色んな物が色んな事で色んな風に 「中野ブロードウェイ」

「オタクが集うビル」、「サブカルの聖地」…そんな印象の「中野ブロードウェイ」。調べてみると、元は銀座の高級デパートと競うような「高級ファッションビル」だったそうです。名前はなんとなく聞いたことあるけど、行ったことのなかった「中野ブロードウェイ」へ向かいました。

とある平日の午前11時30分、新宿駅からJR中央線快速電車での中野駅に到着。北口改札の目の前からまっすぐに伸びる商店街「中野サンモール」を200メートルほど歩くと突き当たりに中野ブロードウェイの入口が見えてきます。

1階と地下1階フロアをぐるりと歩いてみましたが、全くと言っていいほどサブカル感はなく、食料品や生活用品の店舗をそろえている様子。朝7時から終電近くの夜0時まで入り口のシャッターが開いており、生活用通路としても利用されているそうです。

いたって普通の商業施設という雰囲気に「むむ、おかしいぞ…サブカルの聖地ってここのことだよね」と若干不安になりながら2階へ。…そこで油断した私を待っていたのは濃厚なサブカルたちでした。

アニメ、ゲームのキャラクターのフィギュアや電車の模型、カードゲームが各店舗のショーウィンドーにずらりと並んでいます。おおぉ、内心ドキドキしていましたが、冷静を装って2、3、4階をぐるぐる見て回ります。

8頭身以上ありそうなアニメキャラクターの精巧なフィギュアや、ぬいぐるみ、昭和レトロなヴィンテージトイたちが「こっちを見て!」と言わんばかりに、私に視線を送ってきます。

アニメやゲーム関係だけでなく、昔の映画の台本やポスターを取り扱う店、鉄道模型店、ジグソーパズル店などもあり、好みにカスタム出来るドールが並ぶお店では店頭にクリクリの目玉パーツがずらりと並んでいました。

中野ブロードウェイには漫画やアニメ、ゲームの関連グッズを取り揃える「まんだらけ」が計28の店舗に分かれていて、ゲーム、漫画、カード、コスプレ、プラモデルなどジャンルごとに分かれて営業しています。

興味を惹かれた「まんだらけ 変や」に行ってみることにしました。4階にある赤い鳥居が目印です。幾重にも重なる鳥居を潜るとそこはもう異空間。昭和レトロなヴィンテージトイや企業のノベルティ、看板などがところ狭しと並んでいます。ここで、2〜3万点の品揃えというから驚き。

大きな唇が特徴的な白いお化けや、眠そうな目と大きな耳がチャームポイントのネズミの男の子のフィギュアなど、小学生の頃よく見た懐かしいアニメキャラクターの姿がたくさんあって、まるで小さな美術館のよう。「懐かしい、このアニメよく見てたな」と当時の記憶が蘇ります。

店内で一番高額のものは何か店員さんに聞いてみると、鳥居のそばに置かれていた2メートルは優に超える大きな超人ロボット「超人バロム1」とのこと。お値段も85万円と超人級。元はガチャガチャマシンで、彼の右膝小僧の上から商品が出てきていたそうです。

小さいものだと1,000円台から購入できるものもあり、懐かしさと昭和レトロな風合いが素敵に見えてきて、ついつい手が伸びそうになりましたが、一つ購入すると他のものも集めたくなりそうなのでこの日は我慢。自分の中に眠るコレクター精神がビンビン刺激されました。

3階に降りて、ふらりと歩いていると大きな紙袋を両手に持ったご婦人を発見。後をついて行ってみると「変や」に負けず劣らずのカオス感を醸し出しているお店にたどり着きました。骨董品を取り扱うお店「アンティーク」です。

ここは和洋折衷の様々なアンティーク品をブースごとに貸し出しをしているレンタルショーケースのお店。中野ブロードウェイにはこんなお店も多く、あちこちで大荷物を持ってお店に入っていくブースオーナーさんの姿を見かけます。

先ほどのご婦人はというと、店長さんと軽く挨拶を交わした後、自分のブースにディスプレイする骨董品を紙袋からごそごそと出しては、アンティーク談義に花を咲かせています。店内を見ていると店長の田島悟さんが「わからないことがあったら、聞いてね」と声をかけてくれました。

昔のオリンピック関連グッズで統一されたブースや、アンテイークの時計、カメラ、陶器のブース、昭和レトロなアニメの塗り絵や絵本などが集められたブースなど、ここでもまた「懐かしい」と眺めてしまいます。

私が一人タイムトリップしている最中にも、ブースのオーナーさんが代わる代わる来ては「これ見て、これはレア物なんだよ」と持ち込んだヴィンテージトイの素晴らしさを店長さんに熱く語る人の姿が。

田島さんも骨董品好き。オーナーさん達と骨董品話をするのが楽しいと言います。同じ趣味だからこそ理解し合えると、ディープな話で終始盛り上がっていました。

2階では、雑誌を中心にした古本屋さんの前で足が止まりました。フィギュアにおもちゃに骨董品にと、すでにお腹いっぱいの状態の今、自分の好きなジャンルを取り揃えている古本屋さんはちょうど良い消化剤。

店内のほとんどが日本の雑誌や書籍にもかかわらず、見ていると、意外にも足を止めるのは外国人でした。「日本の古い雑誌って海外の方にも人気なんですか」とレジにいた女性に聞くと「2階以上のフロアは外国人客がかなり多いんですよ、雑誌だから写真を見ているだけでも楽しいんじゃないかな」と話してくれました。

古本屋「Books ロンド社」を営むのは中井晶子さんと永田さとみさん。元々は神保町にお店を構えていたそうですが11年前にここ中野ブロードウェイに移転したそうです。

中井さん:「ここまでディープな場所だと思ってなかったんですけどね(笑)」
永田さん:「でもここにはたくさんのジャンルの『本』があるでしょ。そういう意味ではうちみたいな店があってもいいんじゃないかと思って」

そう言って笑う二人は、大好きな古本に囲まれてマイペースに営業していると話してくれました。

二人にお礼を言って本屋を後にします。歩き疲れた、というか目が疲れてきました。本当にさまざまなジャンルの展示を美術館気分で見ているよう。どこかで休憩しようと、お店を探して歩いていると、素敵なカフェに目を奪われました。

お客さんの多くが外国人で、この店内だけ六本木のような雰囲気です。気になるのは「なぜ中野ブロードウェイに出店したのか」。注文もそこそこに「Bar Zingaro」のバリスタ、中根里紗子さんに話を聞いてみることにしました。

中根さん:「ここは現代芸術家・村上隆がプロデュースしたカフェ・バーです。中野ブロードウェイの中にあるカイカイキキが運営するジャンルの違ったギャラリー4店舗を繋げるお客様のコミュニケーションの場として、またレセプションやイベントスペースとして2013年にオープンしました」

昭和の雰囲気を残しつつ、サブカルも混じってカオスな中野ブロードウェイ。老若男女、人種に問わず愛されるこの場所に根を下ろしたそうです。

知れば知るほど興味深い、中野ブロードウェイ。同じ建物にありながら、各フロア、各店舗で全く違った個性と色を持っています。

楽しいじゃん、中野ブロードウェイ。この興奮をどこかで発散したかった私。最後に向かったのはあちこちで見かけたガチャガチャブース。いくつか回して気持ちをクールダウンさせました。家には、食品サンプルストラップ。中野ブロードウェイを満喫した思い出は、私とこのカプセルトイたちだけが知っています。

 

中野ブロードウェイ

住所:東京都中野区中野5-52-15
アクセス:JR中野駅北口より徒歩5分
http://www.nbw.jp/#!

まんだらけ 変や

所在地:中野ブロードウェイ 4F
TEL:03-3228-0007(代表)
営業時間:12:00-20:00
http://mandarake.co.jp/shop/nkn/

アンティーク

所在地:中野ブロードウェイ 2F
TEL:03-3387-3107
営業時間:11:00-19:00
定休日:水曜日

Books ロンド社

所在地:中野ブロードウェイ 2F
TEL:03-3387-3107
営業時間:11:00-19:00
定休日:水曜日

Bar Zingaro

所在地:中野ブロードウェイ2F
営業時間:11:00-21:00
定休日:不定休
http://bar-zingaro.jp/

編集・ライター

茨城県生まれ。旅行、スイーツ、下町大好き。きっちり計画立てるより、無計画でのサバイバル感に惹かれます。日焼けしやすく戻りにくい。最近始めたランニングによるくつ下焼けがほんのり自慢。

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