安がある人って多いのではないかと思います。そういった不安や迷いって何かありましたか?」

細井さん:「むしろ東京に残って家賃を払い続けることのほうが不安でした。鎌倉の方だったら、家賃も一段階落ちますし」

柴田さん:「わたしもですね。尾山台に住んでいたんですが、とにかく家賃が高かった。そこで生活していくことのほうが不安でした。あと、もともとは山も緑もある宮城の育ちなのでそこでずっと暮らしていくイメージがわかなかったんです。

尾山台も決して悪い街ではなくて、素敵な街だったんですけど、できるならそこで長く暮らしても良かったんだけど、葉山は自分が暮らすイメージが湧いたんです。そこに根拠のない確信がありました」

林さん:「わたしも不安はなかったですね。陶芸の独立の方ががむしゃらで、とにかく不安でした。まず窯小屋をなんとかしないと! という。なので場所には自然にすっと入っていけましたね。そのくらいがむしゃらでした」

移住のタイミングは、「暮らしの100点の基準が変わったとき」

移住のタイミング

最所さん:「突然ですが、今の鎌倉暮らしに対して、皆さんは100点満点中何点つけますか?」

細井さん:「わたしは100点! …といいたいんだけど、95点。今初めて鎌倉の夏を体験していて。海水浴客の方々などでごったがえすんですよね。それがマイナス5点、かな」

最所さん:「そうですよね、江ノ電も休日はとても混むイメージです…。柴田さんはどうでしょう?」

柴田さん:「わたしは100点満点中、200万点をつけたいですね。超満足しています」

最所さん:「おお~!その理由は?」

柴田さん:「言葉では言い表せないんだけど、最近すごいよかったな、と思ったのが、バス停で朝、バスを待っているとき、こう、太陽と緑と風があって。あ、風が違うなって思った瞬間があって。
東京ではそんなことを感じたことはなかったんです。それに気付いたときに、『あ、ここのエリアってやっぱりすごいいいな』って思ったんですよね、強く思った。こんな些細なことで幸せだと思えるくらい」

林さん:「今日皆さんと事前の打ち合わせをしていて、その場ではお互いの点数は内緒にしていようね、って言っていて。蓋をあけたら40点だったらどうします? って言っていたんですけど良かったですね(笑)

わたしは100点満点ですね。山があって、海があって、文化がある。子育てをする上で、そういうところはとてもいいです。サイズ感も含めてすごくいいところだし、なにより気軽に『海に行こうよ』っていえるところとか。

あと、高さ制限があるから空が広いんですよね。それも気持ちがいいなぁとおもいます」

 

葉山のパンフ

 

最所さん:「ちなみにみなさん、東京は何点だったんですか?」

細井さん:「東京は東京で楽しかったですよね。美味しいレストランもいっぱいあるし、イベントもたくさんあって、テレビで見たところにすぐ行ける、みたいな。自分がピークのときはやっぱり東京の生活も100点でしたし。でも移住しようかな、とおもっていたときは70点くらいまで落ちていたかな」

最所さん:「自分の100点の基準が変わったときに、移住って考えるんですかね」

細井さん:「わ、いいまとめかたですね。そうかもしれない!」

柴田さん:「わたしも同じです。ただ単純に、基準ががらっと変わったんだと思います。東京は東京ですごい楽しかった」

林さん:「わたしもそうですね。ただストレスの増減っていう意味では激変ですね。もしストレスを目に見えるように計れるんだとしたら、すごく下がっていると思います。東京で電車に乗ると、たまに舌打ちとか聞くことがあったけれど、それもあまり聞かなくなりましたしね(笑)」


いま住んでいる場所の不満や、転勤、やむを得ずに暮らす場所を変える人は多いですが、ここで話した3人のゲストは、様々な経験を経て、「住む」ことへの考え方の違いも出てきたということです。

後編は、3人のリアルな「鎌倉への移住」についてお伝えします。

後編はこちら

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編集長・プロデューサー

仙台生まれ。好奇心旺盛。週末、街歩きしながら外でビールを飲むことに至福を感じる。好きな街の種類はこじんまりした居酒屋がある場所。口癖は「なんとかなるさー」。最近、山ごはんに興味津々、みんなの親分。