【青物横丁】新しい人も住みやすい-人情溢れるあたたかい街 京急電鉄×haletto

仙台から上京して7年。

東京の様々な街へ行くようになってわかったのは「歩いてみなければ、街はわからない」ということ。歩いたからこそ出会ったお店や、知った街の背景や歴史。そういった、「自分がその街を歩いたからこそわかる発見、出会い」が好きなんです。

旧東海道の十三番目にある青物横丁の名残りである道標

「歩いて愉しい街」は「人に紹介したくなる街」でもある。そうして最近、私が実際に歩いて、誰かに話したくなった街が「青物横丁」でした。

なぜ、青物横丁かって?−それは「とにかく、青物横丁がおもしろい!」と言う後輩の一言がきっかけでした。彼はいつも、どこから探してきたのかわからない街の情報や人との出会いを持ってきてくれます。今回も、「青物横丁に面白い人がいるんです」と興奮気味。

知り合いから「AOYOKO welcome book」というフリーペーパーをもらったそうです。読んでみると、京急線青物横丁駅にある「青物横丁商店街」を特集したフリーペーパー。なんてったって、どのページを開いても、写っているのは商店街で働く人たちの笑顔ばかり。

もしかしたらこの場所に“何か”あるのでは、と彼の嗅覚が反応したようで、フリーペーパーの編集を手掛けた佐藤亮太さんを検索すると「株式会社しながわ街づくり計画」という会社を立ち上げ、青物横丁で「KAIDO books & coffee」というブックカフェを運営されている。“街を知るにはその街を一番知っている人に話を聞きたい”という気持ちと、ブックカフェが好きということもあり、佐藤さんに会いに行くことに決めました。

品川駅から京急線に乗ること4分。改札口を出ると、いまはよく見るチェーン店と、昔ながらのお店が入り混じって、まるで、都会の品川の近くとは思えない下町がある。階段を降りると、横断歩道の奥のレンガ作りの喫茶店「ムジカ」が目に入りました。“古くからありそうなお店=きっとみんなから愛されている”という独自の街歩き方程式に従い、入ってみることに。

「やっぱり、間違いない」

店内は、コーヒーの香りがいっぱい。くつろぐサラリーマンやおじいさんの姿に安心感を覚える。

店内に貼ってあるメニューを見渡すと「モーニングサービス」と書かれたメニューを発見。なんと、好きなコーヒーにプラス100円でトーストとサラダとゆで玉子のセットがつくとの記載が。“安すぎる!”昔ながらのメニューがこのお店には残っている。

迷わずコーヒーとこのセットを注文。わくわくしながら待っていると、ふかふかのトースト、コーンの乗ったサラダ、それにゆで玉子が登場。トーストはバターがたっぷり染みこんで厚さは3~4センチのボリューム。店主の村上さん曰く、モーニングサービスで出しているトーストはこれでも薄い方なのだとか。

お腹も満たされ、目指すは「青物横丁商店街」。

「ムジカ」を出て「ジュネーヴ平和通り」を東へ進むと次の交差点に「青物横丁商店街」がある。ちなみに、青物横丁は江戸時代に野菜などの青物を取り扱う青物市場があったことから名付けられた場所で、いまの「青物横丁商店街」はまさにその名残だ。商店街があるこの通りは別名、旧東海道と呼ばれ、江戸時代には宿場町として栄えた。「青物横丁商店街」と書かれた街灯やお惣菜屋さん、そしてネオン会社や工場(こうば)など、昔ながらのレトロさが漂っています。

近くにある、ガチャポンや文房具が路面に並んだ「クマガイ文具店」に黄色い帽子をかぶった小学生の女の子が入っていきました。つられて私も店内へ入り、「じゆうちょう」や、黄色い筆洗バケツ、小学生が作ったと思われる手書きの「まちあるきしんぶん」などを眺めていると、店主の白尾寿美子さんの声が聞こえてきます。

白尾さん「ポニーテールをするなら、一個大きいサイズの帽子がいいんじゃない?」

人見知りながらも「…これにする」と少し大きな紺色の帽子に決める女の子。優しい白尾さんの姿に、自分の幼い頃の懐かしい思い出が蘇りました。仙台生まれの私も、小学生の頃は地元の文具店でよく学校のものを買っていたっけ。学校で使う物を売っていることは、地域に根づいているお店の証拠なんでしょう。

「クマガイ文具店」を出て、石畳を進むと、突然開けた公園が現れます。

こんなところに、ちょっと休める東屋(あずまや)があるなんて、東海道のなごりなのでしょうか。枯山水風の砂場があり、その横のベンチの前には何やらポストサイズの不思議な木箱が。

よく見ると白い文字で書かれた「むかしボックス」の文字と赤い10個の謎のボタン。

ボタンを押してみると、突然、木箱からおじいちゃんの声が話しかけてきました。(ボタンがあると人って無意識に押してしまうんですね。)すこし聞き取りづらい音声が流れてきて、耳を澄まして聞いてみると、どうやら昔話をしてくれているみたい。訛りがある声で、うまく聞き取れないけど、嬉しそうに街のことを話していて、思わずクスクス笑ってしまいます。

目黒川に差し掛かり赤い橋を通った先には「品川宿交流館 本宿お休み処」と書かれた建物。

中では、あんず棒や梅せんべいなど昔懐かしい駄菓子が並んでいます。「どれにしようかな~」と悩む子どもたちに「100円までなら、あとはこれしか買えないよ!」とお店のおばあさんが教えてくれます。

さっきの「クマガイ文具店」もそうだけど、子どものことを大人たちがみんなで考えている街って素敵。子どもを育てるなら仙台に戻りたい、と思っていたけど青物横丁のようなみんなで子どもを見守る街があるのなら東京でも子育てできそうと、ふと思いました。

子どもたちが遊びまわる大きな公園を通り過ぎて、お目当ての「KAIDO books & coffee」に到着しました。ガラス張りのドアに、暖簾のかかった入り口、軒先にあるレトロな自転車。このエリアにしてはお洒落な外観にどんな本があるんだろうとわくわくしながら店の中へ。壁一面に写真が飾られた店内を奥へ進むと、「AOYOKO welcome book」の編集長・佐藤亮太さんが出迎えてくれました。気さくで優しそうなお兄さんです。

佐藤さん「自分の地元を盛り上げたいと思い、青物横丁に戻ってきました。」

佐藤さんはこのお店を開くまでは浅草で人力車を引いていたという驚きの経歴。

佐藤さん「浅草にいた時、街をどう盛り上げていくかということに面白さを感じはじめました。そして自分の地元である青物横丁について考えたとき、何か役に立ちたいと思うようになって。それから、株式会社しながわ街づくり計画という会社を立ち上げました。このブックカフェはその一貫として運営を行っています。」

お店にいると、老若男女関係なく様々な人が気軽に入ってきます。近所のおばちゃんたちがお茶をしていたり、サラリーマンや若い女性が仕事をしていたり、街歩きの人がふらっと入ってきたり。佐藤さんが街づくり、そして場作りに思いがあるからこそ成り立っている空間なんだと感じました。2015年のオープン以来、2年やってこれまで、「いい街だね」と声をかけてくれる方や、実際にこの場所を気に入り引っ越してきた方もいたそう。

佐藤さん「ここは旧東海道があり、宿場町としてこの街と日本全国をつなげる役割を持っていました。元々は“繋がる街”だったんです。その名残からか、この街の人は来るものは拒まず、まずはなんでも受け入れてみる、という気質があります。僕がここへお店を出すときも、この雑誌を作るときも、街の人達は、受け入れ、面白がってくれ、街のことを沢山教えてくれました。」

佐藤さんのように、自分の住んでいる街を語れる人に憧れます。東京へ上京してきて7年、私はずっと住んでいる新高円寺について、どこにどんなお店があるかは知っていても、歴史や人々のことを語れるか、と言えばそうではないです。雑誌を開くたびに広がる街の人々の笑顔。そこには新しい取り組みを受け入れ、面白がってくれた街の様子が映し出されている気がしました。

気さくな人柄のせいか、すっかり佐藤さんに夢中になってしまいました。

青物横丁駅の近くにある自転車屋さんへ用事があるということで、ついていくことに。お店の前にあったレトロな自転車をおして街を一緒に歩きます。

佐藤さんと商店街を歩いていると「ごくろうさん」「今日は何してるの?」と話しかけて来る人がたくさんいます。一通り会話を交わした後に、「あの人は最近脱サラをした人で…」とどんな人なのかを嬉しそうに教えてくれます。きっと今のような関係になるまでに街のみなさんと沢山の会話をされ、街の人を大切にしてきたんだろうな、と。そしてそんな風に声を掛け合う関係が、少し羨ましくも感じました。

行きの道中、気になっていた「畳松岡」の前を通りかかると、ここでも「ごくろうさん。」と粋な大柄のおじさん、松岡清隆さんが話しかけてきました。ここは安永8年から続く畳屋さん。大正4年に建てられたこの家屋は関東大震災にも動じず、100年前の壁が今でも残っています。緑の看板に、木造の古い建物ですが、しっかりと生きているお店だと感じられます。

現在7代目という松岡さんは、畳屋という自分に誇りを持ち、いきいきとしていました。普段は見ることのできない京間サイズの畳を触らせてくれたり、昔の仕事の話を教えてくれたり。一方で、ギターが大好きな松岡さん。お祭りでは音響担当をしているのだとか。この街での暮らしを楽しむ人です。

昔からのお店が残っているのは、地元からちゃんと愛されているということ。地元に愛されるお店が生き続けている、それがこの街の特長かもしれません。

商店街入り口の交差点を渡ると、佐藤さんのお目当ての自転車屋「佐野サイクル」へと到着。以前薬屋さんが乗っていた自転車は、漫画に出てくるおまわりさんの自転車のようです。

青物横丁商店街の角に店を構え、店主で3代目の佐野晃一さん。すこし照れくさそうに、「よく街歩きの方が道を訪ねにやってくるよ」と話してくれます。この街の交番のような存在なのだそう。

はじめて訪れた私にも、街の人々は優しく楽しそうに色々なことを教えてくれます。それがこの街のあたたかさに繋がっているようです。

佐藤さんにお礼を告げ、もう少し散策します。青物横丁商店街から歩いて10分程、天王洲運河沿いを行くと、新しさを感じる建物が目立ちます。ちょっと歩いただけなのに、代官山や自由が丘のような街並みに。

倉庫をリノベーションした天王洲ブルーワリーレストラン「T.Y.HARBOR」やインテリアショップに併設しているレストラン「SOHOLM」。定期的に魅力的なアートイベントや展示会を行っている「寺田倉庫G1ビル」。

ここは青物横丁と違った街の新しさがありました。天王洲アイルという現代の良さを受け入れた街並みは、青物横丁商店街の雰囲気とは一味違いますが、そのコントラストも街歩きをしていてとても面白いです。品川というオフィス街のイメージから、青物横丁というレトロであたたかい商店街、天王洲アイルというお洒落な街。ここは、昔からの下町と新しい文化が入り交ざる街だということを歩くことで実感しました。

気付けばマジックアワー。日も暮れ始め、そろそろ商店街の方へ戻ろうかな。

秘密の隠れ家のような居酒屋を発見。1日の終わりはやっぱりビールが飲みたい。このお店のおやじさんは距離感を大事に接してくれます。両親と離れて暮らしている私に、家族の温かみを感じられるお父さんみたいなおやじさん。その居心地の良さに改めて青物横丁の人のあたたかさを感じます。

青物横丁は、私が自然と落ち着ける街。そして街が生きている、ちゃんと動いている。

“人情溢れる人の集まるあたたかい街”でした。私が最近よく思うのは「街の人と繋がる暮らしがしたい」ということ。お店なのか、飲み屋なのかわかりませんが「おぉ!三宅!」と言ってもらえる街に住みたいと考えています。まだまだ掘り出せばきっと面白い発見があるはず。ここ、青物横丁も私にとって住みたい街のひとつになりました。

〔提供:京浜急行電鉄株式会社〕

【halettoからのお知らせ】

記事で紹介仕切れなかった青物横丁の街の魅力を体感してみませんか?haletto編集部の日頃の街の切り取り方を伝授しながら、参加者みんなで青物横丁の魅力を考えるワークショップを開催します。

【満員御礼】舞台は旧東海道「青物横丁」—街の魅力を見つける編集ワークショップ

※満員になりましたので応募終了します。 たくさんのご応募ありがとうございました。

5/20(土)13:00-16:00

@レンタルスペース松本(京急本線「新馬場」駅から徒歩4分)

参加者:限定11名

参加費:1000円(地元のおやつを準備してお待ちしております。)

詳しくはこちらから

【京急電鉄からのお知らせ】

京急本線「青物横丁」駅から徒歩9分。

レトロで人情溢れる青物横丁とお洒落な天王洲アイルを両方楽しめる品川シーサイドに暮らしてみませんか?

プライムパークス品川シーサイド ザ・タワー(2019年3月下旬完成予定)

詳しくはこちらから

編集長・プロデューサー

仙台生まれ。好奇心旺盛。週末、街歩きしながら外でビールを飲むことに至福を感じる。好きな街の種類はこじんまりした居酒屋がある場所。口癖は「なんとかなるさー」。最近、山ごはんに興味津々、みんなの親分。

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