味噌・甘酒作りワークショップを行いました! ― 馬喰町【IRORI Nihonbashi Hostel and Kitchen】

4月16日、日曜日。halettoユーザーさんと味噌と甘酒を作るワークショップを行いました。

会場は、馬喰町にあるホステル「IRORI Nihonbashi Hostel and Kitchen」。
馬喰町駅から徒歩3分。スカイツリーを横目に問屋街を北へ進むと、ガラス張りの建物が現れます。「IRORI」と大きく英語で書かれた暖簾をくぐると、外国人旅行客が囲炉裏を囲んで、楽しそうに会話をしながら食事をしています。

私はずっと日本に住んでいるけれど、囲炉裏に触れる機会はないし、囲炉裏というものがあることすら忘れていました。それなのに、外国人は日本に囲炉裏があることが当たり前のように、くつろいでいます。東京の真ん中で、この囲炉裏のある素敵な場所で、何かをしたい!その気持ちがずっと心に残っていました。

時は遡って2月、発酵の街・沼垂を訪れた編集長の三宅が、「30代になったし、自分の人生を醸すことを考えながら、発酵食品を作りたい!」。その一言を聞いた時、囲炉裏のことをふと思い出しました。囲炉裏をかこんで味噌や甘酒を作ったら、もっと心に残る体験になるんじゃないかな、と。

こうして、「味噌と甘酒作りのワークショップ」が始動しました。

ご縁がご縁を呼び、講師は福井県で創業100年を誇る味噌蔵「マルカワみそ」の河崎紘一郎さんが来てくださることに。ハチマキとくしゃっとした笑顔がトレードマークのお味噌を愛するお兄さんです。

福井県にあるマルカワみそ

ワークショップ当日、「発酵づくしの1日にしよう」とhaletto編集部はちょっと早めに集まり、あるものを仕込みます。それは、マルカワみその味噌を使った、具沢山の豚汁。大きな鍋を二つ使って料理が得意な編集部の折戸がテキパキと作り上げます。

そして、手作りのきりたんぽと茄子も用意。こちらは秋田の大学に通っていた三宅が担当。炊きたてのお米を潰して、割り箸に巻き付けていきます。茄子は縦に4つに切って竹串に刺し、スタンバイ。こちらはワークショップの後、囲炉裏で焼き、味噌をたっぷり塗っていただきます。

会場が豚汁の香りで包まれた頃、15人のユーザーさんが会場に到着しました。エプロンをつけ、ワークショップのはじまりです。

まずは三宅よりご挨拶。沼垂で出会った街や場所、そして発酵食品について話します。沼垂という初めて聞く場所の名前に、皆さん食い入るようにスライドを見つめます。

三宅:「発酵って自分の人生にも似ているな、と感じました。今日作っても出来上がるのはまだまだ先。時間はかかるけど発酵を重ねて深みが増していく。そんな風に、味噌ができるまでの間、自分自身も発酵させ、味噌が出来上がるときには自分自身も成長できていたらいいな、と思いこの企画をスタートしました」

三宅が沼垂へ訪れた際、特に驚いたのが「できたての甘酒のおいしさ」。この体験をユーザーの皆さんにも共有したく、河崎さんに前日から甘酒を仕込んできていただきました。

できたばかりの甘酒は、甘すぎずお米を噛み締めているような自然な甘さがあります。米のつぶつぶが残っており、飲んでいて楽しい食感。甘酒がお米から出来ていることを実感できる味わいでした。

河崎さん:「実は、幼いころはずっと味噌屋の息子であることがとても嫌でした。進路について悩んでいた時、父からこう言われたんです。「食」という言葉は「人に良いもの」という意味なんだよ、と。「食」ということを初めて考えた時でした。人に良いことをしたい、この話をきっかけに家業を継ぐことを決心しました。」

いよいよ甘酒作りと味噌作りのスタートです。

まずは甘酒作り。
甘酒の材料は「米麹」と「お湯」のみ。事前に持ってきていた保温ボトルに米麹を入れ、80度のお湯を注ぎます。蓋をしっかりと閉め、8時間ほど保温すると発酵が進み、甘酒の完成です。イベント当日の夜には先ほど飲んだような出来たての甘酒が出来上がります。こんなに作り方が簡単なのは皆さん驚きでした。短い時間で簡単に出来上がるので、米麹を買って夜寝る前に仕込めば、翌朝の朝ご飯としてもおすすめです。

大小色とりどりの様々なマイボトルがカウンターに並ぶ姿はなんだか愛らしい。

続いて味噌作り。
味噌の原料はたった3つ。「大豆」と「米」と「塩」のみ。シンプルな材料を使用し、無農薬・有機栽培の味噌を作るのは、マルカワ味噌のこだわりです。まずは大きなボウルに生の米麹と塩を入れ、馴染むまで手で混ぜます。袋を開けた途端、甘くて香ばしい香りが漂います。

次に、茹でた大豆を潰す作業。こちらは、とっても力がいるので一苦労です。今回は1キログラムの味噌を仕込むのですが、1キログラムでも根気が必要。袋の上から拳や手のひらを使って潰したあとは、残った粒を指で潰していきます。椅子の上で豪快に潰したり、細かくなるまで念入りに潰したりと、このあたりからだんだんと性格が出てきます。

大きな粒がなくなってきたところで、先ほどのボウルの中に潰した大豆を入れ混ぜ合わせます。大豆の香りと生麹の香りが混ざり、味噌蔵ってこんな香りなのかな、と想像が膨らみます。

念入りに潰したつもりでも、まだまだ粒が残っておりここから更に潰す作業がはじまります。このあたりからは、皆さん無口になりとにかく真剣。無心で大豆をぷちぷちと潰しては、混ぜるという作業を繰り返していきます。

全体がなめらかになってきたら、保存容器に詰める作業にうつります。ただ容器に移すのかと思いきや、河崎さんは、お団子を作りましょう、と丸めていきます。そして、突然、丸めた味噌を突然バーッンと容器に打ち付けました。

これは容器に詰める際に、「空気を抜くため」だそう。半年もの間、寝かせていると空気に触れている部分にはカビが生えてきてしまいます。それを防ぐために、お団子にして空気を抜き、容器に打ち付けさらに空気を抜きます。なんだか、ハンバーグのタネを作っているような気分です。

すべての味噌を詰め終わったら、表面を平らに撫で、最後にラップをして空気が入らないように中蓋を乗せます。これで「マイ味噌」の仕込みは完了です。家に持ち帰った後は直射日光を避け、作った味噌の半分くらい(今回は0.5キログラム)の重しを乗せて半年間保管します。

ここからは軽食の時間。先ほど作業していた机の中央にある蓋を開けると、囲炉裏が登場。熱々の炭を置いて、その上に網を敷き、きりたんぽと茄子を乗せます。時折、水遁の術のように竹筒で火加減を調節しながら、じわりじわりと焼いていきます。

haletto編集部のメンバーも囲炉裏は初体験だったのですが、どちらの机にも鍋奉行ならぬ囲炉裏奉行がいてくれて頼もしい。ちょっとおこげを作りながらも香ばしく焼き上げてくれました。

「いただきます!」

これでもか、とたっぷりときりたんぽに味噌を塗ってかぶりつきます。しっかりとした味の濃さとクセのない滑らかさが本当に美味しい。皆さん、生でたっぷりつけて食べたり、そのまま舐めたりして味わっています。具沢山の豚汁も、野菜の出汁が出て今度は違った味噌の甘さが引き立ちます。

河崎さんが突然、サンタクロースの話を始めました。

河崎さん:「こんなお話を知っていますか。昔、バージニアちゃんという8才の女の子がニューヨークの新聞社宛に一通の手紙を送りました。わたしの友達にはサンタクロースなんていない、と言っている子がいます。お願いですから本当のことを教えてください。サンタクロースはいるの、と」

河崎さんは続けます。

河崎さん:「そしてある新聞記者が少女の問いに答えました。」

河崎さん:「バージニアちゃん、あなたの友だちは間違っています。なんでも疑ってかかる、疑りやさんになってしまっているのです。そういう人たちは自分の目に見えるものしか信じません。目に見えるものしか存在しないのなら、あなたに愛や思いやりは存在しないのでしょうか。愛や思いやりが存在しなければこの世はどんなに寂しいことでしょう。この世でもっとも確かな存在は、子供や大人の目に見えるものではないのです」

河崎さん:「なんて素敵な答えなんだろう。この話を聞いた時に、発酵にも同じことを言えるのではないかと思いました。発酵していくことは目には見えないけど、人に良いものであることだと信じています。発酵も、サンタクロースも、目には見えないけれど、きっと私たちを幸せにしてくれるものだと思うんです。」

実はこれ、「サンタクロースっているんでしょうか?」(作:ニューヨーク・サン新聞【社説】、絵:東逸子、訳:中村妙子、出版:偕成社)という絵本のお話なんです。なんだか、大人になってから絵本を読み聞かせしてもらったような感覚でした。ほっこりとした気持ちと、温かい甘酒、まだ色づく前の味噌を抱きしめて、会場を後にしました。

IRORI Nihonbashi Hostel and Kitchen

東京都中央区日本橋横山町5-13

JR総武線馬喰町駅/都営浅草線東日本橋駅/都営新宿線馬喰横山駅 徒歩3分

TEL 03-6661-0351

http://irorihostel.com/

編集/ライター

鳥取県生まれ、横浜育ち。暇さえあれば、旅行へ行きたい。おなかが空いたら、お肉で胃を満たしたい。好きなことは、ドライブ、牧場、カフェ、目覚ましをかけずに寝ること。

この記事が気に入ったらhalettoにいいね!
記事やイベントの最新情報を受けとろう

うわさの特集

友だちのはなし

おすすめ記事