【scene 09-旅する東京ライフ】昼間から、レモンハイで天国気分♪ 亀有「江戸っ子」

両国から電車で移動して、亀有で下車します。亀有といえば「こち亀」の舞台として有名な場所だけど、この駅で降りるのは今回が初めて。改札を出ると、駅前には両さんの銅像が出迎えてくれました。

さすがは亀有だなと感動しながら両さん像に挨拶をすませ、一緒に写真を撮ったりしてみる。どこからどう見ても観光客まるだしだけど、そんなことを気にしていたら一人旅なんて満喫できません。

亀有で降りたのは両さんに会いたかったから、というだけではないんです。
実は以前から気になっていたお店があるのです。駅からブラブラ歩いていくと、レンガ調の外壁で、3階建の建物が目に飛び込んできました。

亀有の関所といわれているもつ焼き屋「江戸っ子」がお目当てのお店です。
16時20分開店だと聞いていたので、余裕を持ってその5分前くらいにお店の前に到着。……したのですが、すでにお店の前にはお客さんの列が。

慌てて、最後尾に並びます。大丈夫かな、入れなかったらどうしよう、なんて心配になって来ました。店先にかかっている藍色の暖簾に妙にテンションが上がってきます。まるで吞兵衛を誘うようなたたずまい。すごくいい感じ。

外の暖簾のところでも飲むことができるようだったので、そこで飲むのもいいなと考えていると、シャッターが開いてお店がオープンしました。並んでいたお客さんは吸い込まれるように店内へと入って行きます。

お店に入ると「いらっしゃい!」という威勢よい声がむかえてくれました。
お店の作りだが、1Fは平行に作られた2列のカウンター席で、入口は2つあって、右から入ると椅子席、左側が立ち飲みカウンターになっています。中央は厨房スペースになっているので、立ち飲みスペースと座りのみスペースは繋がっていません。一度外に出て入り直して行き来する形なんです。

江戸っ子には2階席もあります。左手の立ち飲みスペース奥の階段で2階に上がると、こちらは横に長いのL字カウンターが広がっています。椅子有りなので座って飲めるスペースになっていました。

私は左手の立ち飲みスペースにお邪魔してみました。江戸っ子は週刊誌で東京で1番と言われた特製ハイボールという、焼酎ハイボールが名物です。席に着いたお客さんはみんな「まずはボールね」と口をそろえて言っています。それにならって、まずは特製ハイボールを注文しました。

うっすらと黄色くて、オリジナルの秘密のエキス(シロップ?)を足しているのだけど、氷が入っていないのがこのお店の特徴。氷が無くても冷えてるのが江戸っ子のハイボールなんですね。炭酸が強く効いていて、焼酎もしっかり効いています。

1/4にカットされたレモンスライスがひとかけら浮いているのだが、おかわりするたびにこのレモンをひと切れ追加してくれて、レモンの数でお会計するというもののようです。気になったので「これ、もしレモン食べちゃったらどうするんですか?」と聞いてみると、店員さんは「基本はレモンですけど、だいたい覚えてますからわかりますよ」と教えてくれました。

お店に入った時は立ち飲みスペースは余裕があるように思ったけど、すぐにお店の外まで立ち飲みのお客さんでいっぱいに。江戸っ子の客層は年代を問わず、圧倒的に男性客が多いようです。ご近所の常連さんがほとんどのようで、いつものお気に入りを頼んでサクっと飲んでいくような気軽な雰囲気。

店主の山岸公雄さんによると「オープン直後に一度ピークが有り、18時頃から本格的なピークが来る」とのこと。1人のお客さんの滞在時間は30分ほどで、周りのお客さんとの話が盛り上がれば1時間いる人もいるとか。そのため回転も早く、どんどんお客さんが入れ替わって行きます。

厨房では注文にあわせてもつ焼きが次々に焼かれていました。モツ焼きは、全て1本90円。1皿4本と決められていて、2種の部位を2本ずつの4本でも注文できます。もつ焼きは定番甘タレ、朝鮮風ミソタレ、ニンニク味辛タレ、さっぱりとした塩焼きから好きな味を選べるんです。

初めてのお客さんは、ハイボールと「みつくろい」を頼むと間違いないよと山岸さんの言葉に従って、おまかせの「みつくろい」を甘タレで注文してみました。焼き場では山岸さんの息子・淳平さんが、もつ焼きを手際よく焼いていました。

「今は息子に店を任せたので、あっちが店長です」と嬉しそうに笑う山岸さん。もつ焼きと一緒に定番の「煮込み」もお願いしてみました。煮込みは優しい味噌仕立てで、プルプルになるまで柔らかく煮込まれたモツが何種類かと、お豆腐が一緒に煮込んであります。その上にはネギたっぷりふりかけてあって、これがまたハイボールが進むお味でした。

16時20分という開店時間について、中途半端な20分というのはどうしてなのかを聞いてみると「もともとは16時30分からだったんだけど、準備が終わって早めにお店を開けちゃうと、16時30分に来てくれたお客さんが座れなくなっちゃってね」と山岸さん。

早めにお店を開けるのが20分くらいで、その時間にはお店が開くのを待っているお客さんが並んでいるため、本来の開店時間の30分に合わせてお客さんが来る頃にはお店は満席、ということが度々あったのだとか。それが申し訳ないので16時20分へと前倒しにしたのだということです。16時20分開店という時間には、お客さんへの気遣いが込められていました。

「江戸っ子」の創業は昭和41年。お店を出すのにこの場所を選んだのは、何か理由があるのかとたずねてみると、昔はこのあたりに三共亀有工場や日立製作所亀有工場など、従業員が1万人を超える工場が2つもあったからということです。

甘タレのもつ焼きは、種類の違う焼きが4本。その中でもレバーがびっくりするくらい美味しくて、思わずうなってしまいました。トロッとした食感で、臭みが全くなくて、甘味もあり、いくらでも食べれそうなお味です。

リーズナブルで、美味しいモツ焼きをいただく幸せをかみしめます。食欲に拍車をかけるのが名物のハイボール。これは癖になりそう。近所に会ったら通う。間違いなく週に何度も来てしまうと思いました。

いつも常連さんでいっぱい。長居は不作法というものですね。

昔ながらのモツ焼き酒場の活気を満喫して、大満足。また近くまで来たら寄ろうと心に決めました。どうもご馳走様でした。そろそろ、この旅も終わりに近づいてきました。ほろ酔い気分の中、ふと考えます。朝、「ペリカン」で買ったパンに塗る、なにか美味しいものないかな?

江戸っ子

東京都葛飾区亀有5-32-1
TEL 03-3605-0619
営業時間・定休日 16:20-20:30・土/日/祝

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この特集について

旅する東京ライフ

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