【scene 04-旅する東京ライフ】下町で観覧車からの最高のお昼寝 都電荒川線-あらかわ遊園-荒川の土手

西葛西で本場インドのカレーを味わい、浅草を抜けて三ノ輪へ。都電荒川線に乗るためです。三ノ輪は古い商店街がそのままの姿で残っています。都電に乗る前に付近を散策しました。三ノ輪橋商店街はコンパクトですがとても賑わっています。左右にならんだお総菜屋さんや雑貨屋さんに興味を引かれながら歩きながら進むと、途中に見つけたのが珈琲店「ぱぱ・のえる」です。店先に並ぶ「三ノ輪橋都電ブレンド」が気になりお店に入ってみました。

そこには、コーヒー豆がズラリと並んでいます。奥にカウンター席も。
「ぱぱ・のえる」の名物「都電ブレンド」を注文して、店長の京極声健さんにこの商店街について聞いてみました。

京極さん「このあたりは戦災にあっていない、昔の街並みが残っている場所なんです」

「ぱぱ・のえる」は台湾や香港のメディアでも紹介されたため、アジア圏のお客さんも多いとのこと。京極さんはこの日もお店を訪れた台湾からの女子二人組に、流暢な英語で話します。店内は、コーヒー豆を焙煎する機械が、カウンターの内側でコーヒー豆に熱を加えていい香りが充満しています。1984年に鶯谷で卸のみで始めた京極さんですが、1989年に今の場所に移転して、それ以来ここでコーヒー豆を焼き続けています。

「ぱぱ・のえる」という店名は、もともとコーヒー豆を店舗へ届けていたところから、届ける=デリバリー=それは、サンタクロース!という連想からで、サンタクロースのスペイン語版の「ぱぱ・のえる」になったそう。「海外のお客さんで、たまにノエルさんていう人がきたりするんです」と京極さんは笑います。

実はここ、都電荒川線のフリー乗車券が買えます。

京極さん「きっかけは三ノ輪駅の券売所が閉まることになり、それまで民間で販売するという前例がなかったが、それならばとボランティアとして申し出ました」

いまも、荒川線の車内でも一日券を購入することは可能ですが、紙製のカードで自分で乗車日のスクラッチを削るタイプの乗車券は、ここ「ぱぱ・のえる」でしか販売していません。どこかノスタルジックな紙製の乗車券はわざわざ電話で在庫を確認して買いに来るお客さんも多いのだとか。

さっそく私もこの一日券を購入して、都電荒川線に乗ってみることにしました。
京極さんに「一日券を持っていると、あらかわ遊園の入場料が無料になるよ」という情報も教えて貰い、車窓から一体どんな景色が見れるのかな、とわくわくします。

「ぱぱ・のえる」さんにお礼を言って、商店街をブラブラしながら駅に向かいます。因みに、三ノ輪橋都電ブレンドはクラシックな風味で、苦みの中にほどよい甘さも感じられる1杯でした。

商店街には、お惣菜屋さん始め、美味しそうな品々が所狭しと並べられ、どれもお手頃な値段のものばかり。この近所に住んでたら自炊なんかしなくても、毎日商店街で済ませられそうです。途中、昔ながらの美味しそうなパン屋さんを見つけてここにも寄り道してみます。ガラスケースに並ぶ、あんドーナツを見つけて迷わずそれを選びます。

いよいよ停留場です。スクラッチで今日の日付を削った1日乗車券を見せて電車に乗車します。都電荒川線は前扉から乗車して、後ろ扉から降りる仕組みです。ガタンゴトン、と響く振動がどこか懐かしい感じがします。車窓を眺めながら、景色が良さそうな区立あらかわ遊園を目指します。名前は知っていたけれど、区立あらかわ遊園に行くのは初めてです。なんだかワクワクします。

荒川遊園地前停留場を降りて、歩いて3分ほどで区立あらかわ遊園に到着。入口ではお姉さんが笑顔で出迎えてくれます。「ぱぱ・のえる」さんの情報どおり、都電荒川線の1日乗車券を見せると入場料が無料でした。ゲートをくぐって中に入ると、まず目に飛び込んでくるのは観覧車です。それほど広くはない敷地内ですが、乗り物の他にもカピバラや猿や牛などがいる動物エリアや、釣りぼりなどもあり、混雑する大型テーマパークよりも気軽でゆっくりと過ごせそうです。

そういえばどれくらい観覧車に乗っていないだろう、なんて思い、乗り物チケットを購入して観覧車に乗ります。4人乗りだという観覧車の乗りカゴに乗り込んで、外を眺めます。園内の景色がぐんぐん下に遠ざかっていき、気がつけばてっぺんです。すぐ横を流れる荒川に目をやると、その向こう側にも土手があることに気がついた。なんだか気持ちよさそうな土手で、のんびりできそうな気がします。よし、次はあそこを目指してみよう!

観覧車を降り、あらかわ遊園を出て先ほど見つけた土手の方向へ歩いていると、店先でおいしそうなおでんを煮込んでいるお店を発見。看板には「大阪屋」の文字。聞くと、昭和11年創業という老舗です。煮込んでいるおでん以外にも、調理前のおでん種を買うことができるそうです。せっかくなので、おでんを買っていくことにしました。

「鶏だしと醤油以外に何も入れなくても、あとはおでんの具から出汁が出るんだよ」と大阪屋のおじさんが教えてくれました。イタリアあげという具がオリジナルということだったけど、残念ながらこの日は売り切れ。

我慢できずにその場で買ったおでんの味見をしてみると、煮込んでいるだし汁は濃い目に見えるのに、薄味ですっきりとした味わい。これはビールが欲しくなります。大阪屋さんに別れを告げて、土手へと向かって歩くことにしました。片手におでん、もちろん途中のコンビニでビールを買うのも忘れてはいけません。

しばらく歩くと、土手へと上がる階段を見つけ、横断歩道をわたると、一面に広がる河川敷。吹き抜けていく風はまだ少し冷たいけど、それがまた気持ちいい。足元が草でふかふかです。私はこんなこともあろうかと鞄に忍ばせていたレジャーシートを取り出すと、土手の草の上に広げます。

横になって見ると、視界は一面の空。自分がどこにいるかを忘れそうになります。

ピーピーと鳴きながら鳥の群れが近くで戯れています。見下ろすと、土手の下に作られた道路を犬を連れた人達が何組も散歩しています。その横を自転車ロードレースの練習の人が走り抜け、河川敷では子供たちが野球をしています。

嗚呼、平和だなぁ、と幸せをかみしめながら、私は缶ビールを開け、大空の下、昼間から飲むビールはいつもにもまして美味しく感じます。つまみはもちろん大阪屋さんのおでん。たっぷりとおでんを楽しんだ後で横になって空を見上げていたら、少しうとうとしてしまいました。

土手でお昼寝なんて、子供の時以来かもしれない。こんなにゆったり休日を過ごせるなんてとても贅沢です。しかし、今日はここでは終わりませんよ。

ぱぱ・のえる

東京都荒川区南千住1-19-2

TEL 03-3805-2408

営業時間・定休日 11:00-19:00・日

https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131305/13167151/

都電荒川線

普通運賃 大人170円IC 165円)/小児90円(IC 82円)

※IC運賃は1枚のICカードで運賃全額を一度に支払う場合に限り適用

※大人又は小児に同伴する場合は2人まで無料

問い合わせ 03-3816-5700(9:00-20:00 東京都交通局)

https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/toden/

あらかわ遊園

東京都荒川区西尾久六丁目35-11

TEL 03-3893-6003

営業時間・休園日 9:00-17:00・火(祝日の場合は、翌日)/年末年始

※ゴールデンウィーク期間の日・祝/夏休み期間の日曜は雨天を除き18:00まで

※各月の休園日についてはHPで確認を

入園料金 ※アトラクション利用の際は「のりもの券」が別途必要

  • 平日 大人200円/小・中学生無料
  • 土・日・祝日/春・夏・冬休み期間 大人200円/小・中学生100円

https://www.city.arakawa.tokyo.jp/yuuen/

大阪屋

東京都荒川区西尾久3-22-15

TEL 03-3893-7937

営業時間・定休日 10:00-19:00・火、及び年末年始

https://www.facebook.com/oosakayaoden/

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この特集について

旅する東京ライフ

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