「これいいですね」からはじまる出逢い。大江戸骨董市で繋がるモノとヒト。

マルシェのような「大江戸骨董市」で骨董市デビューします

日本の古い壺や、掛け軸など、価値を見極めるのが難しく奥深い世界にある骨董品。愛好家たちが時を重ねた品物を集める骨董市は、指一本で買い物ができるインターネット消費になじんだ私たちとは縁遠いところにあるように感じてしまいます。

骨董と聞くと難しそうだけれど、アンティークとなるとちょっと身近に感じる私たち。私も真鍮のモチーフや、色の落ちた木材などアンティーク風の商品は雑貨屋でもよく見かけて可愛いと思ったり、取り入れてみたいなと思ったりしていました。

数ある骨董市の中で、古美術や骨董品の専門知識がなくても、外国のマルシェのような感覚で参加できる「大江戸骨董市」というものを見つけました。ちょっとドキドキしながら、初めての骨董市へお出かけしてみることに。

親しみやすいアンティークも魅力「大江戸骨董市」の特徴

江戸開府400年目となる2003年から始まる「大江戸骨董市」。現在は東京国際フォーラム地上広場か代々木公園ケヤキ並木で開催されています。今回は代々木公園のケヤキ並木へ。ときおり、英語、フランス語、中国語と国際色豊かな言葉が耳に入ります。

「好きなものを身の周りに集めるのが好き」と話すのは主催者の株式会社クレド代表浅野加奈子さん。骨董市全体を通しては、「洋風の骨董品が多い」ということで、難しそうな日本の骨董品よりも、雑貨屋さんで見るような可愛らしい雰囲気の品物もあるそうです。

「好きなものを身の周りに集めるのが好き」と話すのは主催者の株式会社クレド代表浅野加奈子さん。骨董市全体を通しては、「洋風の骨董品が多い」ということで、難しそうな日本の骨董品よりも、雑貨屋さんで見るような可愛らしい雰囲気の品物もあるそうです。

「本格的な骨董品より、カップや食器など日常的で手ごろに買えるものが集まってくる」という点は、私たち世代の来場者や出店者にも親しみやすく、開かれた骨董市となる理由なのかな。

自分のときめきに従ってお気に入りを探そう

浅野さんから骨董初心者に向けてのアドバイスは、「感性で選ぶことから入っていく」「専門知識がなくても、これが好きという気持ちから始めて良い」というもの。その心強いお言葉をもらい、緊張していた私でしたが、急に元気になってきました。
骨董市初心者の心得を胸に、骨董市へと繰り出します。まず、目に入ってきたのは、可愛らしく整列したアンティークボタン。見せてもらうと、アンティークボタンのリメイクピアスでした。
骨董市初心者の心得を胸に、骨董市へと繰り出します。まず、目に入ってきたのは、可愛らしく整列したアンティークボタン。見せてもらうと、アンティークボタンのリメイクピアスでした。
フランスの1920年代の凝ったデザインの洋服の袖についていたボタンや、職人の気まぐれで装飾の途中でやめてしまったボタンなど、どれも個性的なストーリーが。古き良きパリの香りを感じたようでうっとり。自分の感性に合ったものとの出会いはときめきを感じます。
続いて、何かが描かれたような薄いガラス板を発見。今のように画像がスマホで持ち運べない、遠い昔の時代、ガラス板に時間をかけて風景などを写していたそう。これはヴェネチアの風景を撮影し、現像する時に薬剤を垂らしてしまった失敗作だとか。時間も空間も越えて、ちょっとシミのついたその風景や、ガラス越しに影を落とす様子はノスタルジックで私が好きなテイストです。直感でいいなと感じたものを見せてもらいながら、骨董市一店目を終了。
 
ここでしか会えないようなノスタルジックで個性的なものたちとの出会いが、ときめきを与えてくれる感覚は楽しくてワクワクします。

「これいいですね」の一言が出店者さんとの会話のコツ

お店の人と話してみる、これも大切なポイントと、浅野さんから教わっていた私。「これいいですね」と一言を言うこと。そうすれば、ものを通した共通の会話が自然と始まります。初心者の私たちは、緊張してしまうけれど、同じものが好きだという共通点を活かすことがキーになります。また、「手に取っていいですか?」と聞くことで、出店者さんとの会話の始まりになるかも。

色々なお店を廻り、可愛い北欧食器など、たくさんの品物たちに目移りしながらも、だんだん良いものを見つけたら話しかけるというペースがつかめてきます。

骨董市というとハイレベルで専門知識がないと話しかけにくいのかなあと身構えていましたが、皆さん優しくものにまつわるお話を披露してくださいます。そんな中で、面白い出会いもありました。

ガラスボトルのお店のビン博士

ビン博士こと「壜(※びん)の小さな博物館ボトルシヰアター」の館長庄司太一さん。日本のアンティーク瓶収集の先駆者です。小さな緑色の変わった形の瓶を手にし、語ってくれました。
 

この瓶は、養蚕時代に使われた蚕を病気から守るためにつかわれた薬瓶。絹糸の原料、繭を作る蚕に病気が流行り、困った生産者はエサになる桑の葉に薬を入れることに。その際、この小瓶に薬を入れ、蓋にある小さな穴に桑の茎を指し、蚕たちにあたえました。

しかし、この療法は後から間違っていたことが分かり、瓶も全く使われなくなり忘れられていったという歴史秘話があるそうです。

アンティーク瓶への熱い想いに触れ、並んでいるグラスボトルにはそれぞれ歴史があるんだという発見をした出会いになりました。

漆塗りの食器のお店を初出店した姉妹

初出店したという漆器の出店者さんは目立って若い印象。漆器だからといって敬遠せず、パスタやシチューに使うこともあるという話は新鮮な驚きが。漆器の収集や修繕をしているお姉さんと、その出店を手助けする妹さん。仲良く笑い合う二人に、ほっこりする出会いのひと時でした。

暮らしに取り入れるアイデア、ヒントがきっと見つかる

あるお店では、骨董品にちょっとした植物をとりいれたディスプレイが目を引きました。出展者さんも、古い道具は植物やドライの素材との相性が良いと教えてくれます。本来の役割を終え、日常に溶け込む花器として使われる彼らは、新しい仕事が気に入ったようです。
 

今回、初めて骨董市をめぐってみた私の収穫は、藍染めの端切れ。もともとはお布団の側(がわ:綿をくるむ布地)だったそうです。ディスプレイに藍染めの布を敷いていた出店者さんによると、藍染めの端切れをテーブルクロスにしている人もいるということで、それならば、とカップボードに敷いてみたいなという気持ちに。

レトロな花柄の藍染は、洋風のインテリアにアクセントになるかも。少しくたびれたアンティークな風情が、前からあったみたいな顔をして、部屋の中になじんでくれそうです。

まずはプラスワンのアンティーク取り入れよう

大江戸骨董市に行くことがあったら、まずは一つ、手ごろなアンティークな古道具を取入れてみませんか?「これいいな」とときめくものを見つけたら、勇気を出してお店の人に話しかけてみて。お気に入りを手に入れるだけでなく、出店者さんとの会話の思い出も持ち帰れます。

バリアフリーで入場無料という敷居の低さに加え、小銭で買えるものも見つかる大江戸骨董市。探し物をするなら午前中、お散歩がてらふらっと行くなら午後でもOKです。気の向くまま、感性に任せた骨董品デビューを大江戸骨董市のマスコットわんこ「タロウ」も見守ってくれますよ。

 大江戸骨董市の今後の開催予定はこちら

 

ライター

東京都生まれ。休日は近場の町探検へでかけます。気になった喫茶店にふらっと入り一息つくのが至福の時。出かけた先でお土産におやつを買うのが楽しみ。

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