【scene 01 ― 東京真夏のミステリー】本を捨てて街にでよう 街の痕跡を探す ― グラフィティ篇

歩道橋の柱、路地の壁、道端のサイン裏。よく見るとたまに描かれている街中に潜む手書きの「絵」、これは俗に言う「グラフィティ」。意識をしなければ、目にとまることはさほどなく、街と一体となって、風景に溶け込んでいます。

普段は全く気にすることもない落書きですが、あえて意識して街を歩いてみると案外面白い発見があります。誰かが勝手に描いた落書きですが、落書きにも地域差があります。もちろん落書きはダメですが、落書きがない街も、何かにすべて規制されているようで気持ちが悪いものです。

ペトコ・パーク(PETCO Park)カリフォルニア州サンディエゴにある野球場。

わたしがグラフィティに対して興味を持ち始めたのは、小学校2年の途中から中学校3年まで、アメリカの西海岸に滞在していた頃。当時住んでいたのは、チュラビスタという街でメキシコの国境から車で30分ほどの距離にあり、地域の特徴上、ヒスパニック系移民が多い街でした。

近所の公園のバスケットボールコート、ダウンタウン大通りの壁、バスストップの椅子。チュラビスタには、グラフィティが溢れています。そんなグラフィティがまさに原風景でした。

地域の特徴上、スペイン語で書かれた筆記体やカラフルではっきりとした色合い特徴の絵。

なかでも有名なのが、Chicano Parkのストリートアート。自分が住んでいたチュラビスタからは、ダウンタウンサンディエゴ方面にインターステイト(ハイウェイ)5に乗って10分ほどの場所にある公園です。公園全体に80個以上のアートワークが描かれてていて、今でもその数は増え続けています。サンディエゴにはそんなストリートアートがある場所が他にも何箇所かあるのです。

たとえば、ベルチングビーバーブリュワリー付近にある建物の壁、ダウンタウン・サンディエゴにある建物の壁、ユニバーシティ・アベニューにある建物の壁など。

グラフィティが描かれた壁には、観光客でにぎわい、地元の人の休憩場所になっていたり、人が集まってコミュニケーションが生まれたり、コミュニティが構築されたり、アートが人をつなぐそんな実体験の現場でした。それはまさに、グラフィティを通して、その街の物語や特徴が見えてくる気がしました。

そしていまは東京。ふと見渡してみれば、実は東京の街中に、子どもの頃見かけた風景があります。決して治安がいいとは言えない、グラフィティはある意味で街のバロメーターにもなるけれど、反面、若者たちの抑えきれない、熱の痕跡だったりすると思うんです。

よく見てみれば、消えかけているものがあれば、つい最近描かれたようなものも。絵の上に絵を重ねて、何枚ものシールを貼り合わせて、そこに自分がいたんだ、と示そうとする。この街には、いろんな顔があります。

街が密集しているせいか、似たようなテイストの絵が中目黒、渋谷、原宿と点々と存在しています。英語で書かれた文字が多い、意味はないような気もします。

街中にあるグラフィティ、時にはアート、時には落書き。足を止めて、街中の物語を探してみました。

※落書きは犯罪です。決して落書きを推奨するものではありません。

JR原宿駅付近

代々木公園ストリートペインティング

裏原宿付近

裏原宿付近

裏原宿付近

裏原宿付近

裏原宿付近

裏原宿付近

裏原宿付近

裏原宿付近

裏原宿付近

夜の表参道

夜の表参道

夜の表参道

 

企画営業・編集

横浜生まれ、アメリカ西海岸育ち。西東京と東東京に住んだ今、逗子・鎌倉エリアに移住を検討中。晴れた日は、ピストバイクで都内をクルージング。趣味はロボットダンス。

この特集について

東京真夏のミステリー

なんで、こんな駅名なんだろう、ここは綺麗だけどさっぱりしすぎな場所だなぁ、なんて、ふと感じる瞬間があります。大した疑問でもありませんが、まさに謎。 古い街には歴史がある、京都や金沢だけではありません。そんなあたりまえのことは、自分が普段見ているこの街にも、あるのです。子どもたちが遊ぶ公園も、無機質なコンクリートの街にも。 謎には歴史=storyが潜んでいます。日常に潜むstoryを探して、街へ出かけました。グラフィティ、駅の名前、野鳥、アンモナイト… ちょっとした謎を探検する、夏がはじまります。